ネットショップ運営の完全ガイド。仕事内容や必須スキルとは

ECのミカタマーケティング部

ネットショップの運営には課題がたくさんあり、一筋縄ではいきません。

この記事では、ネットショップの運営で失敗しないよう、必要な知識やスキル、仕事内容について解説しています。これからネットショップを運営していきたいと思っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

データでみる「ネットショップ運営」

まずはネットショップ運営の全体像を説明します。そもそも成功させやすいのか、将来性はあるのか、事実から確認しましょう。

ネットショップの成功率・廃業率

「何をもって成功とするか」が非常に難しく、ネットショップの成功率のデータを出すことはできません。

しかし、ネットショップは実店舗を構えず、家賃や人件費も小さく始められるため、ビジネスとしてのリスクは非常に低いといえます。

また、「今更ネットショップを始めても、競合が多いからすぐに潰れる」、つまり廃業率が高いという意見がありますが、それは事実とはいえません。

東京商工リサーチが調べた結果によると、たしかに無店舗小売業(ネットショップのほか、テレビショッピングや産地直送など)の倒産件数は年々増加しています。

東京商工リサーチのデータを元に作成

しかし、ECモールの出店数データなどからは、ネットショップへの参入が毎年増え続けていることがわかります。

むしろ、2020年以降のコロナ禍ではネットショップの需要が高まったため、倒産が減少しているようにもみてとれます。

新規参入する人が年々増えていて、それに伴って廃業が増えているだけだと推測できるため、廃業率が高いわけではないと考えられます。

ネットショップの将来性

ネットショップ市場は直近でやや鈍化しているとはいえ、右肩上がりで成長し続けています。成長市場なので、将来性はあると考えてよいでしょう。

参照:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

ネットショップの利用世帯も、年々増え続けています。

参照:令和3年版 情報通信白書|オンライン消費の増加|総務省

コロナ禍を経て多くの人の生活スタイルが変化し、ネットショップを使う割合が高くなっています。この傾向が続くようであれば、将来性に期待してよいでしょう。

ネットショップ運営の仕事内容

ネットショップの運営には、さまざまな業務があります。

主な業務は、以下のとおりです。

1.商品企画

2.仕入れ / 製造

3.出品/商品登録

4.集客 / プロモーション(宣伝)

5.受注 / 発注

6.顧客対応

7.在庫管理

ここからは、仕事内容について詳しく解説していきます。

詳しくは後述しますが、すべての仕事を自身で行うのが困難な場合は、外部に業務を委託するという選択も一つの手です。

1)商品企画

まずは、ネットショップで売る商品を考えます。

勘に頼って「なんとなく売れそうな商品」にするのではなく、需要やトレンド、競合、利益率などをリサーチしたほうが、成功する確率は高くなるでしょう。

2)仕入れ・製造

販売する商品を準備します。

ネットショップの販売は自分で製造したものでなくてもかまいません。むしろ最近は、海外などから商品を仕入れて販売する事業者のほうが多数派です。

主な仕入れ先は、下記4つです。

  • 仕入れサイト(卸サイト)
  • 生産者やメーカー
  • 卸業者
  • 展示会などのイベント

運営するネットショップのコンセプトや扱う商品の特性によって、適切な仕入れ先が異なります。仕入れルートの確保は重要なプロセスなので、慎重に選択しましょう。

3)出品・商品登録

ネットショップに登録するための作業です。

商品の写真を撮ってアップロードし、説明の文章を添えましょう。顧客は実物を手に取って見ることができません。写真と説明が商品を選ぶ基準になります。

魅力的な商品の写真と、お客様のニーズに合わせた文章が、ネットショップの成功には不可欠です。

4)集客・プロモーション(宣伝)

