BASEの施策展開が速い理由 上場後もさらなる飛躍を
新型コロナウイルスによって多くの企業・事業者が困り果てていることは言うまでもない。そして、そのような事業者を救済しようと多くのEC支援企業が、特別施策を展開している。
その中でも、個人事業主・中小企業の利用が多いEコマースプラットフォームのBASEは他と比べても施策の数、展開のスピードが他社と比較しても抜けている印象だ。どのような姿勢を持って、事業者と接しているのか取締役COOの山村氏に伺った。
付け焼き刃ではない支援施策を
今現在、BASEとして行なっている支援カテゴリーはネットショップの開設サポート、「お急ぎ振込」の手数料無料、発送前商品の売上金引き出しサービス、資金調達サービス、集客支援、オンラインセミナー、無料オンラインカウンセリング(メンタルサポート)の7つです。
一番最初の支援施策は2月のアパレルブランド様に向けて、国内外の製造工場や仕入れサプライヤーをご紹介する支援でした。
中国の工場で商品を製造していた事業者や仕入先が中国からという事業者さんは非常に多く、生産・仕入れが停滞するケースが多かったので、そのような方々を対象に国内外で受け入れてくれる工場などをご紹介していました。
ーーーいわゆるOEMだと思うのですが急な話にも関わらず、受け入れ先の工場などは問題なかったのでしょうか。
いえ、実は全く新しい施策ではなく、かなり前から国内の工場とは話をしていました。
BASEを利用されている事業者さんは大手メーカーとは違い、生産ロット数が少ないところの方が多いです。そのようなケースだとロット数・信用などの課題があり、通常は受け入れてもらえなかったりするのですが、BASEが仲介に立ち、まとめて発注を行うことで数と信用を担保できないか、というのが元々動いていた内容でした。
新型コロナウイルスの影響もありすぐに支援施策として早急に打ち出しましたが、いずれは展開することを予定していました。
工場の方々とは以前からコミュニケーションを取っていたのでスムーズに動けましたし、何より今回は提携する丸井グループなどのパートナー企業からも支援施策の賛同を得ていたので、紹介先を広げる協力体制が構築できて心強く実施できました。
ーーー前々からの準備があったからこそ、しっかりとした支援ができているということですね。
はい、日頃からの積み重ねがここで活きたという感じです。他の施策に関しても新しく始めたというよりは、BASEとして今まで培ってきたものを支援施策として迅速に提供しているというのが基本スタンスです。
3月から開始した、催事中止に伴い販路を失ってしまった事業者さんへのECを活用した販売支援サポートに関しても、普段からショップオーナーさんとやりとりをしているからこそ可能な施策です。
ーーーアパレル製造支援やEC販売支援はBASEではなく、他のプラットフォームを活用している事業者も利用が可能とのことでした。全ての事業者に向けて展開した理由はなんだったのでしょうか。
一連のコロナ支援はBASEがどうこうという企業レベルのお話ではなく、社会全体の課題だと考えています。
小さいチームは体力的にも影響を受けやすいからこそ、BASEというプラットフォームを展開してきた私達にとってはBASE以外のショップさんは関係ないという思想ではなく、ECに携わる人、必要とされている人たちに広く自然に活用してほしいというのが根底にあります。
もちろんBASEを使ってくださっている事業者さんには、よりサービスを利用しやすい環境は整えていきますが、それ以外のところにも目を向けることはBASEとして大切にしています。
BASEが行なった施策の反響は?
ーーー支援施策にはどのくらいの反響がありましたか?
