ディー・エヌ・エー、平成29年3月期第3四半期決算発表

ECのミカタ編集部

株式会社ディー・エヌ・エー(以下、ディー・エヌ・エー)は、平成29年3月期 第3四半期決算を発表した。

第3四半期連結累計期間の売上収益は前年同期並みに

 第3四半期連結累計期間において、売上収益は、前年同期並みとなった。ゲーム事業は前年同期比で減収となるが、新規事業・その他及びスポーツ事業が増収。売上原価・販売費及び一般管理費は、合計、前年同期比で若干の減少となった。IP(知的財産)の活用に関連した支払手数料及び広告宣伝費等が減少した。

 その他の収益は、6,336百万円(前年同期比302.3%増)。平成28年12月28日付で行った「DeNAショッピング」及び「auショッピングモール」の名称で運営してきた事業をKDDI株式会社に譲渡したことに伴う譲渡益を計上している。

 その他の費用は、6,523百万円(同63.5%増)。平成28年12月5日に開示したとおり、新規事業・その他に属するキュレーションプラットフォーム事業において、全てのサービスの記事を非公開化しており、当該事業の事業計画等が未定であることから、関連するのれん等の減損損失をその他の費用に計上している。また、DeNA Global, Inc.等の欧米のゲーム事業に関わる海外子会社の解散・清算に伴い、関連するソフトウェアの除去や拠点閉鎖に伴う諸費用が発生した。

 親会社の所有者に帰属する四半期利益は28,803百万円(同244.5%増)。上述のとおり、欧米のゲーム事業に関わる海外子会社を解散し清算することを決議しているが、その進捗に伴い、過年度のディー・エヌ・エー単体決算において計上した関係会社株式評価損に係る繰延税金資産を計上しており、法人税等調整額を通じ、親会社の所有者に帰属する四半期利益を押し上げた。

 決算の結果を整理すると、売上収益は108,720百万円(同0.0%増)、営業利益は18,663百万円(同27.1%増)、税引前四半期利益は20,980百万円(同29.9%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は28,803百万円(同244.5%)となった。

EC事業と新規事業・その他の売上収益の詳細

 EC事業の売上収益は14,698百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は1,394百万円(同27.0%減)となった。取扱高が成長基調にある旅行代理店サービスや、決済代行サービスは堅調に推移したが、オークションサービスは利用減少等により前年同期比で減収となった。

 新規事業・その他の売上収益は8,371百万円(前年同期比121.3%増)、セグメント損失は3,614百万円(前年同期は3,678百万円の損失)となった。当区分には、キュレーションプラットフォーム事業、IP創出プラットフォーム事業、ヘルスケア事業、オートモーティブ事業等を含んでいる。そのうち、第3四半期連結累計期間のキュレーションプラットフォーム事業の売上収益は3,689百万円、営業損失は1,687百万円だったが、平成28年12月7日以降、運営する全てのサービスの記事を非公開化している。

 昨年にかけてキュレーションサイトに対する人々の関心が高まっていたが、情報に対する、その姿勢と体制により、信頼が低下した。しかし、ディー・エヌ・エーの決算を見ると、キュレーションプラットフォーム事業の売上収益で、一定の反響が得られており、それだけに、この展開は残念だ(※)。

 また、EC事業においても売上収益は、前年よりも増加しており、ただ、この「DeNAショッピング」及び「auショッピング」が平成28年12月28日付でKDDI株式会社に譲渡した。同社の収益に少なからず影響がある事業がなくなっていく中で、ディー・エヌ・エーは、今後、どう発展していくのか。おそらく、今後の動きに注目が集まることだろう。

※キュレーションプラットフォーム事業の売上収益は36億円。結果的には、営業損失は16億円となっている。

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