EC業界News1週間まとめ〜越境ECは新時代へ アリババ?JD?RED?それより大事な日本のEC企業の姿勢

石郷“145”マナブ

こんにちは。メディア編集部の石郷です。

今週、読まれた記事はこちらです。
■アリババの越境EC『天猫国際』がレポートを発表、その中身は?
https://ecnomikata.com/ecnews/18093/
■【第4弾】20代男女、”興味”が左右するPRやAD表記へのアクション。〜ミレニアル世代が持つ、EC利用時のマイルール〜
https://ecnomikata.com/column/18146/
■クレジットカード取引のセキュリティ対策強化への実行計画が改訂。
https://ecnomikata.com/ecnews/18134/
■送金やカード・スイカへのチャージもできるアプリ『Kyash』が進化
https://ecnomikata.com/ecnews/18118/
■「LINEウォレット」のリリースで加速する、LINEを通じた金融関連サービス
https://ecnomikata.com/ecnews/18149/

日本企業は越境ECではまだ「種まき」の時

 今週最も読まれた記事はアリババの「越境EC」の話題でした。それだけ関心が高いということなのかもしれません。

 そんな中、先日、越境EC、特に中国での話を耳にして、面白いなと思ったのが、OTSの小橋さんからの紹介で聞いたウィーンゴーの張 華淵CEOの話でした。当たり前のことなのですが、中国もショッピングモールがたくさんあるけど、どこに出店しても同じように見えて、実はそうではないということでした。

 彼女が話していたことで面白かったのが、どんなものでも「種まき」をして「養成」して「収穫」するという具合に、段階を経て成長して行くことを考えれば、種まきにふさわしい売り先、養成にふさわしい売り先があるはずだというのです。そこを見極めて、越境ECを考えるべきだと話していて、彼女はそこの中で「種まき」にふさわしいのが「RED〜小紅書〜」だと話し、なぜならインスタなどのSNS的な要素を持ったショッピングモールだからだと説いていました。

企業の言葉よりも人の言葉に力を持つ中国

 中国で言うならばCtoCをベースにネットによる商取引が活性化してきました。それは勿論、実店舗がそれほど多くなかったこともあるでしょうが、「企業の言っている事は綺麗事で 100%の信用はできない」と言うのがあるのかもしれません。情報源で頼れるのは人であり、だからこそCtoCが栄えた。だとすると、まず日本企業が信用を得るにはそう言うSNS的な要素を活用することから始めるべきだからだとその理由を説明していたのでしょう。

 「RED〜小紅書〜」は改めて「種まき」の段階で一つの選択肢として正しいと思いました。ただ、同時にこれを聞いて、もう一つ僕には別の考えも浮かびました。思ったのは、だから単純に中国から日本に進出する企業だけではなく、日本側から独自に越境ECの道標をする企業も多いんだなと言うことなのです。例えばinagoraなどがそれに当たります。

様々な中国へのアプローチがある中でどれを選ぶのか

 でも、中国国内で見れば、inagoraは中国国内で大手のモールと言われるところと比べるとそれほど、有名ではない。そこで改めて、この文脈で彼らを見てみると、彼らは別にそう言う大手モールと対峙するつもりもないでしょう。

 おそらくですが彼らの企業はいきなりレベルの高い市場に挑む前に、中国の消費者に日本企業の個性なりを丁寧に伝えて行く必要があることを知っていて、それはほどの言葉を借りるなら「種まき」です。そこにはそれを伝えて行く側も日本の企業に対する理解が必要なはずだと考えたのでしょうし、それを中国でいかせる術を知っていることに強みがあるから、それを生かして「さあ中国へ」と導こうとしているだと思いました。これも一つのあり方としては正しい。

 おそらく自らプロモーションから物流まで日本の企業を意識したトータルでのフォローをする越境EC支援の企業と、既に中国などで力を持っているショッピングモールを日本企業の良さを伝えられるようにコンサル的に指南して物流までフォローする越境ECの企業と選択肢としては二つありそうです。

日本企業が中国なりのやり方で中国の消費者を掴む時代はもうすぐ

 どれが一番だとは言いません。ただ間違いなく言えるのは中国と日本は違う国であって日本のやり方が通用する訳ではないと言うこと。そして日本以上にネットが浸透していて商売をするにはECを避けて通れない現実があると言うこと。だからこそ日本企業は新規の顧客開拓として、中国の消費者を意識しながらも、でもその為には中国においてはECでのジャンルで勝利をすることがいかに大事かということなのだと思います。

 今必要なのは特に大手企業がどういう風にして、越境ECで勝利を掴み、結果、会社自体の業績を伸ばせたかという成功事例のように思います。どこでどのような成功事例が生まれるのでしょうか。ツールやインフラは整い始めた今、それは近く聞くことができるでしょう。期待を持って、その成り行きを見ておきたいと思います。

 さて今日はこの辺で。
笑顔あふれる一週間でありますように。
また、来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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