ネットプロテクションズが海外での事業展開の第一弾として台湾を選択

ECのミカタ編集部

株式会社ネットプロテクションズ(以下「ネットプロテクションズ」)は、海外展開の第一弾として、初の海外拠点となる「日商恩沛股份有限公司」を台湾に設立し、台湾への本格的な事業展開を開始することを公表した。

台湾向けにローカライズされた後払い決済の開発を進める

Credit Tech(クレジットテック)のパイオニアとして知られる、ネットプロテクションズ社(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:柴田 紳)がついに本格的な海外展開に乗りだす。その第一弾として選んだのは、台湾だ。最初の海外拠点として「日商恩沛股份有限公司」を台湾に設立し、同地域での本格的な事業展開を開始する。

台湾での主な事業展開の概要はこうだ。日本国内において提供している「NP後払い」及び「atone」の仕組みを活用し、台湾向けにローカライズされた後払い決済の開発を進める。

スマートフォンアプリ及びウェブブラウザ上でサービス提供し、当初はECサイトにおける支払いでの利用を想定しているとのこと。ユーザーは、SMS認証のみで、手軽に利用することができ、商品受け取り確認後、コンビニエンスストアや銀行振込での支払いが可能となる。

世界規模で円滑な決済・金融サービスを提供

世界規模で円滑な決済・金融サービスを提供

現在急速に成長するアジアのマーケットだが、同社によれば同地域では、信用情報が不足していることによる様々な障害が発生しているという。政府主導でキャッシュレス化を目指している国が多いものの、クレジットカードやデビットカードの利用率は低く、店舗ユーザー双方にとって負担の大きい現金決済が中心だからだ。企業間決済においてもそれは同様で、請求業務の手間や未回収のリスク、キャッシュフローの不安定さなど、課題は多い。

そこで同社は、創業以来16年間培ってきた個人向け決済サービス「NP後払い」や、企業向け決済サービス「NP掛け払い」の提供を通して蓄積されたノウハウやテクノロジーを活用してその課題を解決すべく乗り出した。

独自の与信ロジックに基づいた未回収リスク管理を実現し、その過程で得られたノウハウ・ナレッジを活かし、世界規模で円滑な決済・金融サービスを提供していく方針だ。また、同社では2013年より海外採用を開始し人材の多様化に力を入れてきたが、海外展開を進めることでグローバルな人材採用や機会創出をさらに加速させ、組織づくりの面においてもアドバンテージを強化する計画となっている。

今後はアジア全体への進出を目指す

台湾におけるEC市場は既に大きく、今後も成長していくことが見込まれており、近年日系企業の台湾進出も盛んになっている。一方で、オンライン決済への不安からクレジットカードの利用率は日本や先進国に比べて低く、商品と引き換えに支払う現金決済の比率が高い現状がある。

一方、台湾財務省主導のモバイル決済「Taiwan Pay」が2017年9月にスタートするなど、国全体でキャッシュレス化の機運が高まっている。このような背景から、同社は、台湾において日本国内でも支持の高い後払い決済を提供し、さらなるEC市場の活性化、ひいてはキャッシュレス化の促進を行うことになる。

さらに同社は、2018年第2四半期を目処に後払い決済の提供を開始し、2020年に流通総額300億円を目指す。台湾をアジア展開の戦略的拠点として位置づけ、今後はアジア全体への進出を目指す計画だ。

成長する越境EC市場と発展する台湾経済。とかく越境ECやアジアでの海外展開では中国に目が行きがちだが、地政学的に近くにあり、議会制民主主義など西側と価値観を共有する台湾は魅力的かつ有望な市場であることは間違い無い。そこへ最初の海外展開の拠点を構築するネットプロテクションズ社の動向は、今後同様の展開をする企業にとってもひとつの指標となっていくことだろう。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事