WEB広告に透明性と安全性をもたらす Squad beyondというワンストップのプラットフォーム

西村 勇哉

まだまだ業界のスタンダードというものが確立されていないWEB広告。広告主と代理店、そして制作担当者の担う各工程が複雑な多重構造をなし、大きな時間と労力、コストを無駄にしている。
WEBページ作成からアクセス解析、コンバージョン計測と、全ての工程を一元化し、さらには改変履歴保存やクライアントチェックといった機能を備えることで、迅速かつ安全な広告運用を可能にしたWEB広告プラットフォーム「Squad beyond」。
その開発にいたる経緯や機能の優位性について、株式会社SIVA代表取締役の杉浦稔之氏にお話を伺った。

不毛なイタチごっこを終わりにする新たなWEB広告プラットフォーム

―――これまでの杉浦さんご自身の経歴や株式会社SIVAの創業、Squad beyond開発に至るまでの経緯について教えてください。

新卒の時はラフィネというマッサージ店を全国で500店舗ほど展開している株式会社ボディワークに就職しました。

その後、「WEBに関する仕事がしたい」とDeNAから スピンアウトした 株式会社みんなのウェディングに入社。みんなのウェディング上場後1年半ほど在籍し、当時、広告事業部ができたばかりの株式会社Gunosy(グノシー)に移りました。ちょうど、運用型広告が始まるというタイミングでした。

Gunosyには、まる3年在籍。最後の2年くらいで「記事広告」と呼ばれるアフィリエイト系の広告が活発になり、売上の少なくない部分を占めるようになっていきました 。

ただ記事広告の管理というのはかなり重い業務になります。審査の目をかいくぐるために夜中だけページを変えるだとか、そういったことが多発していました。

正しい運用を学ぶよりも、「いかに抜け道を探すか」という考え方が横行していて。業界で働くものとして「これは良くないな」と思っていました。実際、正しい運用の仕方や数字の見方を知れば、ズルをしなくても済むはずです。

しかし当時、僕のような若手には社内でできることがあまりなくて…。「だったら外でやろう」ということで、2016年、会社を創業するに至りました。

―――夜中だけ記事を変えるというのは、どういうことですか?

記事の中に過剰な表現があると、審査に通りません。なので、審査をしている時間だけ当たり障りない記事を出しておいて、夜中は過剰な表現の記事に変えてしまう。そういった悪質な手段が横行しています。

そのような行為によって 、正しく運用している代理店が迷惑を被っているというのが実状です。「本当に大丈夫なの?」「怪しい広告出されると困るんだけど」と言われてしまいます。

僕は、その行為を可能にしてしまう仕組みがある事が問題だと思っています。理想としては、審査の必要ない状態を目指しています。審査がなければ、その分の労力が不要になる。悪質な広告のチェックだなんて不毛な作業ではなく、もっと本質的な仕事にリソースを割くことができるようになるはずです。

審査がなくなるにはどうしたらいいか。それが、サービス開発の原点になっています。

夜中にページを変えられないようにするには、変えたという履歴が残ればいい。そうすれば、正しく運用している人に対して「この人は信用できる」ということも見えるようになります。

それをプラットフォームで実現したい。そのような考えから「 いつどのような変更が行われたのか」広告の出稿主も代理店側も把握できるプラットフォームを開発しました。

WEB広告に関する不安や無駄を一掃するSquad beyondの機能

―――多くの代理店と付き合いのある出稿元は、それぞれの代理店がどのような広告を出しているのかを把握できているのでしょうか?

企業によってかなり違うようです。ボタンの色を一つ変えるのにも稟議が必要というレベルで管理しているところもあります。しかし、中には、商品の購入ページは自分たちで作るけれど、それを宣伝する記事ページに関するディレクションの規定がないとか、「売れさえすれば好きに書いていいよ」というところも少なくありません。

ですから、出稿主の知らないところで法律に抵触するような記事が公開されてしまうということも起こります。代理店だけでなく広告出稿主まで逮捕されたという事件が、最近ありましたよね。

―――大きな企業では、10社20社という広告代理店と契約していることも少なくありません。広告主がどこまで把握できるのか、難しいところではないでしょうか。

本当にその通りです。

WEBで使われるツールは、近年非常にコモディティ化しています。今なら500円もあればサーバーを借りることができるし、WordPressは無料で使える。それっぽいページが誰でも簡単に作れてしまう時代になりました。これはもちろん、業界が発展するためにはいいことだと思いますが、一方で、それが悪い方向に利用されているという側面も見られます。

共通するプラットフォームがあれば、そのあたりについても解決できるのではないかと思っています。WEB広告というのは、審査が通ったとしても、そのページが一発で広告効果を出せるということは少ない。ほとんどの場合、少しずつ広告表現を変えて、より効果の上がるものにブラッシュアップしなければいけません。

ところが、これまでのやり方では、ボタンの色ひとつ変えるだけでも、URLと画像を用意して入稿するという作業が発生します。広告のバナーを一枚だけ入れ替えればすむなら大した手間ではありませんが、大きい会社の場合、ちょっと変更するたびに300くらい入稿する必要がでてくることもあるわけです。

それでも、思うような効果が出ていなければ、広告を改善しなければなりません。

「 いつどのような変更が行われたのか」、これさえ分かれば 確認にかかる膨大な手間や時間が解消されますし、出稿主は安心して広告を任せることができます。

―――それがSquad beyondで実現されているわけですね?

