10代に10万円以上の被害も!8月度ネット詐欺調査【BBソフトサービス調べ】

ECのミカタ編集部

 BBソフトサービス株式会社が毎月出している「インターネット詐欺リポート」。7月度は、ヤミ金融業者が海外のウェブサーバーを使用し、頻繁にドメインや事業名を変更しながら集客を行っているなどの消費者金融サイトの詐欺が多発していた。それに続く8月度はどのような結果となったのだろうか。

「ワンクリック詐欺」を7割以上が経験

 8月度の総検知数は193万1,530件であり、前月比2.7%減少となった。種類別構成比は、ワンクリック・不当請求詐欺サイトが80.00%(前月比0.61ポイント減)、フィッシング詐欺サイトが14.17%(前月比0.33ポイント増)となった。また、マルウエア感染サイトが1.10%(前月比0.07ポイント減)、ボーカスウエア配布サイトが3.40%(前月比0.36ポイント増)、ぜい弱性悪用サイトが1.33%(前月比0.01ポイント減)という結果が出た。

 被害に遭った、あるいは遭いそうにあった詐欺の種類は、主に金銭の搾取を目的とした「ワンクリック詐欺」が圧倒的に多く、7割が経験していることが判明した。次いで、IDやパスワードなどの個人情報の搾取を目的とした、発信元を偽装したメール、SNS、ネット通販詐欺が多発している。この他にもクレジットカードや電子マネー、端末のデータを人質に取るランサムウエア、ネットバンキングなど、犯罪者側の手法も多様化している実態が明らかとなった。

危険を感じない広告やサイトでも要注意

危険を感じない広告やサイトでも要注意

 被害金額を年代別にすると、10代でも13.3%が「10万円以上」と高額の金銭被害があったことが判明した。利用していた端末は約7割がスマートフォンとなっており、サイトの全体像を確認してから購入していなかったことも想定される。なお、学生などの未成年が高額商品を購入する際は両親に振り込みを頼む場合も多く、両親がサイトの確認を怠って詐欺に遭うケースもある。

 インターネット詐欺に遭った経緯は、「不正な広告」が31.7%と最も多かった。その他にも「検索やリンクから自分で探してたどり着いたサイトだったから」、「送られてきたメールのリンクや添付ファイル」なども要因として挙げられる。一見、危険を感じることのない普通の広告やサイト、リンク先をアクセスした結果が実は詐欺サイトだったことが多いようだ。

 なお、この結果から、悪意のある事業者が積極的にコストやリソースを割いて、DSPなどのネットワーク型広告やSEOに力を入れていることが明らかだ。

1度被害に遭うと用心深くなる傾向に

1度被害に遭うと用心深くなる傾向に

 詐欺に気付いた時の対応は「メールでサイトの運営者に問い合わせした」が18.3%と最も多かった。次いで「運営会社の社名や記載住所を調べた」(11.7%)となっているが、電話で問い合わせたユーザーは9.4%とメールの約半分となっている。また、「問い合わせも相談もしない」が37.2%と被害を放置するユーザーも存在するようだ。

 特に問い合わせもせず誰にも相談しなかった理由を尋ねると、約半数となる47.8%が「色々と聞かれるのが面倒だった」と回答した。次いで「家族や知人に知られたくなかった」が20.9%となった。

 被害に遭った後の行動に関して、「(不用意に)メールのリンクをクリックしないようにする」が51.1%と半分以上が回答した。それ以外にも「手口を勉強する」(31.1%)、「決済の前に業者の情報を調べる」(22.8%)が続いた。その中でも「特に何もしていない」と回答した人は16.1%に留まり、被害に遭ったことで用心深くなり、思考に変化が起こった詐欺被害を未然に防ぐために何かしらの対策をしていることが明らかとなった。

 今回の結果では、10代の若い層が狙われていることが判明した。スマホ利用率が高く、詐欺などに対する知識がまだ不十分なことの多い10代は、狙いやすいのかもしれない。そういった10代ユーザーを詐欺から守るために、詐欺の実態をサイト上やメルマガ等で伝え続けることなのしかないのかもしれない。

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