LINE公式アカウントの友だち追加からエンゲージメントを高めるまで

松元由布子

LINE公式アカウントの友だち追加をするきっかけは、ユーザーによって様々です。
例えば、スタンプなどの友だち追加施策、実店舗でお買い物の時に、ECでのお買い物の際、など...

この記事では、さまざまなきっかけで新しく友だち追加してくれたユーザーとどのようなコミュニケーションでエンゲージメントを高めていけばいいかについて紹介します。

LINEの友だちをどう増やしていますか?

LINE公式アカウントの友だちをもっと増やしたい!という時、どのような方法を活用していますか?
LINEの友だちを増やすには、その目的によって様々な方法があります。

●①潜在層に広くリーチし、一度に多くの友だちを獲得
●②ターゲティングの活用で、関心度の高い潜在層の認知・友だちを獲得
●③自社ECを既に認知しているユーザーの友だちを獲得

①潜在層にリーチし、認知を拡大し一度に多くの友だちを獲得

これまでリーチしたことのないユーザーの認知を獲得し、友だち追加を促したい場合に活用されるのが、LINEプロモーションスタンプやミッションスタンプ、LINEポイントADなどの広告商品です。

200万円~数千万円の広告費用がかかりますが、一度に多くのユーザーにリーチできることから、飲料メーカーや食品メーカー、化粧品メーカー、キャラクタービジネスなど、対象ユーザーが多い業種に適しています。

これらの施策は潜在層に広くリーチできる一方で、獲得した友だちの中には自社への関心の度合いが高くないユーザーも多く含まれます。

●LINEプロモーションスタンプ:
・ユーザー同士でスタンプを送りあうことで、拡散されブランドの認知を広める効果があり
・スタンプやポイントをインセンティブとして、LINE公式アカウントの友だち追加を促進

●ミッションスタンプ:
友だち追加した上で、特定のミッション(ID連携・新規会員登録/資料請求・サンプル請求/アンケート回答/キャンペーン利⽤)をクリアすることで、LINEスタンプをダウンロードできる広告商品

●LINEポイントAD:
友だち追加や動画視聴など特定の条件をクリアしたユーザーにLINEポイントを付与できるサービス
・貯めたLINEポイントはスタンプや着せかえに換えられるコインとの交換や、LINE Payのコード決済で利用可能

②ターゲティングの活用で関心度の高い潜在層の認知、友だちを獲得

潜在層の中でも関心度の高い友だちを獲得したい場合に活用されるのが、友だち追加広告(LINE広告 友だち追加)です。

友だち追加を目的に最適化されたLINE広告で、エリア・性別・年齢・興味関心・オーディエンス配信などでターゲティングができるため、一度に、自社ECに関心度の高いであろうユーザーの友だちの獲得が見込めます。

●友だち追加広告(LINE広告 友だち追加)
・LINE公式アカウントの友だちの獲得を目的とした広告
・LINE NEWSやLINEアプリのトーク画面に友だち追加を促す広告を表示
・エリア・性別・年齢・興味関心・オーディエンス配信(LINE広告の友だち追加の場合)などでターゲティング配信が可能

友だち追加広告は初期費用なしで、1万円から出稿可能かつ最低価格の設定で予算内での運用が可能なため、業種を問わず比較的導入しやすい広告商品です。
但し、最近ではCPFが高くなる傾向があり、1人あたりの友達追加コストとして250~300円がかかるケースもあるようですので、費用対効果が見込めるケースでは有効な手段といえます。

③自社ECを既に認知しているユーザーの友だちを獲得

自社を既に認知・利用しているユーザーの友だちを獲得したい場合は、ユーザーとの様々なタッチポイントにおいてLINE公式アカウントを開設していることを周知します。
加えて、設置する場所やシーンにあわせて、ユーザーが簡単に友だち追加アクションがとれるような導線を用意します。

これらのユーザーはすでに自社のECを認知・利用していることから、上記①②と比べると興味関心の度合いは比較的高いといえます。

●自社ECでの告知。ユーザーの目につきやすい場所に友だち追加ボタンを設置し、インセンティブを訴求する専用LP(ランディングページ)を用意
●実店舗やイベントで、POPや掲示物に「友だち追加用QRコード」を掲示
●メルマガ、SNSで「友だち追加ボタン」や「友だち追加用QRコード」「友だち追加URL」を掲示
●商品発送時に友だち追加のQRコードを印刷した案内物を同梱
●少額クーポンなどインセンティブの活用

尚、〇〇%OFFクーポンなどの少額クーポンの活用で友だち追加を促す場合は、初回購入やリピートに繋げやすい一方で、割引や多用のしすぎは効果が薄れてしまうので注意が必要です。

