【第六回】さくらフォレストの「おもてなし」採用について〜さくらフォレストが説く[接客の極意]

田上 薫

前回までのコラム

【第四回】お客様が喜ぶなら何をやってもいいんだよ〜さくらフォレストが説く[接客の極意]
https://www.ecnomikata.com/column/11712/

【第五回】「突拍子もないけれど、成果をあげている採用方法」について〜さくらフォレストが説く[接客の極意]
https://www.ecnomikata.com/column/12312/

前回お話しした「突拍子もない採用方法」について、社内選挙までの前段階についてお話しさせていただきました。

選挙の前段階についてが前回。

今回は「一緒に働く仲間を自分で探すためにとる”選挙”というかたち」についてお話します。

入社1年目から採用の担当をするということ

新卒の採用活動は4月からはじまります。今年の4月に新卒入社し採用チームに入った中山は、入社し1ヶ月も経たないうちから合同説明会に参加し、自分の体験を元に就職活動について、さくらフォレストについての話をしていました。

中山は人の良さを引き出すのが得意なので、学生さんに直接会えるイベントがあると聞けば自ら積極的に参加し、自分が今やっていることを話したり参加している学生さんの好きなことややりたいことを聞き出し、さくらフォレストに合うかもしれないと思えば朝礼の参加やインターンを勧めたりしています。

自分の内定先が決まってないうちから、内定の決まっていない大学生に向けての勉強会であったり、企業とのマッチングイベントを開催していた中山です。

「困っている様子をみてたら何かしたくなって」

そんな人が好きな中山は今も、先輩社員と手分けしてさくらフォレストに来てお手伝いをしてくれているインターンの担当をしてくれています。

社内全員が一緒に働く仲間を選べるということ

社内選挙で採用をしているという仕組みについて話をするとびっくりされることが多いのですが、社内選挙での採用は7回を超えました。

選挙を行う目的は、みんなで決めるということではなく「一緒に働きたい人を自分で選ぶ」ことです。自分たちで選ぶと、入社後に何があっても責任を持って後輩を育てようと、一生懸命関わります。

役職も年齢も性別もチームも超えて、自分が関わって。

実は、この仕組みで採用された新卒第一号が、私と私の同期たちです。

選挙期間中、学生さんは自由に会社を出入りして良いというルールにしています。自由に誰とでも話をして、未来の職場を見て、自分がこの会社で働きたいかどうかを見極めてもらいます。

そして先輩になるであろう私たちは「誰と一緒に働きたいか」を見極めます。学生さんは、さくらフォレストで働いている自分を想像できるか、1週間様々な人と話をしながら考えます。

そうして「面接官と学生」ではなく「未来の後輩と先輩」として向き合うなかで、少しずつ鎧のようなリクルートスーツ姿の学生さん達が、声を出して笑ったり悩みや夢を聞かせてくれたりと、少しずつ素の姿を見せてくれはじめます。中には、限りなく素に近い姿を見せてくれる学生さんもいます。

さくらフォレストは型にはまった会社ではないので、型にはまった姿ではさくらフォレストがその人に合うかどうかを知るのは難しいと思います。

素の姿はあくまでも「大学生のイマ」の素の姿なので、それだけで一緒にシゴトをしてどうこうという判断をするのは無謀なのかもしれません。

選ぶ基準は人によって様々です。能力で選ぶということはせず、一緒に働きたい人、この人と未来をみたいと思う人、上司にしたい人……限られた時間の中ですが、変えられないその人の本質を探って、そこに賭けるという人が多いように思います。

リーフさんも、新入社員も、ベテラン社員も、役員メンバーも、採用担当者チームも。全員に1人ずつ投票権があります。驚かれますが、この制度をスタートして7年目です。

6回にわたって、おもてなしについてお話させていただきました。

通販で、商品をきっかけにお客様に幸せを届けたい。

おもてなしの語源はさまざまありますが「表裏なし」が短くなって「おもてなし」と言われるようになったというのが一番さくらフォレストのおもてなしの意味に近いかなと思います。

表裏のない「心」でお客様や一緒に働く仲間をお迎えすることで、私たちの追求したいサービスや世界観を作っていっている途中。今日もさくらフォレストでは、マニュアルには書き起こせない、様々なケースのおもてなしが生まれています。


著者

田上 薫 (Tagami Kaoru)

1988年宮崎県生まれ、鹿児島県育ち。短期大学を卒業後、株式会社ココシスさくらフォレスト事業部(現在:さくらフォレスト株式会社)へ入社。これまでコールセンター部門として、主にクライアント2社に携わり、延べ7万人以上のお客様とお話しをしている。今年からはコールセンターという基礎に、CRMセンターとしても枠組みを広げていっている。

さくらフォレストHP http://sakuraforest.co.jp/
採用HP http://sakuraforest.co.jp/recruit/sinsotsu/index.html