ネットショップを開業しただけでは誰もサイトに訪問してくれません。

ネットショップの主な集客の方法は以下の通りです。

  • SNS運用
  • インターネット広告
  • SEO対策

時々、ECサイトを開設したらすぐに人が来ると勘違いしている人を見かけますが、そんなことはありません。コストをかけて露出を増やし、顧客を獲得しましょう。

適した集客手法は運営するネットショップによって違うので、戦略的に施策を打つ必要があります。

5)受注・発送

注文・決済が完了したことを確認したら、商品を梱包し、作成した送り状(伝票)を貼り付けて、配送業者へ依頼します。

梱包の丁寧さや発送のスピードは顧客満足度に直結し、リピートにつながる大切なポイントになるので、ぬかりなく行える体制を作りましょう。

なお、注文時のサンクスメールや、発送後のお荷物番号を記載したメールなどは、システムによって自動で送られるようにしておくことが多いです。

6)顧客対応

顧客対応の主な内容は主に3つです。

  • 受注前の商品の問い合わせ
  • 支払い方法や配送について
  • 不良品などのクレーム対応

そのほかにも返品対応や、配送時にトラブルがあった場合は対応する必要があります。

7)在庫管理

ネットショップ運営に欠かせないのは在庫管理です。

過剰在庫だと、場所を圧迫するだけでなく、消費期限のある食品類や経年劣化しやすい商品は廃棄につながるおそれがあります。だからといって、ギリギリの数量しか仕入れをしないと、在庫切れが頻繁に起きてしまい、機会損失を招きます。

売上と在庫のバランスを見つつ、顧客のニーズをしっかり把握して、在庫管理を行いましょう。

ネットショップ運営に求められるスキル

ネットショップを運営する上で必要な資格はありません。ただし、中古品や食品など、販売する商品よっては許可や資格が必要なものもあります。

しかし、あると役立つスキルはたくさんあります。

  • Webマーケティング
  • ライティング
  • 写真撮影・加工
  • 梱包

ECサイト(ネットショップ)は技術の進歩に応じて著しく変化する業界です。成功の秘訣は、変わりゆくトレンドや、アップデートに置いていかれないよう学び続けることかもしれません。

Webマーケティング

新規顧客やリピーターを増やすためには、ネットショップに適したマーケティング施策が必要です。

  • InstagramなどのSNS
  • ブログなどのメディア運営(SEO)
  • Web広告
  • メルマガやLINE

コンテンツを活用して、集客やリピートにつなげていきます。

ライティング

文章を書くスキルは、商品説明や顧客対応をする上で必要なスキルです。どんなに良い商品でも、その魅力が伝わらなければ意味がありません。

また、問い合わせ対応の文章が幼稚だと「このお店大丈夫かな……」と顧客を不安にさせてしまいます。ライティングに不安がある方は文章構成ツールを使用したり、AIを効果的に使ったりして質を高めるようにしましょう。

写真撮影・加工

ネットショップにおける商品の写真は、売上に直結すると言っても過言ではありません。

顧客は直接商品を手に取れないので、写真の印象で商品に興味を持ちます。そのため、商品が魅力的に見えるような写真を撮る必要があります。

写真を撮る際の光の当て方や構図、背景や小物での演出などさまざまなテクニックを駆使しましょう。

梱包

売れた商品は、破損なく適切な状態で顧客の手元に届けなければいけません。商品の種類や大きさにより梱包方法を変えて、大切な商品が無事に届くよう、適切に梱包することが大切です。

ネットショップ運営は「儲からない」は本当?

ネットショップに限らず、多くのビジネスは計画的に運営し、それがしっかりとハマれば儲かります。

ネットショップでの成功のために意識したいポイントの1つが「利益率」です。利益率とは、売上金額に対する利益の割合のことをいいます。

利益率の計算方法は以下の通りです。

利益 = 売上金額 - (仕入金額 + 梱包資材やシステム手数料など)

利益率 = 利益 ÷ 売上金額 × 100

主な運用コスト

  • 梱包資材
  • 商品代金(製造なら材料費)
  • ECサイトシステム手数料(決済手数料など含む)
  • 諸経費(領収書の印刷やショップカード、通信費など)

