誰に向けて伝えていますか?(ターゲットの明確化)
『良いモノあるんだけどなぜか売上に繋がらない。』
『お客様がなかなかウチの良さを分かってくれないだよね。』
そう思うことはありませんでしょうか?
「伝えている」のになんだか「伝わっていない」感じがするのは、『自分たちのお客様が明確にイメージできていない』というのが、意外と多いようなのです。
具体的なお客様像を描く
「お客様は誰ですか?」とお聞きすると「20代女性です」などの答えが返ってきます。さて、それは果たして正しいのでしょうか。
例えば、20代女性に女性服を売る場合。お客様Aさん、Bさんがいたとします。
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▼Aさん
定時退社、帰り道で新宿ルミネに寄って春モノを試着。家に帰ってドラマを見て、CMに出てきた宮崎あおいのような髪型にしようと決める。お風呂上がりのストレッチとアロエヨーグルトが好き。
▼Bさん
目覚ましの音にむりやり起こされ、朝ごはんは昨晩と同じローソンのおにぎり。1日10時間は上司から文句を言われ続ける。嫌いな言葉は「進捗」。気を紛らわすために雑誌cancamを買って帰るが、いつも読まずに数ヶ月分が山積み。
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この2人はどうやらライフスタイルが大きく違うようです。そんな2人に対して、例えば「新作春物の薄手カーディガン」の商品説明をするなら、こんな違いが出てくると思います。
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▼Aさんに
雑誌○○に掲載!今年の流行色を取り入れた最新作!
オフィスでの目線も意識して派手すぎない配色しました★
空調で体を冷やさないお助けアイテムになること間違いなし♪
▼Bさんに
春らしい色合いで、休日の午後のお出かけにぴったりの1枚。
優しい肌触りが体にも心にも癒しを与えてくれます。
今年の流行色も取り入れてトレンドはしっかりキャッチ。
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Aさんは流行を追いかける人。Bさんは癒しが必要な人。伝える相手が変わると説明する言葉の選び方も変わってきますよね。
1対1の場面を1万回つくる
ここで出てくる疑問は「お客様を具体的に想定するのはいいけど、絞り込みすぎていいのか?」という疑問です。マーケットが小さくなって売上高が上がらないのではないか、という不安です。
あるトップアーティスト(歌手)のプロデューサーが、こっそり教えてくれたことがあります。
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「優れた歌手は会場の10,000人を感動させようとは思ってないんだ」
「1人の人を物凄く感動させたいと思って歌っている」
「1対10,000ではなくて、1対1を10,000回やるんだ」
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そう、これこそが、成功の秘訣だと思います。目の前の1人でいいのです。目の前の具体的な1人に対しての1対1の感動が生めれば、それを10,000回やればいいわけです。
絞り込んだ商品説明が、1人のお客様に強く響けば、結果として10,000人のお客様の心に響くものになるはずです。絞り込む勇気を持ちましょう。
お客様像を描く3ステップ
最後に、具体的なお客様像を想像するための簡単3ステップをお伝えします。
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【1】誰がお客様ですか?
※ヒント:性別、世代、家族構成、年収、住居形態、職業を考えると良い
【2】どんな生活をしていますか?
※ヒント:行動時間帯、通勤通学移動方法、よく見る媒体を考えると良い
【3】何が欲しいと思っていますか?
※ヒント:キレイになりたい!同性から褒めてもらいたい!今までと違う自分になりたい!などと想像を膨らませて考えると良い
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本来正しい出発点は『この商品を誰に売ろうか?』ではなくて、『このお客様にちょうどいい商品は何か?』を考えることだったはずです。
具体的なお客様像と、具体的な商品説明で、圧倒的な【トンガリ】を生みましょう。