ますますインハウス需要が高まる広告運用。 テクノロジーで実現する方法を探る
一般的に、広告代理店のマージンは広告費の20%である。決して安くない金額でも、多くのEC事業者が広告代理店に広告運用を任せているのは、自社で運用するスキルとリソースが不足しているからだ。しかし、近年では広告代理店の労働環境の変化や、運用状況の不透明さが提起されはじめていることを契機に、広告運用全体を通してインハウス(内製)化する流れが加速している。
慢性的な人材不足が叫ばれるEC業界で、運用型広告の内製化は可能なのだろうか?データ活用のリーディングカンパニーである株式会社ブレインパッドのADソリューション部 天野裕介氏に聞いた。
これからの運用型広告に代理店は必要?インハウス化のメリットは?
広告運用を代理店に依頼する場合、当然だが広告費用をかければかけるほど代理店に支払うマージンも膨れ上がる。そのうえ1人で何十社ものクライアントを抱えている代理店担当者の対応に、満足していないEC事業者もいるだろう。そのような問題やジレンマを抱えるEC事業者が多い現状を背景に、今の業界の流れは「運用型広告の内製化」だ。
「自分たちで運用型広告を管理するメリットはたくさんあります。代理店に開示できない顧客データなどの自社データもマージして運用していけますし、きちんと成果を検証していくことで、社内に運用のノウハウがたまっていきます。インハウス化は大きなメリットになるでしょう」そう天野氏は言う。
社内で新たな広告運用担当者をつけることを考えると、コストメリットが見えづらいかもしれない。新たな業務が増えることへの抵抗感があるのも否めない。それでも天野氏は「インハウス化の相談をいただく際の、最も多い理由はコスト面です」と実態を伝える。
「予算を管理し、KPIを改善するというアクションをツールに任せていけば、限られたリソースで効果を改善することができるようになる。工数を削減し運用を自動化することができれば、大きなコストメリットが得られます」。
そう話す天野氏に、インハウス化を成功させるためのポイントはどこにあるのかを伺った。
運用型広告内製化のためにクリアすべきポイントは
広告の運用を誰がやるのか。いざインハウス化を検討しても、その最初の壁に尻込みしてしまうケースが多いかもしれない。そもそも専門的な知識や経験を持ち合わせる人材が、たまたま社内にいることなど皆無に近いだろう。
「人を育てることも重要ですが、今の限られたリソースの中で迅速にインハウス化を進めるのであれば、ツールを活用して運用管理工数を削減させることです。例えば、広告のレポート作成と最適な予算配分が自動でできる“AdNote”であれば、広告出稿の実績を週次・月次・媒体別など、様々なレポート形式でダウンロードすることができ、予算管理も任せることができます」
データの分析とあらゆるレポート作成、実績に基づくシミュレーション。担当者が数字と睨み合いながら時間をかけて作っていた資料が、ツールを活用すれば瞬く間に作成できるというのだ。「ミスを犯す心配も二重チェックの手間もいらない。そして重要なのが、分析から導き出す最適化です」と天野氏は言う。
「過去の分析をもとに未来を予測し、その予測をもとに『より良い世界を作るためにどうするか』を導くのが最適化。なんとなく決めていた予算配分も、AdNoteでは分析にもとづき提案してくれます」。担当者の経験と勘に頼るのではなく、アルゴリズムを使って会社として平準化した予算配分ができる。
運用状況を把握するためのレポートと、それに基づく予算配分の自動化。これがインハウス化のスタートラインに立つための鍵となるだろう。同社ではツールの提供だけではなく「運用型広告インハウス支援サービス」としてコンサルティングサービスも行っているという。
ツールを最大限に活用&運用型広告インハウス支援サービスで、並走から自走へ
データサイエンスに強く、広告運用の悩みを幅広く解決するソリューションをもつ同社には「広告代理店任せで不安がある」「インハウスした広告運用を更に改善し、自動化(省力化)も進めたい」といった相談が多く寄せられる。
「AdNoteでは成果の改善と工数の削減ができますし、自社サイト内のレコメンドを最適化してコンバージョン率を高める“Rtoaster”や、キーワードひとつひとつに対して予測を立て予算管理する“L2Mixer”があります。運用型広告インハウス支援サービスでは、このようなツールを組み合わせてサポートしていきます」
実際にこれらのツールを活用しているニフティ株式会社の事例がある。「オウンドメディア内の効果を上げていくために、まずRtoasterの運用をスタートし、その後、外部からの集客も最適化していきたいということになりました。今ではAdNoteやL2Mixerを融合させて展開しています。その結果として、クリック率は4倍、コンバージョン率は10倍、コンテンツ販売の売上は10%も増加しました」。
KPIを追って成果を改善するRtoasterを、工数を削減させ自動化を進めるツールと組み合わせて使うことで、運用をインハウス化しても実績を上げることが可能となる。今年の秋までには、言語処理を活用し、自動でグルーピングする入稿ツール“AdPencil”もローンチ予定であり、今後このような機能追加をますます加速させていくようだ。
「運用型広告インハウス支援サービスでは、社内運用の標準化のために教育サポートも行っていきます。レポート抽出が自在にできるようになり、分析や改善も実施できるようになります。そして半年後には、社内で広告運用を自走できるよう目指していきますが、インハウス化当初は、施策や検証プランを考えることは難しいと思いますので、一緒に並走しながらサポートしていきます」。
本当にインハウス化はできるのだろうか?セミナーで理解を深め、無料アカウント診断を判断材料に
近年インハウス化が注目されているにも関わらず、なかなか実現に踏み出せないのはなぜか。その課題と解決するための手段、インハウス化したことで成果を改善した事例などを、同社ではセミナーで解説している。
「本当にできるのだろうか?と疑問を持っていらっしゃる方がほとんどです。効果が悪くなったらどうしよう、業務が膨大になったら大変だ、と。最初から全て切り替えるのではなく、一部から徐々にはじめたいというご相談も多いですね」と天野氏。
今の広告運用に課題を感じている、インハウス化が実現できるか疑問を感じる、というEC事業者は、ぜひセミナーへの参加や同社が実施している無料アカウント診断を試していただきたい。
「実際に過去の広告レポートをもとに分析して予測し、当社のツールを通じて最適化すればどの程度改善が見込めるか、という広告のアカウント診断を無料で行っています 。いざインハウス化をするとしても『どこから始めたらいいのか…』というときの判断材料にしていただければと考えています」。
【セミナー開催のお知らせ】
【ECサイト運営者必見!】低予算・低工数で始めるインハウス広告運用セミナー
日時:2019年1月31日(木)15:00〜16:00(受付開始 14:45)
会場:株式会社ブレインパッド 本社3F 会議室
住所:〒108-0071
東京都 港区白金台3-2-10 白金台ビル3F
交通:南北線・三田線「白金台」駅 2番出口 徒歩1分