協業成功のカギは「想い」の共有 任せられる安心感がEC事業の成長を後押し
画像出典:アニマルライフ研究所
ECのミカタでは、EC事業者向けに紹介料0円のビジネスマッチングサービスを提供しています。専門のコンシェルジュが課題をヒアリングし、500社以上の支援企業から最適なパートナーをご紹介します。
ペット用の食品やケア商品を販売する株式会社アニマルライフ研究所が、コールセンター業務を株式会社ワンプルーフに委託して約6年。「応対品質の向上とクレーム削減」を実現しただけでなく、広告や新商品開発に注力できる環境を整えたことで、売上アップにもつなげました。
今回は、株式会社アニマルライフ研究所の代表取締役 高須穣氏と、株式会社ワンプルーフの福岡支社長 㔟嶋作和氏に、協業成功の秘訣を伺いました。
「裏切らない」から始まったパートナーシップ
──まず、両社の事業概要を教えてください。
株式会社アニマルライフ研究所 高須穣氏(以下、高須) 2016年に創業した、ペット向けサプリメントのEC事業者です。「Drケアワン」「無駄吠えのしつけプラス」「涙やけクリア」といった愛犬の健康にこだわった製品をECで販売しています。
株式会社ワンプルーフ 福岡支社長 㔟嶋作和氏(以下、㔟嶋) 2008年創業で、ECソリューションやカスタマーサポート(CS)等を提供しています。2019年からアニマルライフ研究所様のカスタマーサポートをお任せいただいています。
──アニマルライフ研究所様は外部委託先であるコールセンターの変更を検討される中で、ECのミカタのビジネスマッチングサービスにご相談いただきました。当時の状況を教えてください。
高須 立ち上げ期は資金が限られていたので、安さ重視でコールセンターを選びました。しかし、当社の指示と違うことをお客様に伝えてしまったり、お客様との会話がかみ合わずクレームが発生するなど品質面に問題がありました。売上が伸びてきたタイミングで「これはまずい」と思い、ECのミカタさんに相談しました。
画像出典:アニマルライフ研究所が運営するECサイト「愛犬健康ショップ」
──当時、新しいパートナーには何を期待していましたか。
高須 コールセンター起因のクレームが最大の悩みだったので、一番は「品質の向上」でした。創業間もない頃でしたので、コストがリーズナブルであること、顧客リレーションや新しい課題にフレキシブルに対応いただけることも重視していました。
──アニマルライフ研究所様との、最初のやり取りで印象に残っていることはありますか。
㔟嶋 高須さんがコールセンター業界に良い印象を持っていないだろうと感じていたので、「任せてもらえたら、絶対に裏切らないぞ」という強い使命感が湧いてきました。その後、オペレーションなどのレクチャーを受ける中で、お客様や商品に対する強い思いが伝わってきて、私たちとベクトルが同じだと感じました。だからこそ「任せてもらえたら結果が出せる」という確信がありましたね。
──ワンプルーフ様から見て、当時のアニマルライフ研究所様のコールセンター業務にはどのような課題があると思われましたか。
㔟嶋 アニマルライフ研究所様は本当にお客様を大事にされています。しかし、顧客接点を預かるコールセンターがその理念を体現できていませんでした。それでは顧客満足度につながりません。
いくら応対品質が良くてもお客様をお待たせしては元も子もありません。まずは「お待たせすることなく電話に出る」という当たり前のことを徹底し、高須さんが社長業に専念できる環境を作ることを目指しました。
──そうした課題を解決するためにどういった提案をされましたか?