そうですね、アパレルブランドさんへの支援は1ヶ月で100以上のブランドからお問い合わせがありました。
催事中止に際しての販売支援に関しては3月末までの予定で実施しましたが、多くの反響やコロナの状況を鑑みて4月1日からも改めて支援を開始しており、これまでに100件以上のお問い合わせを頂いております。もともと開設に関しては人的な支援をしなくても簡単に開設できる操作性ではあるので、開設のお問い合わせがこれだけ来ていることはかなりのことだと思っています。
やはり4月に入ってから催事中止が各地でどんどん決まっていったこともあり、需要が高まったという印象です。
例えば東北スタンダードマーケットさんというショップさんは、青森ねぶた祭や仙台七夕といった大きなイベントが中止になったことに伴い、販売予定だった商品を特設ページで4月20日から5月10日に販売していました。
キャンペーンの甲斐もあり、東北スタンドマーケットさんの4月のサイトPVは前月の約36倍増、5月はGW中の巣ごもり消費が後押しをしたのかキャンペーン終了の5月10日までで4月全体のPVの約1,5倍まで伸びました。
売り上げも14日間で600万円を超え、キャンペーンとしては良い形を作れたと感じています。すでに第二回も検討しているので、より多くの事業者さんの支援ができればと考えています。
ーーーまだまだ卸のみのメーカーや、地方ならではの慣習やコミュニティも多いと思いますが、事業者とはどのようなコミュニケーションを取っているのでしょうか。
商工会議所の方々や地銀さんと連携を行なうケースは非常に多いです。例えば札幌商工会議所さんとは、催事中止の影響が大きい事業者さんのショップをご一緒に開設させていただき販売支援を行いました。
もちろん直接事業者さんとやりとりすることも多いですが、地域の中心となる組織や人物からお声がけいただくケースが最近は多くなっています。このような地方との協力体制は大きな強みになると考えています。
ーーー初めてECにチャレンジをする企業も多いと思いますが、導入や運営はスムーズに進められているのでしょうか。
かなりスムーズです。売るものが既にあるが、在庫として抱えてしまっている状況で、販路さえ確保できればいいという方が非常に多いです。そしてなるべく早く売りたいというニーズも非常に高い中、BASEは簡単さが売り。コロナ支援に際しては、ネットショップを簡単に始められるという価値を非常にいい形で提供できたと考えています。
BASE導入企業に対しての支援も好評
ーーーお急ぎ振込のサービスもかなり早いスピードで実現したように思います。
体力の少ない企業に限ることではないですが、資金繰りは非常に大事です。特にコロナの影響で実店舗の売上が大幅に下がったという事業者さんも多い。そのためBASEで元々提供していた「お急ぎ振込」の手数料を5月末まで無料にしました。通常10営業日程度での振込みスパンを最短翌営業日まで短縮できるので、より早期の入金サイクルを実現することができます。
このような事態になるまでは実際にはお金に困っていますという直接的な悩みを言われる事業者さんは少なかったのですが、振込申請回数などの利用データからBASEとしては必ず役に立てる領域だと考えてリリースした形になります。
4月末までの施策の予定でしたが、コロナの影響もありお急ぎ振込の利用件数が4月中は前月の4倍に増えたことを受けて、5月末まで手数料無料の期間を延ばしています。
ーーー非常にスピード感を持って手数料無料にされたと伺いました。
そうですね。普段からアイデアを出し合うSlackで、「お急ぎ振込」の手数料無料の意見が出た後、すぐに会議を設定して、実施が決まりました。
メンバーそれぞれが事業者さんに対して日頃から意識している姿勢が生んだ施策だと思います。
まだBASEは創業8年目。創業者である代表の鶴岡も日々一緒にいます。だからこそ入社してくるメンバーもBASEがどのような会社か、しっかり認識できています。軸がぶれていないから無駄な会議に時間を費やすのではなく、事業者さんへのコミットに注力できています。
非常事態の今こそBASEが輝く
ーーー 新型コロナウイルスの影響で、このタイミングでECを始めようと考えている人も多いと思います。
実際、BASEにもそのようなお問い合わせは多くいただいております。中には本当に目の前の売り上げに困られている事業者さんもいます。BASEのサービスは早く簡単に安くECを始められるのが特徴です。
去年には上場もして、社会的責任の重さやこれから10年後や20年後、どのような在り方をしていくべきなのかなど意識することも変わりました。
社会的にネガティヴな状況ですが、BASEとしてやれることをしっかりやっていきます。今までネットに触れたことのない方には大きな一歩かもしれません。ただ一円でも売り上げが上がることで勇気づけられたという事業者さんも非常に多くいらっしゃいます。
ネットショップ開設を検討している人がいたらぜひこの機会に使ってほしいです。
ーーーBASEのサービスはパソコンでなくともスマホで運営も可能ですから、飲食業を営んできた方でも大きな躓きはなさそうですね。
はい。是非、BASEの口コミも見ていただけると。僕でも私でもできましたっていうお声が非常に多いです。またリアルでもファンがいるお店はECの売り上げが伸びるのも早い傾向があります。是非、ECでお困りのことがあればBASEにご相談いただければと思います!
最近では飲食店の新規開設のニーズが増えているので、初めてネットショップを始める方にご参考にしていただけるようオウンドメディアの「BASE U」にて「ネットショップで食品を販売するために必要な営業許可を取得するには?」といった参考情報も掲載しております。
https://baseu.jp/15192
ECサイトを立ち上げる際は参考にしてみてください。