海の向こうに広がる成長市場、越境ECの可能性と将来性

ECのミカタ編集部 [PR]

東南アジアで急速にユーザー数と総売上を伸ばしているECプラットフォーム『Shopee』。日本から東南アジア・台湾向けの越境販売をサポートするために『Shopee Japan』が発足し、現在では多くの日本のセラー(EC事業者)が東南アジア・台湾へ販路を広げています。

そんなShopee Japanがどのような支援サービスを展開しているのか、さらに越境ECの可能性と今後の展開について、Shopee日本越境EC代表 クォン・ユナ氏とShopee Japanマーケティングリード 村松俊和氏にお話を伺いました。

東南アジア・台湾最大級のECモール『Shopee』立ち上げの背景

――Shopee立ち上げの背景を教えてください。

クォン:Shopeeは、SEA Groupの提供するEコマースサービスです。SEA Groupには、大きく3つの事業が存在しています。デジタルエンターテインメント部門でゲームの開発を行うGarena、デジタル金融サービスのSeaMoney 、そしてEコマースのShopeeです。

創業当初からの事業はGarenaで、そこからShopeeが立ち上がったのは、2015年のこと。SEA Groupでは、モバイルデバイスを活用して消費者の生活を豊かにする、便利にすることに大きく注力しています。

クォン:東南アジアには、パソコンが普及するより先に、スマートフォンが普及した地域も多くあります。そのような地域ではパソコンを触ったことはなくても、スマートフォンに関してはネイティブといった層が多い市場になります。実際に東南アジアでは90%の人がモバイルデバイスでインターネットを使用しています。

モバイルファーストの視点に立って「モバイルで何ができるか」を突き詰めていった結果、「買い物についてもモバイルデバイスでの利便性を向上させなければならない」と。こうしてShopeeが生まれました。

――では、ネットショッピングをする際も、パソコンではなくスマートフォンで購入するのですね。

クォン:はい。しかし、東南アジアはオンラインショッピングにおいて割と後発国で、2015年の段階では、物流や決済、カスタマーサポートなどを一元管理できるプラットフォームがそこまで多くありませんでした。

そこで、SEA Groupとしてはこの大きなチャンスを逃す手はないと、ショッピングアプリを作りました。WEBサイトを立ち上げる前に、モバイルアプリから作ったのです。これが、今のShopeeにつながっています。現在、Shopeeでの注文の95%はモバイルで行われています。

東南アジアのEC事情

――東南アジアと聞くと、中にはまだ経済的に発展途上の段階というイメージを持つ人もいると思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか?

クォン:実はそんなことはありません。東南アジアだけでインターネットユーザーは4億人ほどいますし、既にそのうち7割の人がオンラインで買い物をした経験があります。

ECの市場規模も、2025年までに1700億米ドルというものすごい規模になっていくと予想されています。経済規模においても2030年までに世界第4位になろうとしています。経済規模そのものが右肩上がりで伸びているため、東南アジアのEC市場は、巨大な経済圏の一つになりつつあると認識しています。

東南アジア市場について詳しくはこちら
https://ecnomikata.com/knowhow/32055/

――ネットショッピングが盛んであるとのことですが、そろそろ成熟しそうだと考えてよいのでしょうか?

クォン:実は、まだまだ伸びしろがあります。たしかにネットユーザーは増えてきているのですが、東南アジアの小売業界において、Eコマースは総売上の5%ほどしか占めていません。先進国と比べて成長スピードが速いうえに、金額規模としてはまだまだ伸びしろがあるのです。今後も数年を通してEコマースは更に伸び続けると期待されています。

特にコロナ禍においては、「農村部」と呼ばれる非都市圏における売り上げが顕著に伸びています。以前は、都市圏からのオーダーがほとんどでした。しかし、インターネット環境が改善されたところへロックダウンという事態になり、モバイルショッピングが非都市圏でも一気に利用され始めました。

東南アジアから見た日本

――東南アジアから見たとき、日本はどのように見えているのでしょうか?

