楽天のラクマにAI「もしコレ!」導入。その意図は?

ECのミカタ編集部

楽天フリマアプリに、AI技術導入

 楽天株式会社(以下、楽天)は現在、積極的にAIの導入をしている。AIと言えば、消費者に快適な買い物体験をしてもらうようなWeb接客ツールなどを想像する人も多いのではないだろうか。しかし楽天のAI活用は、他社と違った印象だ。

 例えば、昨年から提供されている「ページ診断サービス」。AIを取り入れることによって、消費者が商品ページのどこの部分に興味を示しているのかを、ECサイト側は知ることができる。そしてその情報を基にして、コンバージョンを上げていくためにどうページを変えていくかを指導する。

 このサービスは消費者ではなく、EC事業者の利便性を考えてAIの機能を導入しているのだ。
 
 そして今回、楽天が提供するフリーマーケットアプリ「ラクマ」において、AI機能「もしコレ!」の提供が始まった。このサービスも消費者の目線ではなく、出品者目線で便利になるサービスである。

 「もしコレ!」とは、ラクマで商品を出品する際、入力が必要な商品カテゴリーを画像から自動判別し、出品者に提案する機能である。そしてカテゴリーは、商品画像に適合する可能性が高いものが最大5つ表示される。この機能により、推奨カテゴリーを参考にすることで、出品者は商品カテゴリーを自分で見つけ選択する必要がなくなる。そのため、出品の際の時短になるのだ。

フリマアプリの差別化、楽天の意図は?

フリマアプリの差別化、楽天の意図は?

 「もしコレ!」の実現には、楽天技術研究所が大きく関わっている。

 この機能の要とも言える画像の判別には、楽天技術研究所の画像認識技術を使用。AI技術の深層学習を活用し、ラクマにて過去に似た色を選んだり、近い体系のアパレル商品を選んだ人のデータを蓄積し、学習している。そして商品画像データやカテゴリー分類の紐づけデータから、推奨のカテゴリーを決定。出品者へ自動で提案する。

 今後は、さらにデータを蓄積していき、出品者の利用状況に合わせて改善して、精度を高めていく方針だ。

 実はこの機能、7月20日に開催された「楽天EXPO」にて、代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏によって発言されていた。ラクマは「もしコレ!」というAIを導入することによって、他社のフリマアプリとは違った一面を見せている。現在フリマアプリ市場は競争が激しくなっており、そこでAIを活用することで他社との差別化を図る意図なのだ。

三木谷氏が自ら語る。楽天がAI導入に積極的な理由とは?


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