インドのホテル運営会社OYO（オヨ）（創業者CEO：リテシュ・アガルワル、本社：インド）は、ヤフー株式会社（以下、ヤフー）と合弁会社を設立し、日本の賃貸住宅事業に本格参入することを公表した。

2019年3月上旬より、スマートフォンひとつで物件探しから入居、退去までができ、数日間の試し住みができる日本初のアパートメント（賃貸）サービス「OYO LIFE（オヨ ライフ）」を開始する。

敷金・礼金・仲介手数料0円で提供

OYOは、ITを活用した不動産経営で世界8ヶ国でのブランド展開を行うグローバル企業だ。今回、ヤフーとの資本提携により、合弁会社であるOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN株式会社を設立する。3月上旬よりサービス開始する「OYO LIFE」は、すべての部屋が家具家電付きに加えて敷金・礼金・仲介手数料0円で提供するという。

その「OYO LIFE」は、テクノロジーを活用し、スマートフォンひとつで物件探し、契約や支払いのインフラ整備から退去まで一気通貫のサービス提供を実現することで、インターネットで宿泊予約をするように部屋を借りることができるサービスだ。「OYO LIFE」は世界最速で成長しているOYOの運営ノウハウを元に、日本の賃貸物件に手軽さと利便性をもたらし、暮らし方に新たな価値を提案することにしている。

賃貸物件を借りる際に発生する課題を排除

同社は現在日本では、音楽や動画、アパレル、家具等におけるサブスクリプション型サービスへの移行に象徴されるように、商品・サービスの「所有」から「利用」へと個人の意識が変化していると指摘する。

コンテンツだけではなく形あるモノについても「シェアリング」という考え方が受け入れられるようになってきており、カーシェアリングや、シェアオフィスなどシェアリングエコノミーと呼ばれる新たな経済活動が拡大している。「OYO LIFE」は、仕事もコミュニティも移り変わってシェアすることが当たり前の時代だからこそ、自分のライフスタイルに合った暮らし方を自由に選択できる新たな価値を提案する。

すべての部屋が、家具家電付きで、公共料金・Wi-Fiなどの通信費や定期的なハウスキーピングなど基本的なアメニティが含まれているだけでなく、検索しづらい物件情報、複雑な手続き、2年契約の縛りや敷金礼金など、今までの賃貸物件を借りる際に発生する課題を排除し、まるで旅するように自分のライフスタイルに合ったエリアでの暮らしを手軽に楽しめるようになるとしている。

ビジネスのブランド化をすすめていく

「OYO LIFE」はまた、家賃保証しながら定期的なメンテナンスと資産の専門的な維持管理を行い、不動産オーナーの資産を完全に管理する日本初のサービスともなっている。「OYO LIFE」では、不動産オーナーにOYOがもつブランドとサービスインフラを提供して物件価値を向上させ、ヤフーのマーケティング力、集客力を合わせてビジネスのブランド化をすすめていく方針だ。

同社では賃貸不動産市場は、IT化することにより、今後大きく生産性を上げることができる有望市場と考えている。2013年当時19歳だった創業者CEOのリテシュ・アガルワルがホテルのビジネスにデジタル革命を起こし、現在では13,000以上の物件を運営し、8カ国で500以上の都市に展開するなど、OYOは世界中で急速に成長した。また、取扱部屋数は約450,000部屋で、毎月全世界で64,000を超える部屋を獲得している。世界最速級で拡大する物件運営で培ったOYOのノウハウを生かし、日本での事業成功を目指す。

昨年11月には50件の物件を獲得し、2019年3月末までには、東京都内のプレミアムエリア（渋谷区、目黒区、新宿区、中央区、文京区、千代田区）を中心に1,000件を超える物件を獲得する予定だ。物件オーナーからのお問い合わせも順次受け付けている。

ヤフーはオフラインにも進出していく

OYOの創業者でCEOのリテシュ・アガルワル（Ritesh Agarwal）氏は、次のように述べている。

「インドで創業し、現在中国など世界8ヶ国での事業を展開するOYOが、この度ヤフーと合弁会社を設立し、日本で『OYO LIFE』をスタートできたことを大変嬉しく思っています。OYOは世界最速で成長しているホテルブランドです。その成長は優れた物件獲得、物件管理システム、客室運営、価格管理、オンライン、オフラインでの顧客獲得のシステムのオペレーションを参画ホテルに提供することによって実現しました。今回の合弁事業ではホテル事業で培ったノウハウを駆使し日本の顧客に対して価値の高いサービスの賃貸住宅体験を提供できると考えています。今回のヤフーとの提携により、新しく住宅分野に進出することを大変嬉しく思っています」

ヤフーの代表取締役社長 CEOの川邊健太郎氏は、次のように述べている。

「ヤフーは、インターネット技術（IT）を通じてオンライン上の生活をさらに便利にすることに加えて、今後は、オフラインにも進出して、ユーザーの生活を『！』するほど便利にしていきます。『賃貸』は、ITやAIの力で、もっと便利にすることができると信じています。この領域で世界最速で取り扱い物件数を増やしているOYOのビジネスモデルやマネジメントチームの素晴らしさに共感し、この度合弁会社を設立し、日本で『OYO LIFE』の提供を開始します。この『OYO LIFE』が不動産オーナーや、ユーザーの賃貸領域での課題を解決することを期待しています」

不動産賃貸の分野で破竹の進撃を進めるOYO。同社のヤフーとの提携は、日本の賃貸市場に新風を吹き込むだけでなく、ヤフーのオフライン戦略の一翼も担うという面も持ち、今後の展開を含めて注目すべきニュースと言えそうだ。