AIが人間を超える?「AIアナリスト」の成果率60%に

ECのミカタ編集部

近頃、注目を集めている「AI」。時には、人間の代わりとなって作業をこなす。実際には、その成果はどれくらい出ているのだろうか。株式会社WACULが提供する「AIアナリスト」による調査結果を基に解明していく。

低価格で大量データの分析、課題発見、改善案まで行う

 株式会社WACUL(以下、WACUL)が提供するWebサイト分析の人工知能「AIアナリスト」では、人工知能の改善提案を一度でも実装したWebサイトのうち成果が出た案件の割合が60%に達した。通常のWebサイトの分析・改善提案を人間が行うとその成果達成の割合は30%程度であり、人工知能が人間の提供するサービスを上回る成果を上げている。

 「AIアナリスト」とは、Google Analyticsのアクセス解析データと連携させた大量のデータを人工知能が分析、課題発見、課題ごとの改善方針提案まですべて自動で行うサービスである。中小企業経営者や企業のWeb担当者の「Web専任の担当者をおく予算がない」、「Webサイトのデータはとっているけど、どう使用していいのか分からない」といった悩みに対し、「データの“わかる化”で意思決定を簡単に」をビジョンに、月額4万円からという低価格でサービスを提供している。

 WACULではかつて人的な「成果コミット型」のWebコンサルティングサービスを提供していた。しかし、優秀なWebコンサルトの分析・提案・実装をもっても、その成果達成率は約30%にとどまっていた。そういった中、Webコンサルティング時代の知見を用いてWebサイト分析の人工知能「AIアナリスト」を開発。時間のかかる分析作業などを機械に任せることができるようになり、人的に作業を行った場合に比べてその工数を約5日分短縮することが可能となった。

AIがECで活躍する場所

 EC上で「AIアナリスト」のように日常業務を手伝うAIの存在も増加しつつある。その1つがチャットボットだ。ユーザーがECで買い物する際に質問等がある場合は、チャットボットを利用して運営者に質問を投げかける。メールとは違い、返信のスピードが速いことが特徴だ。

 そのチャットボットにもAIは活躍している。アスクル株式会社が運営する「LOHACO」では、テキストベースのチャット形式でユーザーの問い合わせに回答する人工知能型(AI)チャットボット“マナミさん”をサイト内に導入した。このマナミさんの登場により、24時間365日問い合わせに対応できるようになった。

 2014年9月にマナミさんを導入後、徐々にマナミさんで対応する問い合わせが増えており、全問い合わせの3分の1をカバーしている。これをオペレーターで対応したことを仮定すると、6.5人分(アスクル試算)の省人化を実現していることとなる。さらに、ユーザーからも「回答について適切である」と高評価だ。

 ECを運営していく中で、成長とともに作業は煩雑化、かかる時間も増えていき、手が回らない箇所も出てくる。特にサイトの分析や問い合わせ対応には、手間も時間もかかりがちだ。そういった時こそ、AIの出番とも言える。「AIアナリスト」が60%の成果を上げたり、マナミさんのように6.5人分の省人化を実現したりと、AIの活用による効果が実際に見え始めている。人間の力とAIの力が合わさるからこそ、ユーザーが満足する理想のECに近付けるのではないだろうか。


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