LINEがネットショッピングの場に?顧客満足度向上へ

ECのミカタ編集部

株式会社メタップス(以下、メタップス)のグループ会社である株式会社SPIKEペイメントは、スマートフォンで利用されるメッセージアプリ上でオンラインショッピングが行える「SPIKEチャットペイ」の提供を開始した。

コミュニケーションツール「チャットbot」に注目が集まる

 2016年にLINEやFacebook Messengerに代表されるメッセージアプリがAPIの提供を開始した。これにより、botによる対話を可能にしたサービスが多数の企業により相次いでリリースされ、スマートフォン上でのコミュニケーションビジネスの可能性が拡大している。

 特に、メッセージアプリ等のチャット形式のサービスにおいて、ユーザーの話しかけに対し、それを呼応する内容を自動で返信し、コミュニケーションを行うことを可能にするプログラム「チャットbot」に注目が集まっている。

 この状況を受け、メタップスは、スマートフォンアプリの分析ツールの開発・運営により蓄積されたデータ解析の技術と、SPIKEペイメントが展開するクレジットカード決済の実績を活かし、「SPIKEチャットペイ」を開発した。

 「SPIKEチャットペイ」とは、ユーザーがLINE等のメッセージアプリ上で、自動応答によるメッセージのやりとりにより、簡単に買い物ができるサービスである。さらに、企業がもつユーザー情報と連携させることにより、メッセージアプリ上でクレジットカード決済を行うことが可能となる。

「SPIKEチャットペイ」の初導入先は大手ガス会社

「SPIKEチャットペイ」の初導入先は大手ガス会社

 「SPIKEチャットペイ」は、ECに加えてメッセージアプリ上をオンラインショッピングの場にすることができ、さらに自動応答により、業務の自動化とオペレーションの効率化を図ることが可能だ。その他に、LINEやFacebook等のアカウント上で、プロモーションから購入に直接促すこともできる。

 なお、ユーザーは「SPIKEチャットペイ」を利用することにより、普段から利用しているメッセージアプリ上でより身近にオンラインショッピングを楽しむことができる。また、ユーザーとの接点を取りこぼすことなく、スムーズに購買へ繋ぐことができることが魅力だ。

 「SPIKEチャットペイ」の最初の導入先は、大手ガス会社の日本瓦斯株式会社であり、ガス業界初、LINEによるガス器具の販売を10月から開始する。ユーザーは、LINEのチャットボットを通して、ファンヒーター等の器具を注文し、決済情報を入力することで、スマートフォンのみで注文から決済まで完結できるようになる。

2018年末には、SNS利用者が74,7%に

 ICT総研株式会社が実施した「最新SNS調査」によると、2016年末にはSNSの利用者数は6,872万人、ネットユーザー全体に占める利用率は69.3%となると予想している。また、このまま普及が進めば2018年末には利用者数7,486万人、ネットユーザー全体に占める利用率は74.7%に達する見通しだ。

 「人とのコミュニケーション」の目的としたSNSの利用は、LINEが72.1%と最も利用されており、次いでTwitter(40.8%)、Facebook(36.1%)と続いた。昨年と比較すると、LINEの利用率が向上している。

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 現在、LINEは「コミュニケーションツール」としての認識が高いが、今回の「SPIKEペイメントチャットペイ」の登場により、コミュニケーションツールだけでなく、オンラインショッピングの場として広まっていくことも考えられる。従来の形に捉われず、ユーザーの満足度を向上させるために、ユーザーが最も利用しやすい形でショッピングの場を提供することが大切だ。それがユーザーの心を掴むことに繋がるだろう。


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