フリマアプリ・オークションサイトの最新動向は?【MM総研調査】

ECのミカタ編集部

MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)はインターネットアンケート・サービス「NTTコム リサーチ」の会員モニターを使い、フリマアプリ・オークションサイトの利用動向調査を初めて実施、その結果を公表した。

全国の20歳以上1,177人から回答

MM総研インターネットアンケート・サービス「NTTコム リサーチ」の会員モニターを使い、全国の20歳以上の就業者を対象にフリマアプリ・オークションサイトの利用動向調査を初めて実施、回答者1,177人から得た結果をまとめ、その結果を公表した(調査期間は2017年11月29日から12月5日)。以下その内容をみていく。

フリマアプリ・オークションサイトの利用率は?

今回のWebアンケートの結果によると、フリマアプリ・オークションサイトの利用状況は「利用している(購入も出品もする)」が22.6%、「利用している(購入はするが、出品はしない)」が12%、「利用している(出品はするが、購入はしない)」が3.4%で、合計38%がフリマアプリ・オークションサイト利用者(以下、利用者)という結果になった。このうち90%以上のユーザーは購入経験があり、出品のみの利用者は10%未満となっている(図表1)。

図表1

利用状況を年代別で見ると20代が47.6%とトップを占めた。30代になると利用率が10.9ポイントと大きく下がって36.7%になり、それ以降は年代が上がるにつれ利用率が徐々に低下し、50代以上では30.8%で、フリマアプリやオークションサイトがいわゆる「スマホ世代」に広く浸透している姿が浮かび上がった。

購入者側にとっては在庫1点だけのケースが多いため、スマホ経由でタイミングを失わずにすばやく購入(入札)できる。一方、商品を出品する場合もスマホで写真を撮ってそのまま出品できる手軽さが受けている。また、中古品や古着などに抵抗感のない若い世代が増えていることも要因になるだろう(図表2)。

図表2

人気のある商品カテゴリは?

「購入利用している」との回答者に購入品目について聞くと、最も多かったのは「衣類・服飾品」で36.6%、次に多かったのが「チケット・クーポン」23.3%、3位は「コスメ・香水・美容」で15.2%、4位は「タレントグッズ・アニメグッズ」13.3%、5位は「PC・タブレット」12.5%となった(図表3)。

このように「衣類・服飾品」がトップになった背景にはフリマアプリの多くが「ファッションアイテム」に注力していることも後押しとなっているものとみられる。また、2位の「チケット・クーポン」は、ライブやスポーツ観戦チケットなどがメインだが、株主優待券や抽選の応募券、割引チケットなどもある。

3位の「コスメ・香水・美容」で特徴的なのは、使い残しの出品が多いことだ。自分用にいったん買ったものの肌に合わなかったなどの理由から容器に8~9割残っているものを出品するのだという。購入者側も格安のためテスターとして試すケースもあるそうだ。

4位は「タレントグッズ・アニメグッズ」。ジャニーズなどのアイドルグッズによってはプレミア付きで売れることもある。アニメグッズも専用のフリマアプリ(オタマート)があるほどの人気だ。5位は「PC・タブレット」だが、個人間取引であるため故障や機器トラブルなどは別途自分で修理業者を探して対応する必要がある。なお、8位の「スマートフォン」を合わせた「PC・タブレット・スマートフォン」のカテゴリで見ると比率は19.2%となり、ランキングで3位になる。

図表3

もっとも使われているフリマアプリは?

もっとも使われているフリマアプリは?図表4

回答者に利用しているフリマアプリ、オークションサイトを聞いたところ、「メルカリ」が利用率49.0%でフリマアプリの中では1位。利用者の半分がメルカリを利用していることになり、2位の「ヤフオク!(フリマ利用)」と28.4ポイントの大差をつけてのトップとなった。ただし、フリマアプリの利用者281人に限定して、利用しているフリマアプリを聞くと、「メルカリ」が77.9%になり、2位以下との差はより広がる(図表4)。

フリマアプリは、当然といえば当然だが、ユーザーが多いほど、欲しいものが見つかる可能性や出品したものが売れる可能性が高くなる。「メルカリ」はダウンロード数6,000万回(公表値)を超えており、他のフリマアプリと比べて圧倒的にユーザー数が多い。そのことから登録するユーザーも増え、収益も上がるという好循環を生んでいる模様だ。

利用しているフリマアプリ、オークションサイトの2位はヤフオクが2017年2月に開始した「ヤフオク!(フリマ利用)」(20.6%)で、3位「フリル」(17.4%)、4位「ラクマ」(14.3%)、5位「オタマート」(3.6%)と続く。オークションサイトについては、「ヤフオク!(オークション)」(60.9%)のみだったが、フリマアプリが台頭している中でも未だに高い利用率を誇っている。

こうして利用者が増えていく中でフリマアプリ・オークションサイトの競争は激化しており、サービスやプラットフォームによっては明暗が分かれている。たとえば、「ZOZOフリマ」が2017年6月30日に、「LINE MALL」が2016年5月31日に、「楽天オークション」が2016年10月31日にサービスを終了した。もちろんサービス終了に至る経緯にはそれぞれ事情があり、経営資源の集中などさまざまな戦略的判断があることも推察できる。

一方で、フリマアプリ各社が今後、市場で生き残るには、ユーザーに支持されて使われることが必要だろう。そのために手数料の撤廃や特定分野への特化などで各社それぞれ優位性を持たせる施策も重要だ。加えて、個人間取引という事情から発生しうるユーザートラブルについて、どこまで業者側が予防策を用意できるか、起きてしまったときにどこまでサポートができるか、ユーザーが使いやすい環境を整えられるかどうかが今後の成長に大きく影響することになりそうだ。


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