このように、どのようなきっかけで友だち追加したかによって、友だちの自社サービスへの興味関心度が異なることがわかります。

上記の例でいえば、 ③>②>①の順で高いと言えます。

特に、新しく獲得した友だちのエンゲージメントを高める上で重要になってくるのが、自社サービスとの親和性、興味関心の度合いにあわせたコミュニケーションです。

認知目的の友だち追加施策のよくある課題

ブロック率が高くなる

LINEプロモーションスタンプなど、潜在層に広く認知を獲得するキャンペーンでは、一度に多くの友だちを獲得できるというメリットがある一方で、キャンペーン実施後、ブロック率が高くなりがちです。

これは当然のことで、「インセンティブ目的で友だち追加をする人が一定数いる」ことが原因です。

そのため認知目的のキャンペーンでは、一定のブロック率は許容しつつ、ターゲットリーチを増やすことを目的としましょう。
その上で、少しでも関心を示してくれる友だちのエンゲージメントを高めていきます。

メッセージの配信コストがUPする

認知目的の友だち追加施策では、一度に多くの友だちを獲得できます。
ところが中には、将来的にサービスを利用してもらえる確度の低い友だちも含まれることから、自社サービスを知ってもらうためのコミュニケーションを行おうとしても、逆に友だちの数がコストになって一斉送信がしづらいという課題もあります。

そんな時におすすめなのが、興味関心の度合いに応じたセグメント配信です。

興味関心の度合いにあわせたセグメント配信を活用

友だちの興味関心の度合いにあわせたセグメント配信でエンゲージメントを高めていく方法として、LINE公式アカウントの標準機能「オーディエンス」をご紹介します。

いずれもLINE公式アカウントの標準機能ですので、ツール導入など追加のコストをかけずに利用できます。

友だち追加経路オーディエンス

どの経路から友だち追加してくれたのかは、友だちの関心度など友だちを理解する手助けにもなります。

●先週開催したイベントでQRコードから友だち追加したユーザー
●実店舗で友だち追加したユーザー
●商品に同梱したフライヤーのQRコードから友だち追加したユーザー(既存顧客)

友だち追加経路オーディエンスを活用すれば、任意の異なる友だち追加経路毎の計測ができ、加えて、追加経路毎にセグメント配信が可能です。

例えば、実店舗で追加してくれた友だちにオンラインで利用できるクーポンを配信したり、商品に同梱したフライヤーのQRコードから追加してくれた友だちを対象に新商品の案内やクーポンを配信するといった活用も可能です。

【友だち追加経路の設定】
任意の友だち追加経路毎に分析やセグメント配信を行うには、友だち追加経路の設定と計測用のパラメーターの付与が必要です。

LINE Official Account Managerの「ホーム」>「友だちを増やす」>「友だち追加ガイド」>「友だち追加経路を設定」より、経路別の友だち追加URLやQRコードの発行を行います。


インプレッションオーディエンス・クリックオーディエンス

「インプレッションオーディエンス」「クリックオーディエンス」では、過去に配信したメッセージを開封・クリックしてくれた人へのリターゲティング配信や除外配信が可能です。

過去に配信したメッセージで興味関心を示してくれた人に対するセグメント配信が可能なため、例えば、ユーザーのニーズがわかりにくい認知目的のキャンペーンを実施した後のセグメント配信でも有効です。

●クリックリターゲティング:過去に配信したメッセージに含まれるリンクをクリックしたユーザーを対象にしたオーディエンス
●インプレッションリターゲティング :過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象にしたオーディエンス
※配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です

まとめ

今回は、新しく追加してくれた友だちのエンゲージメントをいかに高めていくかについてご紹介しました。

●どのようなきっかけで友だち追加したかによって、自社サービスへの興味関心度が異なる
●認知目的の友だち追加施策後は、一定のブロックはやむを得えない。ターゲットリーチを増やすことを主目的とする
●特に認知目的の友だち追加施策を通じて追加された友だちは属性やニーズの詳細を知ることがむずかしいため、関心度合いにあわせたセグメント配信が有効

今後、さらに購入やリピート利用などファン化によってLTV向上していくためには、ユーザー単位でのパーソナライズコミュニケーションやLINE公式アカウントを活用した顧客体験の向上が肝になってきます。

そのあたりは下記の記事で解説しているのでこちらも併せてチェックしてみてください。

▼自社ECのアクティブ層に次の購買行動を促すセグメント配信を行う方法
https://ecnomikata.com/column/38336/

▼LINE経由の売上を増やす方法 リッチメニューで届けるユーザー体験が鍵!
https://ecnomikata.com/column/39084/


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■友だち追加経路を設定して簡単にセグメント配信を行う方法
https://blog.socialplus.jp/knowledge/segment-messages-by-add-friend-route/


著者

松元由布子 (Yuko Matsumoto)

ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のマーケティング担当。2015年にフィードフォースに入社後、ブログメディア編集長としてコンテンツマーケティングに従事。2022年6月よりソーシャルPLUSに転籍し、現在に至る。会員IDとプラットフォームのID連携により、CV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信まで顧客体験を豊かにするためのLINEのCRM施策をご提案。

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