【速報】Wowma!ベストショップアワード2018発表 KDDIが生む「au経済圏」に価値を見出す各店舗

石郷“145”マナブ

 KDDIコマースフォワード株式会社(以下、KCF)は昨日「Wowma!」に出店店舗を対象に優れたショップを表彰する「Wowma!ベストショップアワード」を開催した。カテゴリーごとに優秀店舗を表彰した後、総合賞の発表となった。今回はその総合賞、受賞店舗をいち早く取り上げ、その理由にも式典後、話を伺い、迫ってみた。

総合賞第5位「オシャレウオーカー」

総合賞第5位「オシャレウオーカー」

 まず総合賞第5位はオシャレウオーカーだ。受賞の理由に関しては、オリジナル商品などでMDが充実しており、ファンの方々への対応も好評だという。このアワード自体の受賞は三年連続だが、総合賞での受賞は初めてだとした。「店のその名前に恥じない、オシャレで可愛い商品を」と式典では感想を語った。
 
 Wowma!では毎月3・13・23日に開催される三太郎の日などauとの連携が強く生かされている点に同社が着目。また、Wowma!での客層を意識して、デザイン性にこだわりつつも、高級ブランドではない手が届きやすいようにサイトの見せ方を工夫、以前と比べて売上でも上下することなく高い水準をキープするようになってきたと振り返った。

 同社は話を聞くに今まさに新たな局面を迎えているように思えた。コーディネイトを提案したり、撮影そのものにも丁寧に時間をかけてお客様に価値を伝えていきたいとしていて、それを実現させるには、そうした撮影の環境づくりや人員の補充など、細かな施策もさることながら、どうブランド価値を高めていけるかの視点で、会社全体で俯瞰的に見て、体制を含めて、挑戦していく模様だ。

総合賞第4位「美味しさは元気の源自然の館」

総合賞第4位「美味しさは元気の源自然の館」

 総合賞第4位は「美味しさは元気の源自然の館」。受賞の理由に関しては、全ての施策において前のめりであり、取り組むスピードが速く、その上仕込みが丁寧だとした。式典では「映えある賞。Wowma!スタッフのみなさんのおかげで、いつでも相談に親身に乗ってくれた」とWowma!の関係者に感謝を述べた。

 同サイト曰く、Wowma!ではイベントが多く、その波に合わせて、同サイトが仕掛けをしてうまく乗っていくことで売上は向上し、そこを契機に全体的に安定した売上推移になったという。同サイトでは特にクーポンの配布のタイミングを重用し、そのクーポンの額面に販売価格を合わせて、クーポンでの効果を最大化する工夫をして、売上のヤマを築き上げていったのが大きかったと語る。

 商品数が多く若い人だとナッツなどの定番人気商品、年配のお客様は雑穀ということで、健康志向の商材を意識したものという具合に、様々なお客様の層が取れるのが同店の強みで、ここにクーポンを絡めて、最初の接点を大事にしていった後は、リピーターを大事にすることも忘れなかったと振り返っている。

 二回目を買ってもらう為の施策として店舗のメルマガを積極活用。最初はクーポンで単品押ししていたのを、メルマガではまとめ提案をしていくのだという。お得なものであるとか健康志向などのテーマに沿って、興味関心が深まるように仕向け、安心感とともに少しずつ単価を上げていき、売上を向上させた。

 一度来てくれた人に対して、いかにメルマガに繋げていくかが肝。最近では、商品ページにもメルマガを訴求していてより盤石な備えとなっている。

総合第3位「Joshin web家電・PC・ホビー専門店」

総合第3位「Joshin web家電・PC・ホビー専門店」

 総合第3位はJoshin web家電・PC・ホビー専門店だ。数多くの店舗の中でも長く歩んできていている店舗であり、市場のニーズに迅速に対応、価格設定や配送スピードなど、顧客満足に繋がる動きが受賞につながった。

「ベストストアアワードは総合賞は6回目。昨年は、本当に色々な部分があり、多くの人に支えられた一年だったと思っている。自分たちが考えているのは、「幸せ提供業」という位置付けであり、商品を販売するだけではなく、そういったお客様の幸せに繋がるサービスを提供していくこと」と喜びの声を述べていた。

