【第2回】SEOに重要なターゲットキーワード選定 3つの方法と検索目的を知るメリット!

水上 浩一

売上アップの教科書

水上 浩一です。

前回はSEOに重要な「ターゲットキーワード」3つの選定方法<br>(1)キーワード候補のピックアップ<br>(2)キーワード候補の月間検索数を「キーワードプランナー」で調べる、<br>について説明いたしました。<br>
今回は(3)の検索結果(SERPs)を確認する、について説明いたします。<br>
3)検索結果(SERPs→Search Engine Result Pages)の1ページ目を確認します。<br>
(1)(2)を経て、ターゲットキーワード候補を絞り込んだら、<br>候補のキーワードで実際に検索してみます。<br>
購買確率の調査の場合、Googleのブラウザ、クロームを使って「シークレットモード」で検索をしてみます。<br>シークレットモードとは、自分が閲覧したホームページの閲覧履歴やダウンロード履歴が残らない機能のことで、<br>一般のユーザーと同じような環境での検索結果を得ることができます。<br>(たとえば、チーズケーキを販売している店長さんはチーズケーキに関してたくさん検索していたり、自店舗の検索結果を調べたりしているので通常モードで検索をしてしまうと、<br>検索履歴等の影響を受けた検索結果になってしまいます)<br>
ここでSERPs(検索結果画面)を確認するのですが、確認内容は2つあります。<br>

■SEOに重要な「ターゲットキーワード」3つの選定方法(3) 購買確率

●1つ目はターゲットキーワード候補の「購買確率」を調査することです。<br>
経験上、検索結果の1ページ目を調査した場合、<br>ECで考えたとき、10件のリストのうち、6件以上が販売サイトだった場合、<br>そのキーワードは購買確率が高いことが予測されます。逆に販売サイトが5件以下だった場合は、購買確率が低い可能性が高くなります。<br>
なぜかというと、検索結果の順位は原則的にユーザーが調べたい内容順になっていると予測できるからです。<br>SEOの順位を決定する要素(シグナル)は200以上あると言われていますが、<br>アクセス数はそのうちの重要なシグナルといってよいと思います。<br>
なぜかというと、たとえば(大手キュレーションメディアに掲載されたり、炎上したりした場合)急激なアクセス数アップが起こり、その結果そのサイトやページが該当キーワードで上位に急浮上することが多いからです。<br>
EC実践会でも、ある季節イベントの商品を販売しているネットショップがあり、その商品がバカ売れしたことがあります。その結果、季節イベントのビッグキーワードで1位を獲得しました。<br>ところが、その季節イベントが終了して、商品が売れなくなるやいなや、順位は急降下。あっというまに10位ぐらいまで落ちてしまったのです。<br>
こういったケースをいくつも目撃しているので、アクセス数をシグナルの一つと考えているのです。<br>つまり、訪問数の多い=需要の高いページが上位に上がっているケースが多いということが言えると思います。<br>
その観点からSERPsの1ページ目に掲載されている10件のインデックスはそのキーワードの検索目的を表していると言えます。<br>
あとこれも経験則ですが「ウィキペディア」が1ページ目にランクインしているときも、購買確率的には要注意です。<br>(つまり購買確率が低い可能性があります)<br>
ただし、販売サイトが5件以下だったとしても、
・リスティング広告が数多く出稿されている場合
・Googleショッピング広告が掲載されている場合
は、購買確率がそれなりにある可能性も否定できません。
これらを総合評価して購買確率を予測しながらキーワードの絞り込みを行います。<br>

■SEOに重要な「ターゲットキーワード」3つの選定方法(3) 競合調査

■SEOに重要な「ターゲットキーワード」3つの選定方法(3) 競合調査

●SERPs確認内容の2つ目は、競合調査です。<br>
キーワードプランナーでも競合性や推奨入札単価を調べることができますが、実際に販売サイトが6つ以上インデックスされていた場合、<br>その販売サイトがどんなお店か?<br>どのくらいの規模の会社か?<br>Webマーケティングに強いのか?<br>SEOはどの程度取り組んでいるか?等をざっくりと観察します。<br>
たとえば「当店の商品は『内祝い』で良く使われているので、内祝いというキーワードで上位表示されたらたくさん売れると思います」と考えたとします。<br>
「内祝い」は平均で月間60,500回検索されているビッグキーワードです。
これで上位表示されたら、かなりのアクセスを見込むことができそうです。
では実際に「内祝い」で検索してみましょう。<br>
まず上位で目につくのがリスティング広告の多さです。ここではPCで検索していますが、ファーストビューに4件の広告が掲載されています。
ではオーガニック検索の領域を見てみましょう。<br>