例)売上金額1000円の場合

  (仕入金額500円、梱包資材50円、システム手数料10%)

  ・利益

  1000-(500+50+100)=350

  ・利益率

  350÷1000×100=35

 

  A.利益率は35%

実際に儲かっているネットショップの決算書をみてみると、利益率のほか、欠品率や需要予測、広告比率ROAS(広告費用回収率)などをコントロールし、利益を最大化していることがわかります。

ネットショップが軌道に乗るまでの道筋

ネットショップを開業してしばらくは、どうしても売上が伸び悩みます。少しずつ新規顧客を獲得し、次第にリピーターを増やして軌道に乗せていくのが一般的です。

開業当初は広告を駆使して、お金をかけて新規顧客を獲得するのが有効な手段でしょう。リピートや良い口コミにつなげることができれば、広告費で利益が出なかったとしても中期的にはプラスです。

SNSやブログなどのコンテンツ運用はキャッシュアウトがないので手を付けやすいですが、成果が出るまでに時間がかかります。

1つの戦略として、広告で素早くサイトを露出させつつコンテンツをじっくりと仕込み、長期的に高利益体質のネットショップを作るアプローチは有効です。

ネットショップ運営者の体験談・口コミ

実際のネットショップを運営者は、どのように感じているのでしょうか。「売れた」「リピートしてもらった」という体験談や、「運営が辛い」「忙しい」といった口コミをまとめました。

実際に「売れている」声

"たくさんご注文いただき、本当にありがとうございます!
リピートしていただいている方もいらっしゃって…本当に嬉しいです。
商品到着までもう少しお待ちください。
まだまだご注文お待ちしております!"

送料無料キャンペーンを行ったり、ほぼ毎日コーヒーのポストをしたり、SNSをじょうずに活用している様子がうかがえます。

"お菓子屋さんをオープンして3ヶ月が経ちました。
たくさんのお客様に利用していただき、驚きと喜びでいっぱいの3ヶ月でした。
これからも自分のペースでのんびりとやっていきます。
今後ともよろしくお願いします!"

お菓子屋さんをオープンして3カ月ですぐに完売するお店になったようです。開業歴は関係なく成功できることがわかりますね。

"自分で作ったネットショップから商品が売れた!
ECサイトを作って、商品価格を設定、質問・発送メールのやり取り、発送業務、Google広告の出稿もすべて自分でやりました。 これなら売れるって自信はあったけど、実際に売れるとすごくうれしい!
あと、購入後のアンケートと、メルマガ送るよ~!"

ECサイトを制作しただけではなく、価格設定から発送業務までご自身で行われているのがわかります。そのほかにも、Google広告やメルマガ配信などのマーケティング施策を立てているようです。

「きつい」「大変だ」という声も

"今月も休みないかも。コロナ禍で売り上げ落ちたからってネットショップ立ち上げたけど、こんなに忙しいならやめておくべきだったか。"

ネットショップは24時間注文や問い合わせが入る状態です。また、商品が売れた後にも業務が生じるので(梱包や発送メールなど)忙しくなり休みが取れなくなってしまったのかもしれません。

"オープンしたネットショップ、閑古鳥が鳴いてる。つらい。"

ネットショップをオープンしたが、なかなか波にのれなくて辛いというポスト。やはり軌道にのるまでは精神的につらいことがうかがえます。

"ネットショップの立ち上げって大変だな〜。自分ではWEBデザインとか一切できないから、いろいろと外注しないとけないだろうけど、どうなることやら。"

サイトは作ってもらおう、集客について相談しようなど、人に頼りながら成功を目指すとよいでしょう。

ネットショップ運営はコンサル会社への相談もおすすめ!

ネットショップ運営にはさまざまな知識やスキルが必要です。すべてを自分で行うのが難しいときは、ネットショップの運営を代行会社に委託するという方法もあります。

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ECのミカタマーケティング部