越境ECへの進出は、まずアメリカから。その理由とは?
越境ECといえば、中国をイメージする方が多いでしょう。しかし実のところ、中国市場はすでにライバルも多く、成功は難しいのが現状だ。従来の日中米のEC市場比較を引用すると誰がどう見ても中国にターゲット絞るべきとなってしまうところだが、「実はアメリカこそ行くべきところ」を後押しするデータが最近出ている。北米への越境EC支援を行う株式会社エスプールロジスティクスの営業統括本部 課長 松元広宣氏に詳しくお話を伺った。
ライバルが多く、ブランド志向。中国での越境ECは難しい
越境ECといえば、中国をイメージする方が多いでしょう。しかし実のところ、中国市場はすでにライバルも多く、成功は難しいのが現状です。
従来の日中米のEC市場比較を引用すると誰がどう見ても中国にターゲット絞るべきとなってしまうところではあるのですが、「実はアメリカこそ行くべきところ」を後押しするデータが最近出ました。
市場規模の差とBtoC取引額の差で一人当たり取引額の購買力差が如実です。単に物価指数の問題もありますが、小売側とすれば一人当たり購入額の高い方が魅力なはずなので、そこにも着目していただきたいと考えております。
また、各国の消費者を対象に「ものを買う基準」について聞いたある調査では、次のような結果が出たそうです。
アメリカ人は、スペックが高いものを求めて買う。ヨーロッパは、リフィルできるなどメンテしやすいことと、メーカーのエコ意識などにこだわって買う。アジアは総じてブランド志向ですが、中でも日本人は安心できる理由としてブランドにこだわる。一方中国人は、買った後で自慢できるものを求めてブランドにこだわる、ということでした。
したがって、中国のモールでよく売れるのは、一部の大手メーカーのもの。いいものでも、日本で売れているものでも、中国では売れるとは限りません。中国である程度購買力がある人は、すでに欲しいものを手に入れてしまっているという現状もあります。
中には越境サイトを作って中国進出を狙うケースもありますが、こちらはさらに難しい。考えてみてください。越境サイトを訪れてまで欲しいものってありますか? 相当好きなブランドであったり、海外にしかないマニアックなものは別として、ほぼ越境サイトでものを買うことはないでしょう。越境サイトを作っても、人口の少ない場所にコンビニを建てるのと一緒で、商品を見てもらう機会がない。それでもサイトを作るだけで数百万円以上のというお金がかかりますから、非常にもったいないと思います。
インフラが整い、マーケティングしやすいアメリカが狙い目!
そこで、当社が進出先としておすすめするのがアメリカです。アマゾン発祥の地として、FBA(フルフィルメント by Amazon)のインフラが整っていますし、市場規模が非常に大きい。何百万円もかけて越境サイトを作るよりも、月額費用が39.99ドルのアマゾンを使うことで、商品を広く認知してもらうことが可能です。
セブン&アイ・ホールディングスの全体売上が6兆円程度に対して米国アマゾンは2倍以上の15兆円。御社の製品を明日からセブン&アイに納品は可能でしょうか?アマゾンではそれが可能となります。
アメリカの15歳以上の人口は日本の倍にあたる2億人ですが、そのうちアマゾンプライムの会員は40%ほどと言われています。つまり、日本全国の購買人口と等しい数だけのプライム会員がアメリカにはいるわけです。さらに、アメリカ人のほとんどは商品を買う際、グーグルよりアマゾンで検索します。FBAを使わない手はないわけです。
アマゾンは売る側に親切な体制も整っています。商品は2日以内に届き、送料無料。集客もしてくれるし、決済、物流もついている。アマゾンの収入源はプライム会員費ですから、会員に喜んでもらうためにもこうしたサービスがあるわけです。ちなみに中国のモールは出店料が収入源ですから、こうしたサービスはありません。
弊社がアメリカを推すもう一つの理由が、マーケティングのしやすさです。アメリカに住む人の3分の2はアメリカ人ですが、あとはヒスパニック系、アジア系などさまざまな人種がいます。アマゾンに出店すれば、商品がどの人種に売れるかがわかり、世界進出の狙いも定めやすくなってくるのです。
面倒な現地での口座開設やアカウント取得は弊社にお任せ
アマゾンに出店するためには、現地での口座開設や契約、アカウントの取得といったハードルがあります。
そこで弊社は豊富な知識と経験を活かし、こうした手続きをサポートしています。
特に注意しなければいけないのは、化粧品、サプリメント、加工食品などのアメリカ輸出で必須となるアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)の認証も当社では取得サポートを提供し適正な手続きをサポート、代行することでアメリカ市場への参入を一気通貫で支援しています。
関税の知識も必須ですので、商品名から関税を調べられる逆引き実行関税率表をご用意しています。また出品の仕方もコツがいります。たとえば弁当箱を売る場合、通常はキーワードを「Lunch box」としますが、あちらの人は「bento」で検索するのでキーワードを変えなくてはならない。こうしたちょっとした違いをお伝えすべく、ご希望であれば横について出品トレーニングをしますし、すべてをお任せいただく出品代行も承ります。
アメリカで商品を売るための文化を作ることも大切です。たとえば黒にんにくを売りたいなら、アメリカでは食べる文化がないので、まずはサプリメントを作る。粉末だしを売りたいなら、そのだしでアメリカの大根をおいしく食べるためのレシピをフェイスブックに英文で紹介する。弊社ではこうした文化作りのノウハウもご紹介させていただいています。
アマゾンで1年売れば、世界進出も見えて来る!
越境ECをお考えなら、ぜひ弊社のサービスを利用して、アメリカでの販売をご検討ください。1年間、ニューイヤー、バレンタイン、イースター、母の日、ハロウィン、クリスマス、、、といったイベントを通して1年間出店してみると、アメリカで商品を売る感覚がつかめます。そこから得たヒントで、さらに世界進出の計画を立てることをおすすめします。
たとえば売り上げが上がったなら「アメリカのアマゾンで売れている日本のブランド」というキャッチコピーでヨーロッパへの進出を計画する。たとえば中国人が買って「アメリカで流行っているもの」とInstagramにアップすることで中国でもブランド認知されれば、中国進出を考えてもいいでしょう。
アメリカでの人気を足がかりに、いよいよ越境サイトを作って勝負するのもいいでしょう。
実際にご利用いただいているお客様でも、あるメイドインジャパンの雑貨が人気となり、越境サイトを作られた例がございます。
お客様のリクエストにお応えして、夏からはヨーロッパでのEC支援もスタートします。今後も本当にいいものを世界に広めるべく、皆様のお役に立てるサービスを提供してまいります。