村松:現地の方に聞いてみると、やはり衛生的で安心・安全というイメージが強いため、食品や化粧品、ベビー用品の人気が非常に高くなっています。

衛生面や安全性については、Shopee側で特にアピールしたことはありませんので、それこそ日本の製品やブランドの魅力が現地で理解されているということです。日本の良質な商品に対して、効果的にマーケティング・プロモーションを行うことで、多くの市場機会が期待できるでしょう。

また、日本の商品を購入する方々の中には、日本の商品を使ったことがある方も多く「前に買った日本商品がまた手に入らないかな」とShopeeを見ている場合もあるようです。旅行や仕事で日本に来たときの価値体験も、「やっぱり日本のものを買おう」と思ってくれる理由なのではないでしょうか。

――日本では当たり前のことが、先方ではプラスとして評価されているのですね。

村松:それは、本当に感じます。セラーの方がいつものように問い合わせに返信したら、「ものすごく返事が早い」というレビューが入りました。当たり前の返信をしただけなのに、感動を与えてしまう。文化の違いによるところだとは思いますが、日本での普通をするだけで、優位に立つことができるわけです。これまであまり訴求してきた部分ではありませんが、ここはむしろ意識していったほうがいいかもしれませんね。

Shopee Japanの動き

――Shopee Japanというのは、SEA GroupやShopeeの中でどのような立ち位置にいるのでしょうか?

クォン:日本の商品に着目し、「一定の需要がある」という判断のもと、中国、韓国に次いで2020年の7月、日本にShopee Japanを設立しました。Shopee Japanが立ち上がってまだ1年あまり。Shopee内ではかなり若い会社で、これからの成長が注目されています。

越境ビジネスを専門としており、シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、フィリピンへの越境販売事業を展開。ベトナムやブラジルも視野に入れ、ますますマーケットを拡大していきます。

――Shopee本国(シンガポール)が日本グループに期待しているのは、どのようなところなのでしょうか?

クォン:東南アジアの方々に日本の商品が届けられるようにするために、日本越境EC事を発足させて注力している最大の理由は、「日本」がもともとも持っているバリューにあります。例えばシンガポールに滞在してみると、日本のバリューにどれだけ影響力があるか体感できると思います。スーパーマーケットでは日本の商品であふれていたり、テレビでは日本のアニメが放送されていたりするので、日本のバリューと潜在的需要が分かると思います。

そこでShopee Japanの日本越境ECを通じて、現地の方が現地の商品を購入するのと同じ形で、簡単に色々な日本の商品が購入できるようなれば、現地での需要と日本のセラーの販路拡大に貢献できます。

そのためには、更に多くの日本のセラーさんに出店していただくのと、セラー向けサポートの拡充が急務です。出店したら終わりではなく、いかにセールスポイントを作っていくか、売上を高めていくか。様々なチームがそれぞれのフェーズに合わせてセラーさんをサポートいたします。


村松:実は、我々マーケティングチームもセラーさんのサポートに入っています。日本のマーケティングがメイン業務ではありますが、セラーさんが出店した後、それぞれの海外マーケットでいかに認知を取っていくか、マーケティングのお手伝いもしているのです。

例えば、今シンガポールマーケットにおいて、JAPAN FINESTという日本の越境商品をまとめた特設ページを開設しています。GoogleやFacebookの広告、シンガポールの日系メディアなどを使って送客も促し、日本の商品の紹介をしています。また、シンガポールに住む日本人に向けて「実はShopeeで日本の直送商品が買えるんですよ」といったマーケティング活動もしています。セラーさんが出店した後、出品した商品を見てもらうための努力や、購入していただけるチャンスを広げるような活動を非常に重視しています。

Shopee Japan独自で行っていること

――Shopee Japan独自で行っていることはありますか?

クォン:まずShopee Japanが日本のセラーの販路拡大をサポートするために、東京に専任チームを設置しています。セラーさまのサポートを行うスタッフは全員日本にいるため、たとえ越境ECであっても日本の国内ECサイトへの出店と同じように利用していただけます。

また、Shopee Japanはセラーさまの規模に関わらず簡単にご利用いただける物流サービスを提供しています。従来であれば越境ECは、現地に大量の在庫を置いておく必要があったり、個別に送る場合も複雑な手続きが必要であったりと、物流が厄介との理由で、特に中小規模のセラーさまにとっては簡単に始められるビジネスではありませんでした。そこでShopee Japanでは、一般的に国内向けに使用されているお馴染みの物流サービスを選択できるようにしたり、独自の物流サービスを構築し、セラーさまは受注ごとに指定の国内倉庫へ発送するだけで対応できるようにしました。このShopee独自の物流サービスは現在シンガポール向けに対応しており、今後他のマーケット向けにも利用できるよう準備を進めております。


