これからのレコメンドのカギは「売れる導線」を作ること。最新活用法を聞く

ECのミカタ編集部 [PR]

シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 マーケティング部 シニアマネージャー 園田真悟氏

ECサイトにおける「パーソナライズ」の重要性が高まる中、近年レコメンドエンジンは大きく進化した。一方で、レコメンドの最適化ができておらず、「機能としてあるだけ」になっているECサイトも少なくない。AIレコメンドエンジンのリーディングカンパニー、シルバーエッグ・テクノロジー株式会社は、「レコメンドが真価を発揮するには、ECサイトの課題や世界観に応じた『チューニング』が不可欠」だと言う。同社 マーケティング部 シニアマネージャー 園田真悟氏とカスタマーサクセス部 アカウントコンサルチーム マネージャー 松尾洸太朗氏に、最新の事例とともにレコメンド活用のカギを聞いた。

レコメンドはエンゲージメントを高めるツール

──近年、レコメンドエンジンは大きく進化しました。いままでの「レコメンドエンジン」「レコメンド機能」はどう使われ、業界でどのように受け入れられてきたのでしょうか。

マーケティング部 シニアマネージャー 園田真悟氏(以下、園田) レコメンド機能自体は20年以上前からあり、「もう1点」の合わせ買いや、商品比較を促す単純な機能として受け入れられてきました。今もそう考えている人が少なくありませんが、ここ5~10年、特にコロナ禍で「レコメンドはサイト内広告ではない」ことが再認識されるようになりました。レコメンドエンジンの役割は、事業者が「売りたいもの」ではなく、「買ってもらえそうなもの」「ユーザーが欲しいもの」を提示することです。漫画配信・動画配信などのコンテンツ系サービスでも使われているように、いまやレコメンドは「もっと見続けよう」「買い続けよう」というマインドを醸成する手段として活用されています。端的に言うと、レコメンドは「エンゲージメントを高めるツール」なのです。

──広告での新規獲得が難しくなっている中、レコメンドに求められる役割は変わっているのですね。

園田 目的買いのユーザーに「ほかにも面白いものがある」ことを気づかせることで、レコメンドはECサイトの離脱防止に効果を発揮します。また、メールやLINEを介したレコメンドは、サイトで買い物をした後、あるいはサイトから離脱した後に、2回目の購入を促したり、サイトに呼び戻したりする上でも高い効果を上げています。ですから、「いまこの瞬間」のセッションで売上を上げるためだけでなく、「ロイヤリティを上げ、買い続けてもらうため」という意識でレコメンドエンジンを選ぶことが大切なのです。

「心地よく選んで買ってもらう体験を提供することがレコメンドの重要な点」と園田氏

広がるレコメンドの活用法、ユーザー区分に応じた使い分けも

──EC体験を向上させるレコメンドエンジンの活用例をお聞かせください。

園田 アパレル大手各社では、離脱防止の観点から、ECサイトにおけるレコメンドの表示領域を増やしていて、商品詳細ページの半分以上をレコメンドに割いているサイトも存在します。最近では、検索エンジンから直接商品詳細ページにリーチする例も多く、「自分が求めているものと違うな」と感じたら、すぐに離脱されてしまいます。レコメンドで関連商品や人気商品を提示して、バリエーションを見せることで、「ほかの商品も見てみよう」という気持ちにさせることができます。

──レコメンドのロジックは企業ごとにチューニングされるのですか。

カスタマーサクセス部 アカウントコンサルチーム マネージャー 松尾洸太朗氏(以下、松尾) 当社のレコメンドのロジックは、「閲覧行動を基にした相関(この商品を見た人はこれも見ています)」や「購買行動を基にした相関(この商品を買った人はこれも買っています)」など、複数の選択肢があります。これを、サイトの目的や顧客動態、またページごとの目的に応じて選択し、テストを経て最適化していきます。また、チューニングのアプローチとしては、「ヘビーユーザー」「ミドルユーザー」「ライトユーザー」のように、ユーザー区分に応じたレコメンドエンジンを使い分けるアプローチや、特定のアイテム群を購入したユーザーの定着率が高い場合、「買ったユーザー」「買っていないユーザー」に分けて、そのアイテム群を買わせるためのレコメンドに注力するというアプローチもあります。