そうです。全てを一つのプラットフォーム上でできるというのがSquad beyondの大きな特徴です。

ページを作るところから始まり、あらゆる改変の履歴を追跡できます。さらに運用側に必要な解析機能。ユーザーがサイト上でどのような動きをしたのかというのを解析するヒートマップツールが搭載されています。また、管理者側が見る結果レポート、クライアント側が正しく運用されているかを検閲できるレビュー機能も付いています。

それぞれの機能がひとつのプラットフォーム上で連動しており、取り外すことができないようになっています。つまり、運用、管理、広告主が全ての工程を見ることができるため、不正ができないということです。


一つのプラットフォームに集約されているので、余計な設定は一切必要ありません。ページを作るだけで全ての工程が行える設計になっています。

ページ上の何かが変更されたら、レビューでクライアントがOKを出すまで配信できない仕様をリリース予定で、現在テストの最終段階です。 アフィリエイター個人判断による表現で広告が出されることに対して、 これまではなかなか把握しきれませんでした。管理すべき記事が毎日200本上がってくるとか、ザラにあるので。把握しきれていないという不安を抱えたまま、管理せざるを得なかった。それを一気に解決できるのがSquad beyondです。

Squad beyond導入のメリットとは?

―――Squad beyondを導入した際の、代理店側のメリットはどのようなところですか?

まずは、コストカットですね。CMSというオンラインでWEBサイトを作成する機能から含まれています。そこに解析も載せています。

広告量が増えれば増えるほど、CMSに対するアクセス量が増え、解析量も増えます。現在他社から提供されているサービスの多くは 、ページのアクセスが増えた分、お金がかかるという料金体系が一般的です。大規模に広告展開している場合、その広告運用だけで100万円近くかかることも少なくありません。しかし、Squad beyondの場合、10~20万円で済んでしまう。広告運用のコストカットには、大きく貢献しています。

また、普段やっている広告の改善作業が、とにかく速くなります。

WEBページの新しいバージョンを追加する、それと結果レポートを連動させる、ヒートマップで解析を連動させるという設定が不要です。ページを作ることに集中すればいい。

代理店には、導入、レポート担当要員がいるところが多く見られます。朝出社したら、何十社とあるレポートとヒートマップを全てスプレッドシートにまとめて提出する、といった感じです。それで午前中は潰れてしまっていた、というお話を聞きました。

今では、その方が午前中にやっていた作業を、Squad beyondで全てまかなっているとのことです。

―――なるほど。それはすごい効率アップですね。では、ブランド側のメリットはどのようなところでしょうか?

ブランド側にとってのメリットは、やはり安全性ですね。

アフィリエイターの暴走が怖くてこれまでアフィリエイトの活用を躊躇していた企業にも、前向きにご検討いただけるようになりました。

また、アフィリエイトでは、記事だけでなくバナーの管理も重要になります。記事の文章は問題なくてもバナーで過剰表現をされていることもあるのです。バナーをチェックするとなると、例えば5社の代理店が100個ずつバナーを用意したら、500個見なければなりません。これが大変な手間になります。しかし、Squad beyondでは、同じ管理画面上でこのバナーとこの記事をセットで使っているということが一目で分かるので、確認が非常に楽。これは、一つのプラットフォーム上で展開できるSquad beyondの強みです。

―――そのようなチェックにわずらわしさを感じている企業は多いでしょうね。

そうですね。ページの審査に1ヶ月かかるということもあるようです。1ヶ月経ったら、世の中のトレンドが変わってしまいます。季節だって変わってしまう。

そのあたり、スピード感をもって対応できるというのが、大きな利点ですね。

株式会社SIVA 代表取締役 杉浦稔之氏

―――料金表を見てみると、定額制なのですね。

先ほども触れましたが、解析ツールの料金というのは、PVによる従量制であることがほとんどです。PVいくらまでは固定、それを超えたら、超えた分の追加料金を払うというシステムを採用しているところが多い。しかし、このような料金体系だと、使っている企業としては、どこかのタイミングで使用量を抑えるような動きが起こります。「なるべく使わないように」と判断してしまうわけです。

データを売りにしているサービスなのに、なるべく使わないという方向に意識が動くというのはおかしいですよね。なので、Squad beyondでは、全てのプランで定額にしています。

ライトが 月額98,000円で スタンダードが148,000円、プロは198,000円ですが、プランごとの料金の差は、何人まで使えるかという部分で発生します。ライトはユーザー数1名のみ、スタンダードは4名まで、プロでは10名までお使いいただけます。

―――PVが多くても料金が変わらないというのは、非常に画期的ですね。

はい。お客様にもそのように言っていただいてます。

PVが上がるとサーバーに負荷がかかるため、詳しいお客様からは逆に心配されるくらいです。「うち、このぐらいPVありますが、大丈夫ですか?」と。

―――コストカットとスピードアップが可能なうえに、安全性も備えているというのは、他に類を見ませんね。

はい。コストと利便性はもちろんですが、目指しているのは、「Squad beyondを使ってるんだ。それなら安心だね」というところです。使っていただく方にも実感していただけるようサービスはどんどんアップデートしていこうと考えています。


記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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