うちでのこづちに聞く、350の事例に学ぶCRM施策
EC・通販企業の多くが取り組む”CRM”施策。しかし、効果的にCRM施策を行えている企業はわずか7%にとどまるとも言われている。今回は、数あるCRMツールの中で唯一、EC・通販専用のCRMツール「うちでのこづち」を提供する株式会社E-Grant 取締役 COO.北川 健太郎氏にEC・通販企業が実施すべきCRM施策を伺った。
CRMとは、既存顧客の活性化
EC事業に携わる人であれば、誰しも1度は耳にしたことがあるであろう「CRM(Customer Relationship Management)」という言葉。しかしCRMが意味するものは?と問われると、回答に困ってしまう人が多いのではないだろうか。それは「顧客との関係構築」「おもてなし」などをはじめ、業界や使う人によって様々な意味づけができる言葉だからだろう。
では、EC・通販企業にとってCRMとはどんな意味を持つのだろうか。EC通販企業350社のCRM施策を支援してきた北川氏によれば、EC・通販企業のCRMとは「既存顧客を活性化させて、LTV・リピート売上を引き上げる仕組み」のこと。その理由として、「日本のEC業界は急成長を遂げています。それに伴い競合企業も増加し、新規顧客の獲得が難しくなっているのです。そこで鍵を握るのが”既存顧客”の育成。実際に成長しているEC企業では、売上の約8割を既存顧客が占めているといわれています。」と説明する。
既存顧客でEC企業が成長できるとするその考え方に重きをおく理由は、獲得コストにある。多くの場合、新規顧客の獲得には多額の広告費がかかる。一方の既存顧客は、自主的にECサイトを訪れたり、メルマガからの誘導ができたりと、獲得コストが少額で済むのだ。「同一の顧客に繰り返し購入してもらうことで利益が増加し、その利益を新規顧客の獲得に回すことで、EC通販企業は成長できます。」と北川氏は語る。
※リピート売上→ 既存顧客により、繰り返し発生する売上のこと。
※LTV( Life Time Value:顧客生涯価値)→ 一人のお客様が取引期間を通じて企業にもたらす価値のこと
EC・通販企業が行うべきCRM施策とは?
既存顧客を活性化するためにEC通販企業が取り組むべきCRM施策とは、目指すべき指標を設計した上で、”顧客分析”×”顧客に応じた改善施策”×”効果検証”のPDCAサイクルを回すことだ。
北川氏は「ECサイト運営では、すべてを数字化できます。つまり、どこに課題があるのかを見つけるのは簡単なことなのです。そのためには、何を目指しているのか指標を設計し、指標との離反を埋めるための施策を講じる必要があります。」と説明する。
課題を見つけるために行うのが”顧客分析”