村松:他には、我々JAPANチームとして、メガキャンペーンの準備を進めています。チーム総出で頑張っているところです。9月から毎月4度にわたって、9月9日、10月10日、11月11日、12月12日をピークデイとしたメガキャンペーンが開催されます。Shopee側でクーポンなどを準備し、消費者の方が安く商品を購入できる仕組みを作っています。

多くの日本のセラーさんにも参加していただくため、事前にキャンペーンに向けた準備の仕方について資料を作り、昨年の実績をもとにして進め方をアドバイスするなど、コンサルティングを行っています。このあたりは、Shopee Japanがまだ小規模だからこそできる強みだと思います。セラーさんとShopee Japanの距離の近さが、こういったところに顕著に表れます。

LINEなども活用して、簡単にセラーさんとShopee Japan側がコミュニケーションを取れるようになっています。

――Gmailやチャットではなく、LINEというのは、ビジネスシーンでは新鮮ですね。

クォン:やはり、我々には「モバイルファースト」というのがありますから。
セラーさんとのコミュニケーションにもモバイルは大きく活用されています。セラーセンターもPCだけでなく、モバイルでの利用も簡単にできるようになっています。

――距離の近さといい、セラーさんに寄り添う感じがしますね。

村松:私がいうのも変ですが、Shopeeはセラーに優しいというか…。今度のメガキャンペーンも、セラーさまへセールの効果を高められるための最善の投資を提案したり、Shopeeがクーポンを発行し現地の方がより安く買えるような仕組みを作っています。結果的にセラーさんがそれでより売上が作れればいい、という。セラーを大切にしている部分は、日本に限らずShopeeの文化だと思います。

――動画や事例などのコンテンツも拡充しているようですね。

村松:はい、これからShopeeで越境ECを始めたい日本のセラーさん向けに有益なコンテンツを発信しています。例えば、セラーインタビューのWEBサイトへの掲載を始めました。今後、さまざまなカテゴリーのセラーさんにインタビューして、記事を増やしていく予定です。今後はビデオインタビューなどもしていきたいと思っています。

他にも、セラー紹介プログラムもご用意しています。セラーさんが他のセラーを紹介してくださると、15ドルのクレジットをお出しします。出店後に検索広告のキーワード入札に使っていただくなどして、売上アップにつなげていただくことができます。このような感じで、新規セラーさまにとって参入時の壁を低くできるようにいろいろな工夫をしております。

これからの日本のセラーに必要なこと

――今後、日本のセラーさんにとって必要なことや気をつける点などあれば、教えてください。

クォン:はじめに現地のニーズやトレンドを把握することが大切です。一口に「東南アジア」と言っても、各マーケットによってトレンドが全く違っていて、売れる商品も異なります。現地の情報やトレンドをどうやって効率的に掴んでいくか、これが日本のセラーさんが成功するための鍵になります。

Shopeeのプラットフォームには情報が詰まっています。どの商品が何個売れたかが全て分かり、リサーチが簡単にできます。マーケットの傾向などもすぐに調査することができるので、ぜひ活用していただきたいところです。

そして、商品を購入するターゲットは日本の方ではなく、遠く離れた東南アジア・台湾の消費者ということを常に肝に銘じておく必要があります。東南アジアでは店舗・セラーの評価が、商品を購入する際に非常に重視されます。現地の消費者は、ただの商品の取引ではなく、より良質なセラーから商品を購入することを望んでいるため、手厚いカスタマー対応によって購入者との関係構築を図ったり、店舗・商品ページにおいて信頼が高まるように紹介することが重要です。例えば、セラーさまご自身または会社情報を店舗ページにしっかりと明記したり、日本から販売されていることを紹介するようにしましょう。

村松:Shopeeのスタッフは1年を通して東南アジアのマーケットがどのような動きをするのか、熟知していますので、お気軽にスタッフまで質問してください。

とにかく準備が大事です。せっかく需要があるのに供給できていなければ、大きな機会損失になってしまいます。東南アジアはそのような波が非常に大きいエリアでもあるので、そこに備えていくことが非常に重要です。

――東南アジアは1年を通したマーケットの動きの波が激しいのですか?

