2017年の広告コピーから見えた言葉は「不安と希望」 2万3千件からビッグデータ解析

東京コピーライターズクラブ (以下 TCC)は、このほど一年間の広告に実際に使用された「広告コピー(キャッチフレーズ)」を収集し分析。使用頻度の高かった言葉の統計から見える今年の特徴と傾向を、『広告コピービッグデータ解析』として発表した。
このプロジェクト3回目となる今回は、2017年TCC賞の選考対象となった広告コピー全7,357件を調査。そのうちCMについては1つのセリフを1件の広告コピーとしてカウント、合計23,767件が分析対象となった。また各単語の使用頻度と昨年来の使用増加率をもとに複合・編集する手法により、今年もマッシュアップコピーを作成した。

ビッグデータ解析では、調査対象のコピーについて自然言語解析を実施。そこから「最も多く見られる広告コピーは4〜7単語から成ること」「最も多く見られる文章構造は『名詞-助詞-記号–名詞-助詞-動詞–記号』であること」に注目。さらに、語順・品詞別頻出単語トップ10から文章が成立する単語を選出して組み合わせたところ、2017年を象徴する広告コピーとして、以下の一行が浮かび上がった。

品詞別では、名詞の2位に「希望」、1位に「不安」が入る結果となっており、頻出率として「希望」は昨年の約2倍、「不安」は約4倍。商品やサービスを宣伝するという広告コピーの性格上「不安」という言葉を使用した場合はメッセージ内に「救い」になるポジティブな言葉も使用されることが多く見受けられた。また動詞では「会う」の使用増加率が昨年比124%で、このほかに突出した伸び率を示した動詞は現れなかった。

昨年の急上昇ワードだった「日本」(昨年の一行は「私たち、日本人。」)は今回は昨年対比48%の使用率と半減したことも興味深い。背景には突出して伸びた昨年の、オリンピックが意識された日本鼓舞やナショナリズム的なものへの反動や、微妙な「忖度」が働いているのかもしれない。

今年の傾向について、ある理由のみで結論付けることは難しいが、政治の不安定や雇用、経済、国際情勢、はたまた異常気象など、継続する社会不安は人々の間にすでに常態として共有されている気分だと思われ、そこから現出するコミュニケーションの言葉として「不安」「希望」の頻出は大変わかりやすい。注目したいのは、「会う」というある意味アナログな言葉。SNSや在宅ワーク、A.I.アプリ等で、仕事もプライべートもリアルで人と会わなくても事足りてしまう昨今、あえて「会う」という言葉が広告コピーに使用されてきたことに、ぬくもりへの少しの希求を感じる。文末は「?」と疑問形ではあるが。

■TCC(東京コピーライターズクラブ)紹介
東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体。毎年4月、前年度に実際に使用された広告の中から、優秀作品を選出。その制作者を「TCC賞」受賞者として発表し、秋に受賞作品のほか優秀作品を掲載した「コピー年鑑」を発行。ことばの専門家集団というスタンスから日本の広告界のコミュニケーション技術の向上を牽引している。
公式 HP: http://www.tcc.gr.jp/

■かっこ株式会社紹介
かっこ株式会社は「ちょっとだけ未来の判断材料を提供するビッグデータカンパニー」です。ビジネスの最適化や課題解決への指標(打ち手)の発見、EC・金融における不正検知や決済コンサルティングまで。データサイエンスから得られた結果をもとに、お客様の誰もがすぐに次の行動に移せる価値を提供しています。

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