自社に最適な「Web受発注システム」の選び方とは?クラウド型ASP・パッケージ・フルスクラッチの特徴を解説!
ビジネスにおいてWeb取引が盛んになる中、BtoBでもオンライン化が進み、受発注業務をWebで効率良く行える時代がやってきた。そんな中、最近注目されているのが、比較的安価でスタートしやすい「クラウド型ASPのWeb受発注システム」だ。別の選択肢であるフルスクラッチやパッケージカスタマイズについても検証し、自社に合ったシステムの選び方について考えてみよう。
「資材の注文はWebで行いたい」と考える店舗や企業は増えている
BtoBの業界では、受発注などの取引を電話やFAXを使って行うことが多いが、ここ数年でより効率的に業務を行える手段としてWebを活用するケースが増えてきている。
とくに美容室やエステなどのサロン、飲食店、建築系の企業では、そもそもFAXを持たず、ノートPCやスマホを使って資材を発注する傾向にある。こうした背景から、これからのBtoB業界で成功していくには、Webから注文を受けられる体制を整えることは必須である。
そのために必要となるのがWeb受発注用のシステムだが、Webを使い慣れていない人はとくに「何を基準に選んだらよいかがわからない」と悩んでしまうことだろう。
システムは大きく分けて3種類。カスタマイズやコンサルティングの有無で差が
BtoBにおける受発注システムは、大きく分けて3種類ある。それらの違いについて、500件以上のWeb受発注システムの導入に携わっている株式会社Daiの鵜飼氏に話しを伺った。
「『クラウド型ASPのWeb受発注システム』と『パッケージカスタマイズのシステム』の違いは、“カスタマイズ”をするかしないかにあります。また『パッケージカスタマイズのシステム』と『フルスクラッチのシステム』の違いは“コンサルティング”をするかしないかにあります」。
「図の縦軸が費用、横軸が時間。『クラウド型ASPのWeb受発注システム』は、一般的なBtoBの取引に必要とされる機能を網羅しており、個別の機能を加えることはできないですが、安価な費用ですぐに始めることができます。家にたとえるなら『賃貸マンション』のイメージですね。
『パッケージカスタマイズのシステム』は、『クラウド型ASPのWeb受発注システム』に比べると費用とスタートまでの時間はかかるものの、基本的な機能が揃ったパッケージをベースに、業務に合わせて部分的にカスタマイズができるものですので、『規格型住宅』に似ています。
『フルスクラッチのシステム』は、さらに費用と時間をかけて、業務に合わせてどんなシステムが必要なのかをしっかりと要件定義し、イチからシステムを設計・構築していくのものなので、『注文住宅』のイメージですね。」
費用と時間も考慮しながら、自社の業務に最適なシステムを検討しよう
費用が安く抑えられ、必要な機能が大筋揃った「クラウド型ASPのWeb受発注システム」は、スモールスタートしたい企業や、Web担当者のいない中小企業に適しているといえるだろう。
そんな「クラウド型ASPのWeb受発注システム」のひとつが、株式会社Daiが提供する「Bカート」だ。
「弊社では30年以上にわたりBtoB業界誌を、そして10年以上BtoB向けシステムを構築し、蓄積してきた知見をもとに『Bカート』を作りました。あらかじめBtoB取引に必要な機能を備えており、カスタマイズには対応しておりません。現在の導入件数は500以上。導入後はサービスを使いこなすためにある程度の学習は必要ですが、今まで電話やFAXで人手をかけていた業務をシステム化できるので、業務効率は格段に上がると思います。
ただし『Bカート』はすべてのBtoB企業にフィットするわけではありません。導入をご検討される場合は『Bカート』で実際に自社の業務が運用できるかどうか『フィットアンドギャップ』を行い、合わないようでしたら業務フローの見直しや、他のシステムをおすすめしています」(鵜飼氏)。
システム導入のタイミングで業務を棚卸しすれば、さらなる業務効率化に
「クラウド型ASPのWeb受発注システム」を検討する際の「フィットアンドギャップ」をした結果「自社で昔からやってきた業務に対して機能が足りない」と判断する企業も多い。
しかしその業務について掘り下げていくと、実は単にルーチンでやっていただけで、その業務をやめたほうが、却って仕事がスムーズにいくというケースも少なくないようだ。
また「システムは小さく持つべき」という考えもある。お金をかけて大規模なシステムを導入してしまうと、それだけで身動きができなくなってしまう。やりたいこと実現するためにシステムが足かせになってしまうことも多い。
今はあらゆるシーンで利便性の高いクラウド型のサービスが登場している。スピード感も、ビジネスの成功要因を上げるための大切な要因だ。時代の移り変わりに合わせて、必要に応じてシステムを利用することも大きな優位性となるだろう。
ECのミカタのまとめ
Webに詳しい担当者がいて、業務に対してシステムをどう使っていきたいのかが決まっており、費用も惜しみなく出せる環境であれば「フルスクラッチのシステム」を。それよりも費用を抑えて、どうしても譲れない機能だけをカスタマイズしたいならば「パッケージカスタマイズのシステム」を検討するのがいいだろう。
スモールスタートで費用を抑えたい場合や、Webに詳しい担当者がいない場合は、まず入口として費用の安い「クラウド型ASPのWeb受発注システム」を使ってみてはいかがだろう。
そうしてWebシステムに慣れながら、自社に必要な機能を理解していき、売上が上がったタイミングで「パッケージカスタマイズ」や「フルスクラッチ」に移行するのもおすすめだ。
どんなシステムでも、ただ導入すればいいものではなく、日々使っていくための訓練は必要である。システムに使われるのではなく、システムを使いこなしながら、業務を賢く効率化していこう。