村松:そうなんです。セール一つとっても、日本でもサマーセールや年末商戦などがあると思いますが、その比ではありません。もうお祭り騒ぎですね。

メガキャンペーンも、昨年、日本のセラーさんたちは通常期間に比べて平均6倍の売上がありました。中には20倍の売上を叩きだしたセラーさんもいます。それぐらいインパクトがあるものです。セール期間を待って、なるべくお得に買いたいというお客様がとにかく多い。メガキャンペーンがあることが分かっているので、そこに購買意欲が集中します。

クォン:我々もメガキャンペーンをより一層盛り上げるために、ジャッキー・チェンをアンバサダーにおいてイベント自体を盛り上げたり、ピークとなる日にK-POPアイドルのTwiceのライブが買い物ついでに見られるようにしたりと、さまざまな施策を打っています。

購買が一極集中するセール時期に向けてどう準備していくか。事前に情報収集し、在庫を確保する。そして、提供できるバウチャーや有料プログラムを活用していただくことが、成功のカギとなるでしょう。

Shopeeマレーシア11.11セールのページ。ジャッキーチェンがアンバサダーとして登場している。
出典:https://shopee.com.my/m/11-11

越境ECのこれから

――今後、日本のEC事業者に向けてどのような価値を提供していかれるのでしょうか。

クォン:Shopee Japanが目指しているものは、日本のセラー(EC事業者)と現地の消費者の架け橋になることです。そのためには両者にとってよりよい環境を作っていく必要があります。まず、東南アジア・台湾での需要は、今後もどんどん多様化・高度化していきます。オフラインだけでなくオンラインであっても、今よりももっと多くの商品の中から、自分に合ったよりよいものを購入したいというニーズが増えていくからです。

新型コロナウイルスによる渡航制限・外出制限はこの流れを更に加速させました。このニーズに対応していくには、現地のサプライチェーンからの販売だけではついていけません。未だにShopeeが進出しているマーケットの現地消費者の求めている商品ラインナップと、実際に売り手側が現段階で販売している供給には大きなギャップがある状況です。越境ECによって、国外の商品が国内の商品と同じように購入できるようなることで、このギャップを解消できるでしょう。

日本には、海外で既に人気があっても流通してない商品や、現時点で人気がなくてもこれから海外で成長が望める可能性を秘めた商品など、豊富な「資源」があります。そして何より、東南アジア・台湾の消費者にとって、「日本」の商品であるが故に既に付加価値が付いています。日本のセラーさまには、Shopee Japanという架け橋を通して販路を海外まで広げていただき、国内では前例のないような規模感とペースで成長していただきたいです。

日本のセラーさまの海外出店を円滑に進めるためには、日本のセラーさまにとって越境ECを国内ECと「同じ」にすることが求められています。例えば楽天市場で出店するときと、Shopeeで出店するときの違いを、できるだけ感じさせないようにすることです。そのためにも、東京オフィスで物流などのオペレーションシステムと、マーケティング・販促などのコマーシャルシステムを継続的に改善しているところです。

村松:今、既に売れている商品というのは、インターネットやShopee内で検索すれば、簡単に見つけることができます。しかし、まだまだ隠れた人気商品というものがあるはず。まだ掘り起こされていない潜在的なニーズ、そのような隠れ人気カテゴリーに対しても、積極的にチャレンジしていってほしいと思っています。実績や事例がない分、逆にチャンスだと捉えています。そういったジャンルを果敢にテストしていただけるEC事業者さんがいれば、ぜひ協業したいですね。

Shopee Japanは幅広くサポートできますので。出店から入金、販促のアドバイスまでフルサポートでお手伝いが可能です。もし、チャレンジしたいというEC事業者さんがいらしたら、是非ご検討いただければと思います。

Shopee公式サイトはこちら

【東南アジアEC完全ガイド】ホワイトペーパーをダウンロードする!

【Shopee日本越境サービス】アカウント登録はこちら


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事