楽天EXPO潜入!三木谷社長が説く、AIと楽天との関係性

石郷“145”マナブ

三木谷社長が、講演で強調したのは、人工知能

 モールにとっての人工知能ってあるんだな、という印象だ。先ほど、楽天株式会社(以下、楽天)が、東京国際フォーラムで、開催した「楽天EXPO」でのこと、代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏は、思いがけず、講演の中で、かなりの時間を、AIについての話題に割いた。

 AIというと、WEB接客を連想しがちで、例えば、店に入ってきたときに、お客様の動きから、しかるべきタイミングで、クーポンを表示させるなど、といったことが最近のECサイトの中で、話題となっている。三木谷さんが話していたのは、ちょっとそれとは違った印象だった。

 世間でも話題になっているが、楽天でも人工知能に関しての取り組みは積極的で、その拠点を世界5か所に設置している。

特に、画像にまつわる人工知能において、楽天は強みを持っており、フリマアプリ「ラクマ」では、写真を撮影し、アップロードをするだけで、その画像から分析して、その商品に相応しいカテゴリーやジャンルへと浮かび上がらせて、登録しやすくなっているというのだ。そのカラクリは、過去、同じような色を選んだり、それに近い体形のアパレル商品を選んだ人からデータを学習し、それに見合った切り口を、自動的に提案してくれるというわけだ。激戦のフリマアプリ市場において、ラクマは人工知能を活用することで、他のアプリとは差別化を図ろうというわけである。

モールならではのAIの活用法

モールならではのAIの活用法

人工知能といえば、買う側のメリットを連想するが、そこにとどまらないところが、新鮮に感じた。

 また、楽天は、昨年から「ページ診断サービス」を開始しているが、ここにも、しっかり人工知能が生かされていることを、三木谷氏は触れている。人工知能を取り入れることにより、ページのどの部分にお客様が興味を持っているかを指し示し、ページをどう変えていくかで、コンバージョンを上げる方法を指南をする。現在、このサービスも100店舗ほどが取り入れているが、今後、いろんな店舗にオープンにしていくという。

 ネットショップ自体が人工知能を取り入れる事例にとどまらず、楽天市場が20年の時をかけて、複数店舗の情報を蓄積し、もち合わせてきた、その情報を人工知能に生かして、コンサルタントに生かすあたりが、モールならではの人工知能の活用の仕方といった風で、三木谷さんの講演で感じるところがあったのは事実だ。

 楽天EXPOで、三木谷さんが示した未来は、ある意味、モールに関わる人たちにとっての未来でもある。これから、ネットショップをやっていく上で、モールの活用の仕方そのものが、この技術の革命とともに、かわってくるかもしれない。変わりゆくECの姿を思い浮かべ、胸が高鳴る。店舗の夢を背中に乗せて、羽ばたく。イーグルのように。

上級執行役員 河野 奈保氏による「楽天EXPO 2016 戦略共有会」はこちらから


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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