Amazonが2018年第2四半期(~2018年6月30日)の業績を公表

ECのミカタ編集部

Amazon.com(在シアトル、以下「Amazon」)は、第2四半期(~2018年6月30日)の業績を公表した。また今回の発表に際し、該当する期間における同社の広範な事業領域の概況についても説明がなされた。

純売上高は、前年同期比37%増

純売上高は529億ドルだった。前年の同期は、380億ドルで当四半期中の為替相場の前年比変化による好調な影響により、2017年第2四半期と比較して37%増加した。営業利益は30億ドルだった(2017年第2四半期の純利益は25億ドル)。

連結計算書類(単位:百万ドル、1株当たりデータを除く)

連結包括利益計算書(単位:百万ドル)

毎年盛況さを増すAmazonプライムデー

数字の上でもまさに破竹の進撃と言えるAmazonだが、それにはいくつかの要因があったようだ。そのひとつが恒例となった「Amazonプライムデー」だ。Amazonプライム会員は一定の会費を支払うと特定の商品を割引が適用された価格で購入できたり、配送面でより利便性の高いメニューを選択できるほか、Amazonプライムビデオなどコンテンツ配信を定額で楽しむこともできる。

第4回となった今年のAmazonプライムデー(2018年のAmazonプライムデーについて決算資料には実績値としては当然、未反映)は、開催時間も2017年の30時間から36時間に延長されて盛況となった。プライム会員を対象としたAmazon最大のグローバルショッピングイベントであり、今回は1億以上のアイテムがAmazon上で購入され、Alexa Voice RemoteとEcho Dotを搭載したFire TV Stickが最も売れるなどAmazonデバイスの浸透にも大きな役割を果たしたようだ。

そうしたプレミアムは食料品のカテゴリなどにも適用され、Amazonプライムデーの期間中も購入が広がった。Amazonでは、食品市場 「Prime Now」を通じて、迅速な配送を顧客に提供しており、米国の20都市以上に展開している。今回公表された資料でも、こうしたAmazonプライム会員向けのサービスについて日本をはじめとした全世界で拡充させることを明言している。


◆Amazonプライムデー、世界各国で何が売れたのか?
https://goo.gl/sk9Znc

AWSにも注力

AWSにも注力

また同資料では、Amazon Web Services(AWS)についても多くの文言が割かれている。AWSは、Amazonの社内でもITインフラ構築の知見を生かして2006年から広く一般の企業を対象に提供が開始されたサービスだ。AWSは、クラウド技術が基盤となっており、自社でデータセンターにラックなどを確保し、機器や専用回線を契約した上で機器を配置して構築するよりも安価にITインフラを整備できる点に大きなアドバンテージがある。

今回の資料でAWSは、当該四半期中に、いくつかの新しいエンタープライズ顧客を獲得したことを明らかにしている。 またAmazonは、信頼性が高く、完全に管理されたグラフデータベースサービスであるAmazon Neptuneを一般に公開した。 Amazon Neptuneでは、高接続データを効率的に保存してナビゲートすることができ、ミリ秒の遅延で数十億の関係を照会できる洗練されたインタラクティブなグラフアプリケーションを作成できるとしている。

すでに世界中でビッグネームをはじめ、多くの企業のITインフラ構築で実績を上げているAWSだが、今後もAmazonの展開するビジネスの大きな柱として注力していく方針であることがうかがえる。

さらに勢いを増すAmazonエコシステム

Amazonプライムデーでの売れ筋にもある通り、EchoシリーズやFireシリーズといったAmazonデバイスへかなり力を入れている様子が如実に表されている。こうしたデバイスはプライム会員の獲得とあわせてAmazonのエコシステムを強化する重要なアイテム群となる。

AIスピーカーであるEchoを通してAmazonプライムミュージックで音楽を聴き、Fireでプライムビデオを視聴するなど、同社提供のコンテンツの利用が促進されるほか、スマートホームとの融和で、すでに家庭環境そのものにAmazonのエコシステムがシームレスに溶け込みつつある。

こうした未来の生活の在り方を自ら創り出すAmazonは、ECプラットフォームの枠をすでに超えて、カルチャーとライフスタイルを提供する存在として、さらにユーザーとのロイヤリティを確かなものにして行くことになるだろう。そうしたビジョンをはっきりと感じさせる発表となった。


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