SNSマーケティングで集客・ブランディングを成功させるポイントは?

EC事業や通販事業の集客やブランディングを行う上で、各種SNSを活用するSNSマーケティングは有効な選択肢のひとつです。SNSは情報の拡散能力に優れているため、活用すれば強力な宣伝効果を生み出します。反面、炎上などのリスクを抱える点も注意しなければなりません。今回は、SNSを活用した集客やブランディングを活用したい人のために、SNSマーケティングのメリットや注意点、各SNSごとの特徴や活用ポイントを紹介します。

SNSマーケティングメリット

まずは、SNSを活用することで実際にどのようなメリットが得られるのかを説明します。

企業の認知度アップとブランディング


SNSは、多くの人が日常的に見るメディアの一つです。その中で有益な情報を発信すれば、フォロワーが増え、それに伴って認知度が上昇します。また、有益な情報をくれる専門性の高い企業というブランディングも可能です。もちろん、これは企業のWebサイト上でも行うことができますが、SNSを組み合わせることでより強固となります。というのも、2014年以降のインターネット空間においては、ユーザーの流入は検索エンジンよりもSNSの方が多いためです。

米国においてオンラインメディア向け解析ツール「Parse.ly」が出している統計データによれば、オンラインメディアの流入元は2014年以降Facebookを経由してアクセスしてくるユーザーが増加傾向にあるとのことです。また、2015年の時点では、Googleで検索してアクセスしてきたユーザーよりもFacebookの情報を見てアクセスしてきたユーザーの方が多くなっています。このことから、SNSが情報収集源として機能していることが読み取れます。

SNSはユーザーとのつながりを重視するインターネット空間のため、有益な情報を発信するアカウントとの接点を持ち続けることができます。このため、信頼や安心感を与えることが容易であり、「この企業の商品なら買ってもいい」と商品の購入を行ってくれるユーザーも現れます。こうして、フォロワーのファン化につなげることができるのです。

ユーザーとのコミュニケーション


SNSは双方向のコミュニケーションも可能で、企業の発信した情報にユーザーがリプライ(返信)や引用という形でコメントを行うことができます。そして、そのコメントに対する返事をさらに返すことができます。このリプライ・引用機能を利用して、情報を見たユーザーがその場で疑問点などを質問し、それに答える質疑応答の場や、ユーザーの生の声を収集し、商品の改善やサービスの質の向上に繋げる場として活用することが可能です。もちろん、ユーザーから寄せられた質問や意見には真摯に対応することが重要です。積極的かつ誠実にコミュニケーションを行うことで、ユーザーからの信頼をより高めることへと繋がります。

SNSマーケティングの注意点

SNSマーケティングには上記のように大きなメリットを得られますが、誰もが簡単に成功するわけではありません。以下では、SNSマーケティングにおいて注意すべき点について説明します。

運用には負担がかかる



SNSマーケティングでは「SNSで特定の話題に対して急激な拡散が行われる「バズ」を狙うものである」と認識されがちです。それ故に、「バズ」を狙った投稿を行うだけの、手軽にできるマーケティング手法のように感じられます。しかし、実はバズを狙うことはSNSマーケティングの一側面に過ぎず、長期的なアカウント運用とそれに伴うユーザーの信頼獲得を目指すこともまた、SNSマーケティングでは重要です。よって、毎日継続的に、適切な情報を発信し続けることが必要になり、工数もかかります。もちろん、複数のSNSアカウントを展開する場合は、それぞれに管理する人員や手間が必要です。

また、既存のユーザーとの関係を大事にしつつ、新たなユーザーを増やす施策を取ることも大事です。既存のユーザーを蔑ろにしてしまうと、かえって顧客離れを起こしてしまいますし、逆に新規ユーザーの拡大を行わなければいずれは先細りしてしまいます。先を見据えたSNSの運用戦略を立て、そこから逆算して十分な工数を確保しましょう。

炎上する可能性がある


SNSでは、情報の出し方を間違えたり、個人的なツイートを企業のアカウントで投稿してしまった際に、ネガティブな反応が殺到する「炎上」と呼ばれる状態に陥ってしまうリスクがあります。拡散力の高いTwitterなどでは、この炎上リスクが高く、一度炎上が発生した場合、収束が困難になることも少なくありません。

ブランディングを行うためにSNSを活用しようとしても、炎上によってブランドイメージを損なってしまっては本末転倒です。炎上を防止するためには、SNSを運用する担当者のネットリテラシーを高める教育をしっかりと行うことが重要となります。また、SNS投稿を行う上での注意点をマニュアル化して、誰でも問題なく投稿を行えるようにしましょう。

各SNSの活用ポイント

世の中には何種類ものSNSがあり、その機能やユーザー層などの特徴もSNSごとに異なります。SNSの活用を行う上では、各SNSの特徴をおさえる必要があります。

Facebook

Facebookは実名登録を推奨するSNSです。その性質上、匿名性が低い代わりに信頼性の高いつながりが生まれやすく、炎上がしにくいことが特色として挙げられます。また、機能面ではある程度長い文章を書くことができる上に、おしゃれな写真を並べることもできるなど、SNSの基本的な機能が一通り揃っていることも長所です。ユーザーの年齢層は広く、20代から50代となっています。企業アカウントの作成を無料で行うことができるのが利点です。企業アカウントでは分析ツールを使用して投稿内容やユーザのアクセス元について分析を行ったり、広告を入れることができるなどの機能が追加されます。

