急成長するAI市場。ECへの影響と楽天の活用例

ECのミカタ編集部

【参考調査資料】

・米国コロラド州の調査会社Tractica LLC.(以下、トラクティカ社)「世界での人工知能による収益調査」
(トラクティカ社出版レポート「人工知能 (AI) 市場予測27業種における機械学習、深層学習(ディープラーニング)、自然言語処理、コンピュータビジョン、機械推論、 強いAI - 個人、企業、政府での191の使用事例」)

・株式会社エルテックス「通信販売事業関与者の実態調査2016」

2025年AIによる収益は○○ドル、AI市場どうなる?

2025年AIによる収益は○○ドル、AI市場どうなる?世界での人工知能(AI)による収益

 人工知能が注目されるようになったのはいつ頃からだろうか。今や人類の様々な職業が人工知能に取って代わられるのではと懸念する声も上がっているほど、人工知能は現代のビジネスモデルを大きく変える次世代のシステムとして注目されている。

 上図を見ると、今回、トラクティカ社は27業種における191の人工知能の使用事例を踏まえ、世界での人工知能による収益が2016年の6億4370万ドルから、2025年には368億ドルに達すると予測しており、人工知能が私たちの生活にとってより身近になる未来がもうすぐそこまで近づいていることを予感している。

 人工知能の技術はEC業界でも活用されており、特に“web接客”は代表的な活用例といえるのではないかと思う。一括りにweb接客といっても様々で、ECサイトでのクーポン表示やチャットツールの活用など、実店舗と同じようなおもてなしを実現するための施策がweb接客といえるだろう。

 EC事業者はweb接客以外に、今後、人工知能の影響を受けるEC業務にはどういったものがあると考えているのだろうか。

半数が回答。AIがもたらす影響を受けるEC業務とは

半数が回答。AIがもたらす影響を受けるEC業務とは「AI(人工知能)のEC/通販事業への影響」業務別

 また、株式会社エルテックスは「通信販売事業関与者の実態調査2016」にて、EC事業者を対象に「人工知能がECにもたらす影響」を調査した。(上図参照)

 EC業務担当別に「どのようなEC業務に人工知能が影響してくるか」を調査したところ、マーケティングや集客、販売手法に影響があるといった回答が4~5割となった。

 また、情報システム担当者の半数以上(52%)が「人工知能は、今後のECや通販のマーケティングに影響を与える」と考えているのに対し、マーケティング担当者は「集客~広告プランニングや適正配置(49%)」に影響があると考えており、担当業務の違いにより若干の傾向の違いが見られた。

 担当者ごとに回答が異なるという結果をみると、人工知能がいかに幅広く人間の業務を担えるシステムなのかということがよくわかる。

 例えば、楽天株式会社(以下、楽天)の人工知能活用例を見ると、それはweb接客だけに留まらず、CtoCフリマアプリでの商品登録サポートや買う側のメリットだけではないEC事業者側も活用することができる「ページ診断サービス」など多岐にわたる。

 そして、本日8月29日、楽天は自社が展開するCtoCフリマアプリ「ラクマ!」にて、出品用に登録された画像から、商品のカテゴリーを判別し、推奨する機能「もしコレ!」の提供を開始したと発表。

 画像の判別には、楽天技術研究所が開発した画像認識技術を使っており、AI技術のディープラーニング(深層学習)を活用し、これまで「ラクマ」に蓄積されてきた商品画像データとカテゴリー分類の紐付けデータから推奨カテゴリーを決定している。

 このような楽天の活用例を見ると、成長著しいEC業界において、人工知能を導入することはこれから様々なシーンで当たり前になってくるのだと再認識させられる。そしてどのシーンにおいても、利用者に人工知能の違和感を感じさせないことが、上手く活用するコツとなってきそうだ。

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