トランスコスモス、IBM Watson向けの知識ベースを提供

ECのミカタ編集部

 トランスコスモス株式会社(本社:東京都渋谷区)は、長年にわたり企業と顧客のコミュニケーションを支援してきた。その知見を活かして、IBM Watson向けの「知識ベース」を提供していくことを発表した。
 コールセンターやFAQサイトの設計・構築、ソーシャルメディア運用などについて、培ったノウハウをあらかじめ学習させることで、幅広い顧客企業に対してIBM Watsonの導入・運用を支援していく。

 データベースなどで管理しにくく、人間が見ても意味を読み取ることは難しい「非構造化データ」。それを、自然言語処理・機械学習によって大量に処理することで、本質を明らかにするテクノロジー・プラットフォームが「IBM Watson(ワトソン)」だ。

 IBMは、ワトソンを「コグニティブ・コンピューティング・システム」として定義している。これは人間の知識を拡張・増強するものであり、「自ら決断を下す」というよりは「人間の意思決定を支援する」ことがその役割となる。
 また、IBM Watsonを活用したコグニティブ・ソリューションを構築する際、最初はWatsonに学習させるデータの整備から始まる。

 トランスコスモス株式会社は、企業の「売上拡大」「コスト削減」「グローバル展開」のニーズに対して、優れた人材と最新の技術力を融合したサービスを提供している。
 同社はこれまで、顧客企業ごとに1からデータを整備し、Watsonに学習させてきた。しかし、より短期間で効果的なシステムを構築できるよう、“業界/業種特化し汎用的に活用できる「知識ベース」“の要望が高まっていたという。

 トランスコスモスは、これまで培ってきた知見を活かし、IBM Watson向けに学習済みの「知識ベース」を提供し、日本IBMと協業していくとしている。

幅広い知見をIBM Watson向け「知識ベース」へ

1. コールセンターの台本やFAQサイトの導線設計
 トランスコスモスは長年にわたり、企業と顧客のコミュニケーションを支援している。そのため、コールセンター・FAQサイトの設計において数多くの実績を持つ。これらの実績を基に、業界/業種ごとで標準化したデータを構築する。そしてそのデータは、コールセンターの台本・FAQサイトの設計などに活かされている。
 ワトソンの知識ベースに対してこれを適用することで、高品質なカスタマーサポート・FAQサイトの導線に基づいたわかりやすいコミュニケーション設計が実現する。
 
2. ビッグデータ分析で顧客との関係を最適化
 また同社は、調査・分析に関する子会社「トランスコスモス・アナリティクス株式会社」が導き出した、データマイニング・テキストマイニング・ソーシャルリスニングに関する知見も活用していく。
 具体的には「顧客の声を分析することによるセールストークの強化」、「優良顧客層とのコミュニケーションを分析することによる”勝ちパターン”の設計」を行っていく予定だ。

3. ソーシャルメディア運用で得た、より手軽で楽しいコミュニケーション設計
 さらに、ソーシャルメディア運用の知見からなる、手軽で使いやすく、かつ楽しいコミュニケーション設計を構築していく。LINEやFacebook Messengerといったチャット特有のコミュニケーション文化を踏まえて、専任の支援者がコミュニケーションを設計し、顧客の反応率向上を狙っていく。それとともに、より日常会話に近いコミュニケーションが出来上がる。
 そして、ソーシャルメディア上の商品・サービスに対する意見やキャンペーンの反応、リスクワードなどの収集・分析により得られた知見もふまえた「知識ベース」を構築するとのことだ。

 トランスコスモスには、これまでの経験から裏打ちされた顧客とのコミュニケーションの運用ノウハウがある。それをワトソンに提供することで、今より幅広い業界・業種の顧客に対して、「IBM Watson」の運用支援をしていく。ワトソンによる、さらに最適化されたコミュニケーション運用が、今後の店舗運営には欠かせなくなってくるだろう。

ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事