超ニッチマーケットに眠る、売れる商品の見つけ方
昨今、超ニッチ(すきま)マーケットを狙って商品を作ることがヒット商品の切り口だと言われています。
『○○専用の△△』という商品訴求がそれで、『指毛専用の除毛クリーム』とか『朝ケア専用の美容ジェル』とか、そういう商品をよく目にします。
もともと、ターゲットを鮮明にするのはマーケティングの基本中の基本であり、ターゲットが広すぎる場合は『売れない』という事態に直結することから『ターゲットは絞れ!』というのがマーケティングのセオリーです。
●女性の皆さんに買って欲しい(広いターゲット)というよりも
●子育て中で時間のないママさんには是非買って欲しい(絞られたターゲット)と言った方が、よく売れるでしょうし、
◆やせてキレイになりたい女性の方へ(広いターゲット)というよりも
◆下半身のむくみをとってキレイになりたい女性の方へ(絞られたターゲット)と言った方が、より消費者のニーズに突き刺さる商品になるでしょう。
このように、ターゲットを絞るのはマーケティング上の初歩的なセオリーと言えるでしょう。その大前提を踏まえたとしても、昨今の商材のターゲットの絞り込みの凄さは、特筆に値すると思うのです。その絞り込みの細かさは、ニッチ商材を上回る、超ニッチ商材と言ってもいいほどです。
超ニッチマーケットの商品がなぜこれほど台頭しているのか。月並みな私見ですが、『インターネットで物が売れる時代になった』からではないでしょうか。
Eコマースを考えるときに、無視することができない、2つの大きなインターネットの特徴があると思います。
①インターネットは比較のメディアである
②インターネットは細分化のメディアである
この2つの特徴は、【検索】という機能によってもたらされています。
例えば・・・穴あき包丁を探しているとしましょう。インターネットがなければ、包丁を売っている売り場を回って、一軒一軒探して歩かなければいけません。もしくは売っていそうなお店をタウンページで調べて、一軒一軒電話をしなて調べなければいけません。
これが、インターネットがあれば、まず検索エンジンに『穴あき包丁』と打ち込みます。包丁ではないんです、いきなり穴あき包丁です・・・【細分化】
そして穴あき包丁の検索結果が並んだら、ページを開いて、どれが自分の探しているものに近いか調べていきます・・・【比較】
包丁を探している人のうち、穴あき包丁を探している人が100人に1人としましょう。リアル店舗の金物屋さんならば、100人に1人のお客様のために穴あき包丁を置くことはできないかもしれません。
しかしインターネットの世界ならば、日本中の穴あき包丁を探している人が探し当ててきてくれるのです。細分化されたターゲットの少なさは商圏の広さでカバーできます。100人に1人しか欲しがらないものでも、100万人が相手なら1万人相手に商売ができます。
超ニッチマーケットを狙った商品が台頭しているのは、そのような事情によります。そして超ニッチ商材と言うのは、ニーズがあまりにも鮮明であるために対象としているターゲットの方によく売れるでしょう。
さて、では実際に超ニッチマーケットに向けた商品をどうやって開発するか? これには方法と言うかコツがあります。まず大きなセグメントを設定します。
例えばファンデーション。次に、困ったことや不便なことがないかヒアリングします。『今使っているファンデーションに不満はある??』すると『夏は汗をかくから、どうしてもファンデがよれてくる』というコメントがあれば、
●ファンデ 夏でもよれないファンデ
という絞り込みが行われます。
そこに対して、マーケットを調べつつ、ユーザーへのヒアリングを行います。『夏でもよれないファンデに満足していますか?』
その結果、『よれないファンデは夏を意識しすぎててUVケアがキツイ・・・肌が敏感だから紫外線吸収剤が入っていないものを探している』というコメントをキャッチしたら、
●ファンデ 夏でもよれないファンデ 夏でもよれない紫外線吸収剤不使用のファンデ
という絞り込みができます。
以上、他にも様々な超ニッチマーケットの見つけ方はあるでしょうが、参考にしていただければ幸甚です。