世界初、最適な〇〇〇をAIでレコメンド？

　株式会社ジェイアイエヌは、2016年11月11日より、アイウエア業界で初めて人工知能による機械学習を取り入れたメガネのレコメンドサービス「JINS BRAIN（ジンズ・ブレイン）」の提供をJINSオンラインショップ及び全国のJINS店舗にて開始することを発表した。

新たな商品購入体験の提供

　JINSは2007年、本格的なメガネのECサイト「JINSオンラインショップ」を立ち上げ、それまで困難とされてきた「メガネを通販で買う」という新しい購入体験を提供してきた。また、メガネの試着やスタッフによる接客といった、「リアルな店舗と同様のサービスを提供できない」という課題に対して、2016年3月には日本で唯一のメガネの高精度3D試着サービス「JINS VIRTUAL-FIT」を開始した。このサービスは、専用のアプリで顔動画を撮影し、JINSのメガネを自分の顔で試着可能というものであった。

　そして今回、次なる購入体験として、アイウエア業界では世界初の人工知能（AI）による機械学習を取り入れた商品レコメンドサービス「JINS BRAIN」の提供を開始するのである。

　これまでにも世の中にはお勧めのメガネを提案するサービスはあったが、あくまで顔型をベースにした簡易的な判定に留まっていた。一方、「JINS BRAIN」では、独自の画像評価システムを開発し、実際にJINSスタッフ約3,000人がのべ60,000枚に及ぶ画像データを評価することで、JINSオリジナルAIでの判定を実現する。例えば、上画像にあるように、AIが実際にメガネをかけた人の顔画像から、メガネがどれだけ似合うかスコアとして算出するのである。

　つまり、クラウド上に「JINS BRAIN」を配置することで、いつ・どこにいても、パソコンやスマートフォンから手軽にAIによるメガネのレコメンドサービスを受けることができるのだ。また、「JINS BRAIN」では、男性・女性それぞれのスタッフが評価を行って作成されたAIがあるため、男性型・女性型の異なる感性のAIでスコアの算出が可能となっている。そして、将来的には評価するセグメントを変えれば、子供型、外国人型など、それぞれの趣味嗜好に応じたAIの展開も可能になるようだ。

オリジナルAIを作成する

　さらに、「JINS BAIN」では、JINSスタッフによる商品のレコメンド機能とは別に、ユーザー自身でオリジナルAIを作成できる機能も搭載されているようだ。上画像にあるように、画面上に表示される複数枚の人物の顔画像を「似合わない」「あまり似合わない」「少し似合う」「似合う」の4指標で評価し、人工知能の学習率を上げていくことで、誰でも簡単にAIを作成することが可能となっている。

　そして、作成したオリジナルAIを用いて、友達や家族のスコアを判定することや、逆に友人や家族のAIにより、スコアを判定してもらうこともできるなど、様々な用途で「JINS BRAIN」を活用できるのだ。また、AIはSNSなどでシェアすることも可能で、身近にいない人や気になる人など、様々なAIを用いながら目的に合わせたメガネの購入をすることもできる。

AIが秘める可能性

　AIの発達により、まるで人のような接客が可能になったり、実店舗に出向くことなく最適な商品を選べるようになったりしている。さらに、今回紹介したJINSのAIは、SNSなどでシェアすることも可能ということで、さらなる広がりが期待できそうだ。

　より多くの人の趣向を集約したAIや個人の趣向に対応したAIを利用することで、AIが様々な商品を各個人に適した形でレコメンドするような時代が到来する日も近いのではないだろうか。生活を豊かにしながら、ECに新たな可能性をもたらすであろうAIのさらなる活躍に期待したい。