Oisix、ローソンと提携で「お料理キット」攻防戦に挑む

ECのミカタ編集部

 本日から株式会社ローソン(以下「ローソン」)が運営するネットスーパー「ローソンフレッシュ」内で、オイシックスドット大地(以下「オイシックスドット大地」)が運営するオンラインサイト「Oisix」で販売している、時短ミールキット「Kit Oisix」の取扱いを開始した。

 この「Kit Oisix」、2013年の発売以来、シリーズ累計出荷数が600万個を突破するなど、非常に好調な様子。

 そこで思い出すのが、7月6日に発表されたアスクル株式会社(以下「アスクル」)とセブン&アイ・ホールディングス(以下「7&iHD」)の業務提供によって誕生する「IYフレッシュ」のニュースだ。

 こちらは、加工肉やカット野菜などのセブンプレミアム商品を組み合わせて調理をすると、新しい料理が作れるレシピや動画を掲載する「キット」のコーナーを作り、そこからそのまま商品を購入できるというもの。

 すでに数多くのお料理キットが販売されていることや、「Oisix」での出荷数やアスクルと7&iHDの新規参入を考えるとこの「お料理キット」にはそれだけの魅力があるようだ。

「お料理キット」が売れる、その背景

 そもそもこういった「お料理キット」を消費者の視点で見ると、その魅力といったら手間を省きながら簡単にクオリティの高い料理を作ることができるという点だ。
 
 その背景には女性の社会進出や核家族化などによる、個人に対する家事負担の増加がありそうな気がするが、実際、女性の労働人口は平成27年からの1年間で41万人も増加している(出典:厚生労働省)のだ。

 家事に掛ける時間を減らしたい一方で、いつも手を抜いた料理を出したくないという思いがある。また、一人暮らしの女性であっても、たまには気合の入ったものを作りたい、そしてフォトジェニックな写真をSNSに投稿したい、というニーズも少なくないだろう。

 もちろん、普通に食材を購入して料理をするよりは割高にはなるが、そこには時間をどうしても短縮させたいという働く女性、または子育て中の女性の姿が浮かび上がる。

”コンビニ”を運営が可能にするオムニチャネル販売

 数々のお料理キットが販売されている中で提携によってより勢いを伸ばそうとする、Oisixや7&iHD。彼らにはさらなる武器があることを忘れてはならない。通販大手での取扱いだけでなく、”コンビニ”というさらに強固な販売拠点を持つという点だ。

 7&iHDとアスクルの取り組みはそもそも既存のセブンプレミアム商品を活用したサービスであるし、「Kit Oisix」も協業の第2弾として今年の秋頃よりナチュラルローソン5店舗で「Kit Oisix」を実験販売する予定だという。
 
 24時間空いているコンビニで食材が買えるのであれば、スーパーの空いていない時間であっても買い物をすることができる。それはコンビニを運営しているからこその強みといえよう。

 消費者のニーズに合わせて発展してきた「お料理キット」。ECの発展とともにどれだけ消費者に浸透していくのか。両者の戦略とともに注目していきたい。


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