ヤマトと京東集団の連携が深化。広がる越境ECのクール便対応

ECのミカタ編集部

 ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区、以下:ヤマトグループ)と、中国最大の小売事業者である京東集団(本社:中国・北京、以下:京東)は、双方が持つ経営資源を活かした広範囲での包括的アライアンスに向けた検討を行うための基本意向書を締結したと発表した。

 中国ECモール大手の京東商城とヤマトが、より深くお互いの業務を進めていくため、両グループ間の協力および包括的アライアンスに向けた基本意向書の調印式を行った。かねてより京東商城とヤマトは連携し、日本からの越境ECをサポートしてきた。今回の発表によれば、両社がより便利且つ迅速なサービスを提供するため、コールドチェーンのインフラ設備とサービス力を強化し、より品質の高いサービスを提供できるようにするのが狙いだという。

 京東商城からすると高品質・高性能な小口保冷輸送ノウハウを持つヤマトと提携することで、よりきめ細かいサービスと新たな商品の提案ができる。ヤマト側から見ると日本と中国間の輸送事業をさらに拡大させるために、中国国内における宅配ネットワーク、日本商品の売り場の確保などが期待できる。

 ヤマトグループは、2010年に上海で宅急便事業を開始後、国内だけでなく小口保冷配送のノウハウや日本におけるブランド力を活かし、中国と日本、アセアン、欧米間のクロスボーダー事業の拡大を進めてきた。すでに京東との連携で中国EC市場に進出する日本企業に向けたワンストップの物流およびマーケティングサービスの提供は開始しており、今回、新たにコールドチェーンのインフラ設備に着手するという形になる。

広がるクール便対応。海を越えても保たれる日本のクオリティ

 この連携が進めば中国に対する越境ECの可能性はさらに大きな広がりを見せるはずだ。やはり世界的に見てもヤマトのクール便対応はずば抜けている。中国だけでなく、すでにアジア圏でもクール便導入の動きは活発に進んでおり、日本の冷蔵商品が海を渡って海外ユーザーの手元にスピードとクオリティを確保しながら届けられる日はすぐそこだ。

 これからますます「国境」という概念が薄まっていく中で、こうした連携や協力は必要不可欠になってくる。インフラが丁寧に整備されることで日本の食文化の浸透や新たな雇用の創出など、良いスパイラルが起こるはずだ。EC事業者としてはこうしたニュースを敏感にキャッチし、正式なサービスのローンチまでにどれだけ準備を進めていけるかが、越境EC事業で成功する秘訣なのかもしれない。

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