【情報解禁】越境EC、出店の決め手とは?(イーベイ・ジャパン調べ)

ECのミカタ編集部

日本から海外に向け、積極的に海外進出支援を行うイーベイ・ジャパンが越境ECに関して気になる調査結果を発表した。国内のみで販売している店舗にとっては国境を越えてのインターネットでの商品販売は全くの未知の世界であり、これだけ「越境EC」というワードが流行っているのに参加しない企業が多いのはきっと不安に思うEC事業者も多いからなのだろう。今、そこで一体越境ECに参加する店舗はなにをメリットに感じて、世界へ進出しているのだろうか。イーベイ・ジャパンの調査をもとに読み解いていきたいと思う。

越境ECに踏み出すメリットとは。

越境ECに踏み出すメリットとは。

なぜ、海外進出に至ったのか。アンケート(複数回答可)で1位だった理由は「日本では売れない商品が、海外では売れる」であり、47.6%と半数近くまでに昇った。2位は「日本よりも高い価格で販売できる」が46.6%。3位の「購入者が日本よりも多い」は40.8%。

1位と2位の結果から日本と海外では商品を購買する層やニーズの違いを表すような結果になった。また3位の結果ではまだまだEC市場の規模が少ない日本を飛び立ち、市場規模の大きい国への出店にメリットを感じている店舗が多く見受けられる。

増加傾向にあるのは、やはり中国か。

増加傾向にあるのは、やはり中国か。

上記画像は越境ECの主な出店国のランキングだ。1位「アメリカ」64.1%(前年比‐3.9pt)、2位「中国」53.4%(+6.8pt)、3位「アジア地域(中国以外)」51.5%(+11.7pt)、4位「ヨーロッパ諸国(イギリス以外)」39.8%(±0pt)、5位「イギリス」33.0%(+1.9pt)という結果になった。前年度と比較するとアメリカは減少したが1位という立ち位置は変わらなかった。見ていただきたいのは中国を始めとするアジアの国々との取引が増加傾向にあるということだ。1日にして11月11日の独身の日や爆買がより中国への注目を集めているのではないのだろうか。

出店への意識調査

出店への意識調査

次は越境ECの出店への意識調査だ。日本国内ではECを行っているが越境ECには手を出していない店舗に向けて「越境EC出店をしてみたいと思いますか」というアンケートだ。結果は55.6%が「出店してみたい」または「やや出店してみたい」と回答。これに対して22.4% が「出店したくない」「あまり出店したくない」と答えた。

上記から越境EC出店に前向きな考えをもっている店舗は半数以上であることがわかった。一方で越境ECへ抵抗がある店舗は22.4%に留まった。

また、国内でECを行っていて、越境ECは行っていない店舗へ「越境EC出店に対して抵抗があるか」と質問したところ、「抵抗なし」と答えたのが37.5%、「抵抗あり」と答えたのが62.5%という結果になった。

「抵抗なし」と答えた店舗の主な理由は以下の通りである。
・今はネットの普及も著しくセキュリティもしっかりしていて安心。日本で売れなくても海外で高く売れる可能性がある。
・ トラブルに関しては国内も外国も差異は感じない。
・ 他社も続々と出品しているので。

一方の「抵抗あり」と答えた店舗の意見は以下である。
・各国の言葉がわからないので相手とのコミュニケーションを取れる自信もない。
・決済に信頼ができない。配送が出来るか不安。
・トラブルがあった時に十分なサポートが受けられないイメージ。

サポートの重要性、ニーズとは?

サポートの重要性、ニーズとは?

越境ECへの抵抗があるかの意見を踏まえて注目したいのが、越境EC出店者が「困った時にサポートして欲しいと感じている出品時のニーズ」という調査である。
「充実したFAQ」との回答が48.5%(前年比+15.5pt)となり、なんと前年の5位から1位へ大きく伸びている。続いて「メールでの質問受付」が43.7%(-4.9pt)、「オンラインセミナー」39.8%(+3.9pt)がという結果になった。

越境ECに挑戦する店舗は年々増えているが、世界のEC市場の規模の中ではまだまだ参加している店舗は少ないと言える。その理由として国境を越えて商品を販売するということはハードルが高いということが挙げられるだろう。これからも市場規模が大きくなっていくであろう越境EC。参入を意識した店舗が多いことが今回の調査でわかったので、今後いかに参入のハードルを下げていけるかが重要なのではないだろうか。
そのために今後もイーベイ・ジャパンは越境ECに挑戦する店舗を応援・サポートしていく意思だ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事