園田 大事なのは、売れ筋商品をプッシュし、買わせるための仕組みとしてレコメンドエンジンを扱わないことです。どんなチューニングであっても、あくまで顧客視点で欲しいと思えるものを、ある程度幅を持たせて出さなければなりません。売りたいものを売るのではなく、心地よく選んで買ってもらう体験を提供することがレコメンドの重要な点であり、広告との違いです。

これからのレコメンドのカギは「売れる導線」を作ること

──コンテンツマーケティングにおいて、レコメンドはどのように活用されているのでしょう。

松尾 当社のレコメンドエンジン「アイジェント・レコメンダー」とバニッシュ・スタンダード社の「STAFF START(ECサイトに店舗スタッフのコーディネートを掲載できるサービス)」の連携により、アパレル系ECサイトでは、一つのコーディネートを起点に、関連するさまざまなコーディネートを見せることで回遊性を向上しています。購買にもつながっていて、「襟の形が好みでない」など、気になった商品に何かしらの課題があるときにレコメンドで類似商品を提案して、より好みに合った商品を選んでもらうという世界観が実現できています。

シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 カスタマーサクセス部 アカウントコンサルチーム マネージャー 松尾洸太朗氏

園田 商品やコーディネートを見ている人にブログ記事をレコメンドしている例や、ブログから商品ページに送客している例もあります。単にコンテンツを増やすだけでなく、「売れる導線」を作ることがこれからのレコメンドのカギになっていくでしょう。

──貴社のサービスには、高精度のレコメンドを実店舗の顧客にも提供できる「OMOレコメンド・ソリューション」もありますね。レコメンドを活用したOMOの事例をお聞かせください。

園田 購買履歴だけでなく閲覧履歴も取得できるのがECの強みです。店舗とECのデータを組み合わせてAIに分析させることによって、店舗顧客にも精度の高いレコメンドを提供することが「OMOレコメンド・ソリューション」のそもそもの狙いでした。レコメンドによる店舗とECの融合で成果を上げているのがラコステ様です。店舗会員向けのメールを介して、店舗で購入した商品と相性の良いアイテムを提案することでECへの送客に成功。ECサイトの会員登録率が劇的に上昇しました。

松尾 ECから店舗への送客に取り組んでいる企業もあります。「ついで買い」が誘発されやすい店舗では、購買系の相関がECよりも色濃く出ることがあります。店舗の購買情報をアイジェント・レコメンダーに取り込むことで、ECにおけるレコメンドの精度向上につながっています。

パーソナライズされたECには「レコメンドのチューニング」が不可欠

──高精度のレコメンドでECはさらに進化すると思いますが、「パーソナライズされたECの実現」に向け、何が必要だとお考えですか。

園田 レコメンドに注目してもらうにはプレゼンテーションが大事になってくるので、レコメンドエンジンの質はもちろん、活用する側のEC事業者様の発想力もカギとなります。当社のAIの力を使いながら、事業者様が「ユーザーが本当に求める商品は何か」を探究することが、次のアクションを促すための導線作りにつながるはずです。

松尾 レコメンドで成果を出すにはチューニングが不可欠です。そのために、まずはECサイトの課題や実現したい世界観をお聞かせいただきたいです。声を上げていただければ、伴走して当社としての最適解を提示することをお約束します。

園田 今年に入ってAIコンサルテーション専任の部隊が立ち上がり、より幅広いニーズに応える体制が整いました。パーソナライズによってエンゲージメントを向上させるためにいかにAIを活用するか、一緒に考えていければと思います。

シルバーエッグ・テクノロジー株式会社へのお問合せはこちら


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事