1位には「たまひよSHOP」、2位は「赤すぐ×ISETAN MITSUKOSHI内祝い」がランクイン。3位は安定の楽天市場、4位が高島屋オンラインとなっています。<br>
5位には出産内祝いのマナーとコンテンツがランクインしていますが、6位も出産内祝いギフト通販サイトがランクインしています。<br>以下、東急百貨店、シャディ、アカチャン本舗と続きます。これは購買確率が高そうです。<br>
しかし、今度はランクインしている店舗・会社の規模やWebマーケティングの強さを予測してみますと、1位はベネッセ社の運営するサイト、2位はリクルート社と大手百貨店のコラボ、3位は楽天市場、4位は高島屋と続きます。<br>
以降もそうそうたる顔ぶれです。<br>ここで間違ってはいけないのが、大手が上位にいるからといって、すぐに諦める、という訳では無い、ということです。<br>
その会社の規模だけではなくて、Webマーケティングに対する取り組み具合を常日頃からネットのニュース等でウォッチしておきます。<br>あとは今回ではギフト商品の企画力等も加味していきます。<br>
すると、ベネッセ社やリクルート社は数年前から特にWebマーケティングには力を入れている、という情報がすでにインプットされている、とします。さらに大手百貨店が連なっているので、商品企画力もかなりのレベルであることが予測できます。規模も小売りでは国内トップクラスだと思います。
一方、こちらは中小規模の事業者だとします。<br>
この場合、やはり、現実的にはかなりこれらの店舗をSEOや広告で上回っていくのは難しいことが容易に予測できます。<br>
なので、まずはもう少し規模の小さいギフト系のキーワードで購買確率の比較的高いキーワードを選定しなおすのが良いのではないか、「内祝い」キーワードは、中長期的にじっくりと作戦を練って、力を付けていきながら上位を伺う作戦が良いのではないか、と水上でしたらアドバイスすると思います。<br>
再度お断りしておきますが、ここでのキーワード変更のアドバイスは、あくまでこのときの分析結果であって、単純に見た目で大手がたくさんランクインしているから、という理由だけではありません。<br>これまでの情報収集の結果、上位の会社はWebマーケティングに非常に力を入れている、という情報を加味した上での判断であることを付け加えておきます。<br>実際にEC実践会の受講者さんやクライアントさんで「楽天市場」や「大手企業」よりも検索順衣を上げている事例はたくさんあります。

■キーワードの「購買確率」を推測する方法、「ターゲットキーワード」を選定する方法

以上、キーワードの「購買確率」を推測する方法、そして「ターゲットキーワード」を選定する方法をまとめます。<br>
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1)キーワード候補のピックアップ
2)キーワード候補の月間検索数を「キーワードプランナー」で調べる
3)検索結果(SERPs→Search Engine Result Pages)の<br> 1ページ目を確認します。
 ・ターゲットキーワード候補の「購買確率」の調査
 ・競合調査
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となります。
次回は、ECサイト運営者が陥りがちなターゲットキーワードの選定を間違えやすい3つの検索目的について説明したいと思います。


著者

水上 浩一 (Mizukami Hirokazu)

ランチェスター戦略を軸にしたウェブ活用・地域活性化コンサルタント。
「水上 浩一EC実践会 for FutureShop2」講師
株式会社ドリームエナジーコンサルティング代表取締役
8月5日 東京生まれ、神奈川鎌倉育ち。
●EC実践会参加1年間で売上純増2億1000万円(梱包資材)
・県産生鮮品月商1億円超、生花生産直売月商4800万円、
・オープン80日で月商1100万円(ファッション)
・月商200万円→6ヶ月間で月商1450万円等(地域土産)等

ランチェスター戦略の効果的なウェブマーケティング活用を中心とした勉強組織
「水上 浩一EC実践会 for FutureShop2」を全国で展開中。
2017年3月現在17地域、受講者数は2400名を超える。
講演・セミナー回数は年間240回以上、通算2000回超。
ジャンルを問わず短期間で劇的なネットショップの売上アップ実績多数。
大手上場企業から生産者直売店舗等地域活性化までコンサルティング成果事例多数。

http://www.ecjissenkai.com/