Twitter

Twitterは140字以内のテキスト投稿を基本としたSNSです。また、4枚までの画像や動画を投稿することも可能です。特色は拡散力に優れていることで、リツイートや引用機能によって多くの人に情報を見てもらうことができます。ただし、匿名ユーザーも多いことから、炎上リスクも高いことに注意が必要です。ユーザー層については、20代から40代のユーザーが中心となり、幅広い世代に利用されています。いわゆる「面白い投稿」が好まれる傾向にあり、しばしば一発ギャグや大喜利などがバズを起こします。企業アカウントの作成は無料で、タイムライン上にプロモーションを流してもらったり、分析機能を使うことが可能です。

Instagram

Instagramは10代から20代の女性の人気を集める、画像や動画の投稿を主軸としたSNSです。気軽に画像を投稿しつつ、フィルタ機能によって簡単に画像の加工を行うことができます。また、「ショッピング機能」があり、画像から商品の購入ページにユーザーを誘導させることが可能です。

服飾や小物といったアパレル系、レストランやスイーツなどのグルメ系、家具などのライフスタイル系の事業にとって、ビジュアルに訴えることができるInstagramとの相性は抜群です。ただし、露骨な宣伝はかえって敬遠されてしまう恐れがあるため、雑誌などの商品紹介のような「商品それ自体を魅せる」投稿を心がけると良いでしょう。

LINE

LINEは国内最大のSNSです。個人間のやり取りが基本となっているため、メールに代わる家族や友人との連絡手段として、幅広い世代が盛んに利用しています。企業向けのアカウントはLINE公式アカウントを開設することで取得します。ユーザーは企業のLINE公式アカウントと友達登録を行うことで、お得なクーポンを受け取ったり、新商品の情報をいち早く入手することができます。主に実店舗で活用されることが多く、来店した顧客に友達登録を促して特典を受け取ってもらうなどの使い方が一般的です。さらに、独自の電子決済方法「LINE Pay」も用意されており、付加価値はますます高まっています。

Pinterest

Pinterestは、画像を投稿するのではなく画像を収集することに長けたサービスです。Web上に投稿されている画像を収集して保存し、他者と共有します。PinterestとSNSマーケティングの相性は良く、情報感度の高いユーザーを集めることが容易であることや、画像によって高い訴求効果を得られること、そして何より商品の価格や在庫状況などを画像とともにリアルタイムで表示する機能など、ECサイトとの連動機能が豊富に用意されていることが強みです。他のSNSと比較するとコミュニケーション機能は限定的ですが、販促やブランディングに活用する上では十分な機能を有しています。

YouTube

YouTubeは動画投稿型のSNSです。全世界で利用者が19億人を超えるほどの巨大なプラットフォームであり、10代から60代までの幅広い世代に利用されています。動画広告市場は拡大する傾向にあり、2021年には2018年の2倍の市場規模になることが見込まれています。このため、動画によるマーケティングは今後ますます重要になっていくと予想されます。

YouTubeでのマーケティング手法は3つあります。第1に、自社のチャンネルを作成し、動画を投稿する手法です。動画制作のスキルや機材、手間などが必要になりますが、継続的に動画を投稿することでコアなファンがつきやすくなります。もちろん、チャンネルへの登録者数を増やすためにも企画力と継続力は必須です。第2に、動画の再生中などのタイミングで広告を流すYouTube広告を掲載する手法です。自社で公開している動画以外の場に宣伝を行うことができるほか、広告の頻度やタイミングを細かく指定することも可能です。第3に、人気YouTuberとのコラボレーションを企画することです。YouTuberの発信力を利用して自社商品を利用した動画企画を行うことで、そのYouTuberが抱える数千人から数万人ものファンに対して自社商品をアピールすることができます。YouTuberは動画制作技術も高いため、効果的なマーケティングを行う動画制作も依頼することで、より訴求効果を上げることができます。

TikTok

TikTokは、スマートフォン向けのショートムービー投稿SNSです。手軽に編集・動画投稿ができることから、10代から20代の若者に人気があります。YouTubeと同様、若者の人気を集めるインフルエンサーを起用したマーケティングや広告枠への出稿が可能である他、TikTokと連動したキャンペーンを打ち出して、ユーザーに自社キャラクターや商品を発信してもらうこともできます。

SNSマーケティングでユーザーとの距離をもっと近くに

SNSマーケティングは、実際に始めてみると思いのほか工数がかかるため、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、コツコツと投稿を続けてユーザーとの距離を縮めながら、情報を発信し続けることで、徐々にファンが増えて潜在的な顧客になってくれることが期待できます。無料で始められるものも多いため、まずは実際にやってみて、運用しながらノウハウを蓄積していくことが肝心です。

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