㔟嶋 一つは、お客様の声をしっかり拾い上げることです。コールセンターを内製化していれば、お客様の声をマーケティングなどに活かせるのが強みですが、外部委託でも同じことが可能であることを証明したかったんです。立ち上げ当初から現在まで、私たちは一貫してお客様の声をフィードバックし続けています。
画像出典:株式会社ワンプルーフ
コールセンター起因のクレームゼロ×売上アップを実現
──提案された複数社の中からワンプルーフ様を選んだ決め手は何だったのでしょうか。
高須 まず、ホームページを見て、一定の規模感があり、きちんと対応できる人材を揃えている会社だと感じました。カートの操作などを含め、対応範囲が広かったことも魅力でしたね。打ち合わせでも、こちらの要望を丁寧に受け止め、商品についても積極的に質問してくれました。その姿勢に「ここなら大丈夫だ」と感じました。
──実際の業務開始までの流れを教えてください。
㔟嶋 私たちはクライアントの“想い”を背負って対応することを大切にしています。そのためには、まずオペレーターが高須さんの想いを理解することが不可欠でした。そこで、高須さんから直接、オペレーターに、商品や会社、お客様への思いを語っていただいたんです。印象的だったのは、ミーティングの翌日に高須さんがご自身で運用しているシーンを撮影したナレーション付きの解説動画を送ってくださったことです。本来、こうした「マニュアル」は私たちが用意すべきものですが、お忙しい中で即時ご用意くださる高須さんの熱意に驚くと同時に、心から感謝しました。
──ワンプルーフ様に任せる業務の範囲を徐々に拡大していったそうですね。
高須 最初はお客様からの電話を受けるインバウンド対応から始まりました。業務が軌道に乗った段階で、アウトバウンドや出荷連携もお願いしました。その結果、私たちは販売や商品開発に集中できる体制を整えることができました。
㔟嶋 業務範囲拡大の相談を受けたときは、「コールセンターへの不信感を払拭できた」と感じ、安堵しました。評価をいただけたこともうれしく、オペレーターとも共有して、みんなで「やったー!」と喜び合ったのを覚えています。
──ワンプルーフ様との協業で、どのような成果がありましたか。
高須 コールセンター起因のクレームがなくなり、安心して任せられるようになりました。私や当社のスタッフが顧客対応に追われることがなくなり、広告や新規顧客獲得といった“攻めの施策”に注力できたのが一番の成果です。これが競争の激しい市場で生き残れた理由だと考えています。加えて、ワンプルーフ様にお任せした後、商品点数を増やすことができたので、売上アップにもつながりました。
アニマルライフ研究所が販売する商品。左から「無駄吠えのしつけプラス」 「涙やけクリア」 「Drケアワン」
「任せられる安心感」が成長を後押し
──当初から一貫して良い関係性を築いているのが伝わってきます。まさに「ワンチーム」ですね。
㔟嶋 コールセンター立ち上げの初期に高須さんとご一緒できたことは、この上ない幸運でした。アニマルライフ研究所様がお客様を大切にされているからこそ、私たちもリピーターやロイヤルカスタマーづくりを支援できます。私たちが顧客最前線で「お客様を大事にする」という使命を実現できているのは、アニマルライフ研究所さんのおかげです。
「当たり前のことを当たり前にやる」というのは意外と難しいのですが、とても大切なことだと改めて感じます。常に初心に立ち返ることのできる環境は大きな刺激になっていて、今も社内では、高須さんへの感謝とともに「愛犬健康ショップのために今できることを精一杯やり抜く」と口癖のように言い続けています。
高須 「任せられる安心感」が最大のポイントです。クレームが来ないことがベストですが、クレームが来ても確実に対応してくれるという信頼があるからこそ、私たちは「自分がすべきこと」に専念できます。この信頼関係が、当社の成長の土台になっています。
ワンプルーフの「財産」は人柄重視で採用されたスタッフ。安全・安心体制のためのスキルアップを支え合い、カスタマーサポート、顧客対応、テレマーケティング、アウトバウンドコール、バックヤードまでのワンストップ代行が強み
──今後取り組みたいことはありますか。
㔟嶋 アニマルライフ研究所様がカートシステムを変更したことで、(問い合わせをすることなく)お客様がご自身で解決できることが増えました。利便性が高まったのは良いことですが、お客様の声を直接拾う機会が減りました。今後は、お客様との接点を積極的に増やす“攻めのCRM”を展開していきたいと考えています。高須さんと相談しながら、一緒に実現していきたいですね。
──最後に、外部委託を検討している事業者に向けて、パートナー選びのポイントをお聞かせください。
高須 お客様が自己完結できる仕組みや自動化は進んでいますが、やはり問題が起きたときは電話がかかってきます。そのようなときに適切な電話対応ができるかどうかは非常に重要です。どれだけ自動化が進んでも、電話対応はなくてはならないものです。だからこそ、信頼して任せられる会社を選ぶことが重要だと思います。