総合賞第2位「アイリスプラザ」

総合賞第2位「アイリスプラザ」

 総合賞第2位はアイリスプラザだ。圧倒的なブランド力とそれをプロモーションに乗せる実力を持ってして成功。プロモーションの強さにくわえ、お客様対応の良さがあり、攻守共揃っている点が評価された格好だ。専門店で出品されている商品数は7万商品にも及び、様々なお客様に選ぶ楽しみを伝えているのが支持されている。

 意識しているのは「新生活シーズン」という具合にシーンで提案すること。同サイトであれば、商品点数が多いので、シーンで提案しつつ、新生活であれば、家にあるものが皆揃うというような提案のスタイルでまとめ買いを生み出す事で、他店との差別化を生み、単価を向上させ、売上につなげている。また、アイリスオーヤマの本店が比較的年齢層が高めなこともあり、そこでは獲得できない20代、30代を取り込めるチャンスと位置付けてWowma!に対しては積極的な取り組みを見せたようだ。

 特に昨年は60周年であり、それを記念してお祭りムードを演出。同社の掲げる「なるほど家電」というテーマに沿った形で、お客様に「なるほど欲しいな」と思ってもらえるように見せ方を工夫し、それが上記の通り、まとめ買いをもたらす要因にもなって、結果的に、大きな成果へと繋がった。

総合賞大賞「西松屋チェーン」

総合賞大賞「西松屋チェーン」

 そして栄光の総合賞大賞は西松屋チェーンだった。西松屋チェーンはリアル1000店舗を数え、そのブランド力を背景に、数多くの施策をやり、ECコンサルタントとともに、課題を立てて、それを一つ一つ解消して進めていったのが奏功したということのようだ。

 同社の商品は、生まれる前から5歳くらいまでのベビー・子供用品を扱い、中でも彼らがこだわってきたのは「一年中365日毎日使えるものを」というメッセージだ。故に「3枚で500円」など買ってもらいやすい単価設定を心がけた。

 価格設定の背景には、ベビー用品などは何十年も使えるようにというわけではなく、利用される期間も生まれてからどの時期までと設定しやすい。そこで、それに相応しい耐久性などが浮かび上がり、注力すべき点は自ずと絞られてくるので、それに基づく商品開発をすることで、価格に反映、物作りに無駄がない。故にこの価格を提案できているわけで、この戦略を販売面でも生かしながら、Wowma!のECコンサルとともに仕掛けを考えたという。

 そもそもWowma!の前身である「DeNAショッピング」の時代からの付き合いであり、同社もウェブ戦略の最初の頃からともに歩んできた。リアルな店舗の強さが売りなのでリアル店舗を経由して、Wowma!へと誘導して、購入へとつなげていく姿勢を地道につなげてきた成果も見られる。

 さらに、聞いていて思ったのは、最近の若いお母さんはスマホがメインであり、現に同社の売上の8〜9割がそれで占めているそうだが、同社が掲げる「毎日使ってもらえる商品」を手軽に買ってもらう上で、Wowma!のライトに買える環境づくりもプラスに働いていそう。その意味で、両者のやっていることには強い親和性があって、納得の総合大賞なのではないだろうか。

ECコンサルと店でともに戦い、作り上げる雰囲気

 何れにせよ、今回、取材して感じたことは、どの店舗もECコンサルタントとの距離感の近さを語っている点。「香川という地方まで来てくれて、親身に相談に乗ってくれた」など、テクノロジーのイメージが強いKDDIのグループにしては泥臭い、人間味に溢れた関係性を感じさせるエピソードも多かった。

 最近はプラットフォームの会社がかなり大企業となり、効率化の中で丁寧に向き合うことを重視しづらくなってきている気がする。逆にこのWowma!のやろうとしている関係性は、大きな飛躍の糸口になるではないかと思った。やはり成功の秘訣は、これらの店舗とプラットファーマーの間に根付く人と人との信頼なのだと思うから。そのような「人」に重きをおく視点こそ、逆に大事だし、その意味での成長を期待したい。

 この会社の春からの新社名にある「au」の名の通り、Access to Uを掲げる企業なのだから。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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