今までのアパレルにはない「作り手の顔が見える」高機能スーツが販売開始

ECのミカタ編集部

Fit Your Lifeをブランドコンセプトに掲げる、オーダースーツ ECサービス『FABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ)』 (代表取締役:森 雄一郎) は、2019年最初の新商品として、作り手全員の顔が見えるものづくり「FALKLAND TO TOKYO(フォークランド トゥー トウキョウ)」の発売を2月5日より開始した。

同社では今回の発表に際し「フォークランド地方に住む羊毛を刈るところから始まり、インド、日本、と海を渡って旅をしながらお客様の手元へと届けられる過程の中で、生産地の可視化はもちろん、生産者の顔が見えることにこだわりました。FABRIC TOKYOのものづくりの根底にあるD2Cビジネスとも深く関わるトレーサビリティを追求した『FALKLAND TO TOKYO』は、FABRIC TOKYOがお届けする2019年最初の新商品であり、FABRIC TOKYOのものづくりを代表する自信作です」としている。

ついに羊毛牧場主にまで行き着く

FABRIC TOKYOでは、仲介業者をはさまず直接工場とやりとりをすることでコストを抑え良品質な商品を届けるD2Cのものづくりを展開している。日々、工場と直接やりとりが発生するD2Cのビジネスモデルを展開するFABRIC TOKYOだからこそ、究極のトレーサビリティに挑戦できるのではと考えたのが、今回FALKLAND TO TOKYO製作の始まりだという。

トレーサビリティとは、商品の生産過程を可視化することで追跡可能性のことだ。可視化の精度は企業やサービスによって異なり、アパレル業界でも「生地から製品化までの作り手を記載するトレーサビリティ」、「製糸から発送までの工場を記載するトレーサビリティ」など様々だ。今回FABRIC TOKYOは、「今私たちにできる最大限のものづくりの追跡(=トレーサビリティ)」を実現しようと、羊毛牧場の主人まで遡ったのだ。

南大西洋からインドを経て日本へ

南大西洋からインドを経て日本へ

日本の裏側、南大西洋上にあるイギリス領のフォークランド諸島で羊毛牧場を営むブルビーチファームのヒュー氏。フォークランド諸島には羊の天敵であるハエがいないため、羊たちが豊かでのびのび生活できる点が特徴だと話す。ヒュー氏によって大切に育てられた羊たちの羊毛はインドに送られ、その後海を渡り、日本各地の工場を通じて生地から縫製までの工程を経た後、千葉県印西市の流通拠点より消費者の元へと発送されていく。

【牧場】フォークランド諸島 Blue Beach Farm/Hew Griersson氏

【紡績】インド・西ベンガル州 Jaya Shree/Mr.Swastick Chatterjee氏

海を渡り日本へ…

【編み】愛知県・一宮市 恒川織物株式会社/恒川 治基氏

【整理加工】愛知県・一宮市 株式会社ソトー/松村 一男氏

【縫製】青森県・南津軽群 オリジナルテクノロジー株式会社/中村氏 (名前非公開)

【発送】千葉県・印西市 ダイワ ジーエフ ロジ株式会社/堺 佳彦氏

「自分の声を聞こう」2019SS新商品

「自分の声を聞こう」2019SS新商品

「FALKLAND 自然な光沢とハリ・コシのあるサスティナブルウール」と合わせて、FABRIC TOKYO 2019SSの新作ラインナップも多数取り揃えた。2019SSのテーマは「自分の声を聞こう」だ。

Fit Your Lifeをブランドコンセプトに掲げるFABRIC TOKYOとして、まずはユーザーが自分自信のライフスタイルと向き合い、求める理想のスーツを心に描いてほしいという思いを込めたという。

同社では、ユーザー自身が自分の理想のスーツを描けたとき、全10億通りを超える組み合わせの中から、一人一人に寄り添うご提案ができるブランドでありたいと考えているのだ。今期は、通年で人気の軽量スーツ「AIR」よりもさらに軽い「ULTRA LIGHT 軽量タフタナチュラルストレッチ」も新しく仲間入りしている。

洋服が着る人の生き方や思考を表す一つの手段に

洋服が着る人の生き方や思考を表す一つの手段に

今回の発表に際し、FABRIC TOKYO商品開発代表の峯村氏から次のようなコメントが出されている。

「2013年、バングラデシュ・ダッカのラナ・プラザという縫製工場が倒壊し、1,100人以上の死者、負傷者2,500人以上の大惨事となりました。原料の現場では、ウールの原料である羊への非人道的な扱いがなくならず、コットンに関しては、インドの農家における農薬による健康被害や借金苦による自殺が後を絶ちません。その他にも、アパレル産業の背景にはまだ多くの社会的問題が潜んでいます。

こういった背景がある中、私たちが洋服に袖を通すまでの間、その洋服がどんな道のりを通じ誰によって作られているのか、プロセスを知る機会はまだまだ限られています。今回FABRIC TOKYOとしては、この不透明な道のりの追跡に挑戦することで、洋服が着る人自身の生き方や思考を示す一つの手段につながればと考えました。

決して社会問題に取り組んで欲しいという訳ではありません。このご飯は誰が料理してくれたのか、この家は誰が建ててくれたのか、この洋服は誰が作ってくれたのか・・・、それが分かるだけで受け取る時の気持ちは変わると思うのです。つくり手全員の顔が分かるスーツならば、朝、袖を通す時にいつもより気持ちいい一日を迎えられるかもしれません」

同社では、このように「商品が作られるプロセスの見える化」のあるものづくりが重要にあると考え、羊毛工場で働く人から物流における発送担当者まで、その一着に携わるすべての人の顔が見えるスーツづくりに取り組んでいる。

EC市場を牽引するアパレル分野だが、ネットを介した取引であるからこそ、こうしたアイテムに対する作り手と売り手、そしてそれを使う消費者のマインドにフォーカスすることは、むしろ新たな価値観を提供することになるだろう。

「洋服が着る人の生き方や思考を表す一つの手段に・・・」同社が考えるこれからの消費者のあるべきニーズを考えた際に、それが響く先には、モノを持つことが価値な時代から「なぜ持つのか?」に価値を見出すことがスタンダードになっていく、そんな時代が到来するのかも知れない。

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