売れるようになったお店の共通項

永井 貴博

株式会社ユニイクのコンセプトは「“好き!”と”楽しい!”によって誰もが誰かに喜ばれる世界を創る」です。全ての人が何か価値を持っていて、それは必ず世界のどこかの誰かに役に立つという信念を持っているからです。

楽天株式会社でECコンサルタント職に従事していたとき、年間売上最大のショップオブザイヤー、ショップオブジエリアの店舗様を6店舗同時に輩出させて頂くことが出来ました。その中でたくさんの経営者、店長さんと高め合い分かち合って参りましたが、はっきり認識出来たのは「どんなお店も独自のスタンスを明確にしお客様に良い伝え方が出来れば必ず売れるようになる」ということでした。それはまさに「誰もが誰かの役に立てる世界」の一端を垣間みた瞬間でした。

売れるようになるための要素は書ききれないほどありますので、今回は売れるようになったお店の共通項を挙げてみます。

(1)提供するモノ自体に魅力があった
他の誰よりも安く仕入れられる、他の誰にも真似出来ない飛び抜けた魅力のある商品を持っている、飛び抜けて珍しい商品を持っている、など。

(2)コンセプト・切り口に魅力があった
顧客と商品(サービス)をどのように繋ぐのか、どこの誰に対してどのような角度で商品を編集してみせるのか、など。

(3)伝え方や表現方法に魅力があった
商品自体をどうやって見せるのか、どう表すのか、など。

誤解を恐れず言えば、Amazonのように商品が比較一覧出来るサイトであれば(1)の要素の影響力が90%以上になります。商品情報が画一化されていて差が出ないため、どこよりも安く大量に仕入れお客様に早く届けられれば売れるお店になります。とてもシンプル。一方、楽天市場店や独自ドメイン店の場合、(1)の要素は50%程度、(2)と(3)の要素の影響力が非常に強くなってきます。

今回は(2)「コンセプト・切り口に魅力があった」について解説を加えてみたいと思います。この(2)の要素が強く売れていたお店の運営者はもれなく、「集める」ではなく「集まる」お店を目指していました。それは「(こちらから行かなくても)お客様はやってくる」と思っているということです。お客様は安いものを買いたいし、セール大好き。ですが「安くて悪いものを買いたい」とは思っていません。お客様は元来「良 いものを買いたい」。そして出来ることなら「良いものをきちんと説明を受けて買う」という行為を求めています。そのコミュニケー ションを重視しているのです。

ですから、本当にいいものを準備して、本当にいいと思うサービス提供方法で、本当にいいと思う表現 の仕方をしていれば、お客様はおのずと集まって来るというわけです。そして、この「本当にいい」というのは誰の基準か。お客様ではなく提供する側です。提供する側が心から良いと信じているものを、 自信を持って楽しく伝えているかどうかが「集まるお店」になるかどうかの最も大きな差異でした。

もう一つ、「お店としてのコンセプトが明確である」ことも例外なく最重要なポイントです。運営者が信念を持って決めたコン セプトが明確であると、

A.お店として伝えたいキモチが明確
B.そのキモチに沿った商品がある
C.そのキモチに沿った商品ページがある

この3つの点で優れてきます。キモチとは「想い」です。想いは「共感」を呼びます。共感が「売上」を呼ぶのです。人は「何を」ではなく「なぜ」にココロ を動かされるからです。

自分が信じていることについて語り、カタチにすれば、同じことをを信じてくれる人たちを魅きつけることが出来ます。自分が 信じるものを信じてくれる人に売ることを目指したいですね。それはインターネットを通してなら必ず実現出来るはずです。


著者

永井 貴博 (Takahiro Nagai)

早稲田大学卒。2004年株式会社JTB入社。06年2月楽天株式会社入社、楽天市場事業に配属。年間売上最大のショップオブ ザイヤー店舗を同時に6店舗輩出。13年1月楽天グループ総合 MVP第1位受賞。13年9月楽天株式会社退社。「日本の子供を強くすることで日本を強くしたい」と教育を志し、教育先進国オランダへの短期留学を経て 13年10月株式会社ユニイク設立。「“好き”と“楽しい”によって、誰もが誰かの役に立つ世界を創る」をコンセプトとして、初等教 育事業、通販事業支援を行う。盛和塾東京所属。ポジティブ心理学教職課程修了。

企業URL:http://uniek-jp.com/