ふるさと納税が地方にもたらした影響と今後の自治体の課題とは
株式会社トラストバンクは、1月30日に事業戦略発表会を行なった。最新のふるさと納税事情と、親会社である株式会社チェンジと新たに行う「パブリテック事業」に関して説明がなされた。
ふるさと納税から進化する
これまでにトラストバンクは、ふるさとチョイスの運営を始め、地域共催で行う、GCF(ガバメントクラウドファンディング)など地域が単独で動くのではなく、地域同士が協力し合い、競争ではなく共創することで、それぞれの地域課題を解決することを目指してきた。
その結果、ふるさとチョイスが開始された平成24年のふるさと納税総額が約104億円だったのに対し、平成29年のふるさと納税の総額は3653億円とすさまじい成長を遂げている。様々な企業・サービス・自治体の努力の賜物だ。トラストバンクがもたらした影響も大きいだろう。
そんなふるさと納税もどんどん変化をしている。その中でも、代表取締役の須永氏が感じている変化の一つに「ふるさと納税→EC」の動きがあるという。
その代表例がふるさと納税の業務をスムーズに行うための事業支援として地域商社の存在だ。自治体が担うこともある、地域商社は主に地域の商品をブランディングし、販売促進を進める団体だ。
今まではふるさと納税の支援が主な事業だったが、独自でWebマーケティングを行い、ECとして商品を販売することも多いという。ふるさと納税は雇用創出はもちろん、新規事業、販路拡大など様々な影響をもたらしているのだ。
チェンジと行う「パブリテック事業」
トラストバンクは今後、親会社であるチェンジのノウハウを活用しAI・IT技術を地方自治体に普及させていくとした。日本全体でも人口減少は非常に大きな問題になってくる。都心への人口流出を課題としている地域では今すぐにでも対応していかなければいけない課題だ。
しかし、まだまだ紙文化で煩雑な作業を行なっている自治体は非常に多い。コミュニケーションを行う際にも、電話での直接やりとりがメインで、対応できないから後ほど掛け直すといった対応も目立つという。
このような、地方自治体に対して、チェンジが培ってきたIT技術の活用、そしてIT
を使える人材の教育を行い、業務を効率化し地方の人手不足を解決していくとした
地方が必要としているサービス展開を
AI・ITは確かに多くの人の注目を集めている。しかし、本当に必要としている人達が利用できているのだろうか。職員はどんどん減っている地方自治体。今は順調なふるさと納税も、対応できる職員が現地にいないと運用は難しくなってくるのは明白だ。
トラストバンクはチェンジの子会社として、これからも地方に向けて多角的に支援をしていく。体制は変わっても、目指す理想像は変わらず、「ヒト」、「モノ」、「おカネ」、「情報」をいかに循環させるか。地域課題を解決するプラットフォームとしてトラストバンクは2019年も活動していく。