約6割が「ECサイトの応答が遅くて離脱」

ECのミカタ編集部

株式会社ジャストシステムは、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」で、ネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した『Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2019年12月度)』の結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

[調査期間]
2019年12月27日(金)~1月3日(金)

[調査対象]
Fastaskのモニタのうち、17歳~69歳の男女1,100名

[調査方法]
セルフ型ネットリサーチ Fastaskでのアンケート調査

年末セールの認知度は「楽天スーパーSALE」に軍配

昨年末に開催された大手ECサイトのセール認知率は「楽天スーパーSALE」(50.3%)が最も高く、次いで「Amazon Cyber Monday」(45.0%)、「Yahoo!ショッピング年末感謝セール」(25.1%)だった。

また認知者のうち実際に購入した人の割合が最も高かったのは「楽天スーパーSALE」(41.8%)、次いで「Yahoo!ショッピング年末感謝セール」(36.6%)、「Amazon Cyber Monday」(34.5%)となった。

過半数が「ECサイトが遅い」で離脱

過半数が「ECサイトが遅い」で離脱

スマートフォンからECを利用する人のうち、購入意向があったにも関わらず、ECサイトまたはECアプリの応答速度が遅くてタップしても反応しない、ページが遷移しないといった理由から離脱したことが「頻繁にある」人は13.4%、「ときどきある」人は44.1%だった。

あわせて57.5%の人に経験があることがわかった。経験がある人の割合を年代別に見てみると、10代(59.0%)、20代(67.0%)、30代(64.5%)、40代(58.5%)、50代(44.3%)、60代(37.0%)となった。20代と30代の6割以上に、応答速度の遅さを理由に離脱した経験があることが浮き彫りとなっている。

遅延7秒で離脱が約半数

スマートフォンからのEC利用時、ECサイトやECアプリの応答速度の遅さが原因で離脱した経験がある人に、離脱したときの平均的な時間を聞いたところ、「1秒未満」と回答した人は2.9%、「1~2秒未満」の人は6.1%、「2~3秒未満」の人は9.0%、「3~5秒未満」の人は18.4%だった。

ECサイトやECアプリが反応しなくなってから5秒未満であっても、36.4%もの人が離脱していることがわかった。なお「5~7秒未満」(10.6%)と答えた人も足すと47.0%で、7秒に至るまでに約半数が離脱していた。

一方で8割が「離脱後も戻る」

スマートフォンからのEC利用時、ECサイトやECアプリの応答速度の遅さが原因で離脱した経験がある人のうち、その後にECサイトやECアプリに再訪して買いたかった商品を購入した経験が「頻繁にある」人は19.2%、「ときどきある」人は63.3%で、合計すると82.5%の人が一度離脱したにもかかわらず購入に至っていることがわかった。

「頻繁にある」と答えた人の割合を年代別に見てみると、10代(42.3%)、20代(32.8%)、30代(10.0%)、40代(12.5%)、50代(3.7%)、60代(5.9%)だった。10代は4割以上にも上った。

まとめ

調査結果にあるようにスマートフォンでのEC利用時、約6割が「応答速度が遅くて買い物をやめた」経験があり、スマートフォンでのEC利用時、応答速度が遅いと、「5秒未満」でも36.4%が離脱していた。一方で約8割について応答速度が原因で離脱後に再訪して商品を購入した経験があった。

約8割について応答速度が原因で離脱後に再訪して商品を購入した経験があるというのは一見して意外な数値にも思えるが、サイトレスポンスの遅延が原因で一定数のユーザーが離脱することも厳然とした事実だ。遅延の発生についてはインフラや回線、閲覧するデバイスなどさまざまなレベルでの原因が考えられるが、ECプラットフォーマー選びや自社ECサイト構築・運用の際も、よりレスポンスの良さにつながる選定や作り込みが重要となってきそうだ。


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