ビックカメラとコジマが2019年8月期第2四半期決算を公表 両社ともECに勢い

株式会社ビックカメラと同社傘下の株式会社コジマが2019年8月期第2四半期の決算について取りまとめ、その内容を公表した。ここではその概要について、ポイントを絞って見て行く。

コジマ決算「ECが好調」

コジマ決算「ECが好調」同社資料より(以下、同様)。

2012年に資本業務提携契約によってビックカメラに対する第三者割当増資を実施、同社が増資後発行済み株式50.06%(議決権割合50.06%)を取得することによって子会社となったコジマ。

そのコジマの最新決算について公表がなされた。2019年8月期第2四半期の決算の概要は次の通りだ。売上高が129,113百万円(前年同期比108.9%)、営業利益が2,382百万円(前年同期比176.7%)、経常利益が2,695百万円(前年同期比177.8%)、四半期純利益が2,434百万円(前年同期比269.8%)となった。

いずれも事前の予想を大きく上回る数値であり、極めて好調な決算内容だと言えるだろう。増収増益の要因として同社では、ECが好調であることと旗艦店を中心に既存店での売り上げが伸びたこと、そして効率的な経費コントロールを挙げている。

ビックカメラ決算「売上増ながら各利益では前同比マイナス」

ビックカメラ決算「売上増ながら各利益では前同比マイナス」ビックカメラ<連結>

以降はビックカメラ決算についてだ。2019年8月期第2四半期の決算(連結)の概要は次の通りだ。売上高が441,897百万円(前年同期比106.5%)、営業利益が12,659百万円(94.8%)、経常利益が13,938百万円(前年同期比96.8%)、親会社に属する四半期純利益が8,311百万円(前年同期比95.5%)という結果となった。

売上高以外については前年同期比で若干のマイナスであるが、当初の予想を上回る手堅い内容となっている。

ビックカメラ<単体>

なおビックカメラ単体について次の通りだ。売上高が257,905百万円、営業利益が6,576百万円、経常利益が7,633百万円、四半期純利益が5,314百万円となった。

拡大するECとオムニチャネル

拡大するECとオムニチャネル

ビックカメラではECとオムニチャネルが好調であり、また関連する施策も強化しているようだ。インターネット通販については、年間売上高 1,000億円突破するとの予想を立てており(2019年8月予想)、19年8期の上半期連結EC売上高について 517億円(前年同期比 125%・EC化率 11.7%)を掲げている。

また物流面では、大阪センターが稼働を開始し商品配送サービスの向上を実現したとしている。同センターでは物流機能の自動化を一部で運用を開始しており、ECを支える基盤整備も進んでいるようだ。

インバウンドは成熟期か

インバウンドは成熟期か

インバウンドについては、台湾人向けの販売が低下している一方、中国人向けの販売は堅調であり、一部のトレンドに変化があるとしている。

ビックカメラの決算全体を通しては、特に国内市場が少子高齢化の影響もあり、中長期的にリアル店舗での展開に限界がある中で、ECとオムニチャネル施策の重要性が高まっていることがうかがえる内容とも言えそうだ。

国内の大手家電量販店の中でもいち早くEC化に取り組んできたビックカメラ。Amazonなど競合するデジタルプラットフォーマーの進撃が続く中、生き残りをかけて同社のさらなる挑戦は続くことになりそうだ。

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