「総量規制」「送料値上げ」「集荷時間の前倒し」目前に迫る宅配危機を清長が解決する

ECのミカタ編集部 [PR]

EC物流大手の清長は近年、宅配会社の一部業務を自社倉庫内で代行するなど、宅配会社との協力関係を強めてきました。その理由は、宅配クライシスが深刻化する中で、EC物流を持続可能なものにするには、宅配会社から選ばれる物流会社になることが必要だと考えているためです。EC事業者の物流を支えるため、清長が取り組んでいる物流改革とは。また、清長が提供する「LogiMoPro」「プレミアム物流サービス」2つのサービスとはどのようなものなのでしょうか。武田 紀世彦 副社長と岡田 康宏 副本部長に話を聞きました。

EC事業者に迫る未曾有の宅配危機

武田 EC物流業界は今、変革期を迎えています。宅配便の取扱個数が年間40億個を超え、宅配業界の人手不足と労働環境の悪化は限界に達しました。宅配大手各社は2017年度以降、送料を値上げし、一部の企業は取引先の削減にも踏み切りました。こうした流れは2018年度に入っても終わっていません。宅配大手各社は年末年始の繁忙期に向けて、取扱個数を制限する「総量規制」をEC事業者に打診したり、荷物の集荷時刻の前倒しを進めたりしています。

 日本の宅配サービスは、世界的に見ても非常に質が高い。そして、宅配大手各社は、昨今の宅配クライシスを解決しようと試行誤してきました。配送ドライバーや現場のスタッフの皆さんの努力には、本当に頭が下がります。しかし、そうした努力では解決しきれないほどのペースで宅配荷物が増えているのです。

 こうした現状を踏まえれば、今後は実質的に宅配会社が荷主を選ぶ時代になるでしょう。決して不安を煽るつもりはありませんが、これからの時代、宅配会社から選ばれるEC会社や物流代行会社にならなくては、もはやEC事業を続けられなくなる可能性すらあると懸念しています。

荷物の仕分けなどを代行し 宅配会社の負担を軽減

岡田 EC物流を持続可能なものにするには、宅配クライシスへの対応を宅配会社だけに頼っているわけにはいきません。弊社のような物流代行会社も最大限努力する必要があります。そこで弊社は2017年から、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社と協力しながら、宅配会社の負担を軽減する取り組みを進めてきました。

 例えば、荷物のサイズを計測し、送り先の地域ごとに荷物を仕分けする作業を、清長の倉庫内で弊社スタッフが行っています。サイズの計測や仕分けは本来、宅配会社が集荷後に行う仕事。それを弊社のスタッフが集荷前に行うことで、宅配会社のドライバーが荷物をトラックに積んだらすぐに配送を開始できるようにしました。

 現状、物流倉庫で荷物を集荷する時刻は17〜19時頃が一般的です。多くの物流会社や荷主がその時間帯に一斉に集荷するため、宅配会社のドライバーの負担は非常に重い。しかも、集荷後に仕分け作業を行います。宅配会社がセンターで仕分け作業を行う為、センターを出発できるのが21時を過ぎてしまい、これが長時間労働の一因になっています。今後、集荷時刻の前倒しは、間違いなく不可欠な取り組みになるでしょう。

物流改革のカギは 倉庫内の自動化・省人化

岡田 荷物の仕分け作業や、サイズの計測を弊社側で行うと、スタッフの業務量が増え、その分の賃金も発生します。そのため、業務の効率化が課題になります。また、集荷時刻の前倒しを実現するには、倉庫内業務のスピードを上げなくてはなりません。そこで弊社は、すべての倉庫において「自動化・省人化」を進めています。

 例えば、自動梱包機や、梱包した荷物を所定の場所に運ぶ搬送ロボットなど、最新鋭の自動化設備を順次導入しています。年内には、荷物のサイズを自動で計測する自動採寸及び自動受領システムも稼働する予定です。

武田  ECサイトの受注から出荷指示までの時間を短縮するには、ECサイトの受注データをほぼリアルタイムで自動的に取り込んで、倉庫側に転送し、出荷指示を自動化するシステムも必要です。それを実現するため、例えば、受注管理システムの「ネクストエンジン」や、出荷指示を自動化する「シッピーノ」といった外部サービスとの連携も積極的に進めてきました。宅配クライシスを解決するには、システム会社も含めて、さまざまな企業と連携することが重要だと考えています。

物流インフラの維持へ 社会的責任を果たす

物流インフラの維持へ 社会的責任を果たす

武田 最後に、物流課題を解決するために弊社が掲げている「LOGISTICS × INOVATION」戦略について説明させてください。この戦略は3つの柱で構成されています。

 1つ目は「小規模から大規模まで、幅広いEC事業者を網羅する物流アウトソーシングサービスの実現」です。弊社は現在、合計300社以上のお客さまの荷物をお預かりしています。具体的なサービスとしては、小規模〜中規模のEC事業者さま向けのクラウド型物流サービス「LogiMoPro」と、企業ごとにカスタマイズする中規模〜大規模EC事業者さま向けの「プレミアム物流サービス」を提供しています。今年8月には茨城県・つくばみらい市に新しい物流倉庫が竣工しました。物流ニーズの高まりに応えるため、今後も一層のインフラ強化を進めます。そして、荷物の取扱量を増やし、清長の物流倉庫に「人」と「モノ」を集約することで物流効率を最大化します。

 2つ目の柱は、「物流センター内業務の機械化、省人化、システム化」を進めること。先ほども説明した通り、EC物流を持続可能なものにするには、機械化や省人化が欠かせません。この分野には今後も積極的に投資します。

 そして3つ目は「EC物流ネットワークの効率最大化」です。物流改善にはEC事業者とのスムーズな連携が欠かせません。それには、受注業務の自動化サポートや出荷指示業務の自動化、システム連携API化などが必要。ECのフルフィルメント全体の業務改善もサポートすることで、EC物流の最適化を図ります。

 宅配クライシスが深刻化する中、弊社のような物流代行会社は今後の日本経済や物流インフラをより良いものへと変革する責任を担っていると自負しています。その責任を果たしながら、EC事業者からも宅配会社からも選んでいただける物流会社を目指します。

【3つのポイント】

①集荷時刻前倒しや総量制限は火急の課題
②宅配会社の負担を減らし宅配会社に選ばれる物流会社へ
③倉庫内の自動化・省人化で業務の効率化


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