手ぶらで観光、「バスタ新宿」に佐川急便が宅配カウンター開設

ECのミカタ編集部

佐川急便がバスタ新宿内「東京観光情報センター」に宅配カウンターを開設した。外国人観光客のために開設されたこの宅配カウンター、実は最先端の様々な仕掛けがあるのだ。

「バスタ新宿」オープン、佐川急便の宅配カウンターとは

一日の電車の平均乗降者数が約335万人(2013年)と、その数が世界一多い駅としてギネス世界記録認定されている新宿駅。駅の広さは地下にまで広がっており、「新宿ダンジョン」と言われるほどである。駅には電車だけでなく、多くの高速バスも行き来しているが、新宿駅にとってその高速バスの乗り場が広く点在してしまっていることが課題であった。

そんな課題を解消するべく、2016年4月4日より、点在していた高速バス乗り場を終結させた日本最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」がオープンした。このバスタ新宿には、118社のバスが乗り入れ、1日に最大1625便ものバスが発着する。このように国内の交通が整備されれば、もちろん、外国人観光客の集客にもつながる。

そこで、SGホールディングスグループの佐川急便株式会社(以下、佐川急便)は、東京都が民間事業者と連携して外国人旅行者が求めるサービスをワンストップで提供することを目的としてバスタ新宿(新宿南口交通ターミナル)内に設置した「東京観光情報センター」に、「佐川急便 新宿駅南口宅配カウンター」を開設した。

「Pepper」もお手伝い、佐川急便×AI

「佐川急便 新宿駅南口宅配カウンター」では具体的に以下のことが可能となる。

・23区内のホテル、羽田/成田空港、東京駅への即日配送(11:00までに預けた荷物は、当日16:00(成田空港は17:00)以降に目的地で受け取ることができる)
・手荷物一時預かり
・一般宅配便、国際宅配便
・プリペイドSIMカード、佐川急便グッズの販売

これにより、外国人観光客は、「佐川急便 新宿駅南口宅配カウンター」に荷物を預け「手ぶら観光」が可能となり、また、新宿駅到着後、当カウンターからホテルなどの宿泊先に荷物を即日配達できるサービスも行っているので、外国人観光客はストレスフリーな観光を楽しむことができる。

そして驚くべきは、株式会社インデンコンサルティングが開発し、SGホールディングスグループのSGシステム株式会社が提供するビデオチャット機能を利用した次世代翻訳システム「SGスマイルコール」と、ソフトバンクロボティクス株式会社の人型ロボット「Pepper」が、外国人観光客サポートのために配置されていることだ。

AIの台頭は、テクノロジーが進化していくにつれ、ECの世界でもリアルの世界でも目が離せないものとなってきている。今回、佐川急便が当カウンターにAIを起用した背景にも、物流人口が減少していることがあるのだろう。今後様々な場面でAIの活躍が期待できそうだ。

今後さらに外国人観光客の増加が見込まれる新宿駅で、佐川急便は今回の取り組みにより、外国人観光客にとって身近な存在となれる。それは同時に、外国人観光客に対して、「佐川急便」を意識してもらえるチャンスでもあるのだ。

また、リアルな日常生活において「Pepper」のような人工知能が活躍していることは、インターネット上での人工知能の台頭も期待できる。物流業界大手の佐川急便が、このような「越境」と「AI」という二つを意識した動きをみせていることは、我々の生活にも少なからず関係してくるのではないだろうか。


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