ヤマト運輸が新たなEC商品受け取りサービスの提供を開始 生活の導線上での受け取りが、よりスムーズに

ECのミカタ編集部

ヤマトホールディングスとヤマト運輸は、Doddle Parcel Services Ltdと提携し、ニューノーマル時代の新たなEC商品受け取りサービスを開始することを公表した。

EC荷物の受け取り拠点も募集

ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区、代表:長尾裕、以下:YHD)とヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表:栗栖利蔵、以下:YTC)は、「デジタル化された受取・返品システム」を提供するDoddle Parcel Services Ltd(本社:22 Manchester Square, London, W1U 3PT.Registered in England and Wales、代表:Tim Robinson、以下:Doddle社)と提携し、ニューノーマル時代の新たなEC商品受け取りサービスを11月から開始する。

なお同サービスの開始にあたり、EC荷物の受け取り拠点となるドラッグストアやスーパーマーケットなどの店舗を募集するとしている。ヤマトホールディングスでは、サービス開始の背景として、次のように述べている。

「YHDは、2020年1月23日に中長期のグランドデザインである『YAMATO NEXT100』を発表し、ECエコシステムの構築に取り組んでいます。また、同年6月24日にEC事業者向けの新配送商品『EAZY』の発売を開始し、ECを利用されるお客さまのさらなる利便性向上に向けた取り組みを進めています。 Doddle社は、EC購入商品の受け取り・返品システムのグローバルリーダーで、各国の物流・EC事業者にこのデジタルテクノロジーを提供しています。

英国、オーストラリア、米国で事業を展開しており、Australia Post(オーストラリア郵便公社)とUnited States Postal Service(アメリカ合衆国郵便公社)と提携しています。また、世界有数のリテール事業者のEコマースシステムにも導入され、EC購入品の配送と返品をサポートしています。両社は本年3月に、日本において、デジタル化された利便性の高い新しい受け取りサービスをお客さまに提供していくことで合意しました。そして本年11月より「EAZY」導入事業者および当サービスをご利用になる『特定EC事業者』の受け取り拠点として参画する店舗に対し、Doddle社の『Click & Collectシステム』を導入し、サービス提供をスタートします」

新しい受け取りサービスの概要

新しい受け取りサービスの概要

同社によれば、今回のサービスにより、EC購入者は生活導線上の受け取り拠点が拡大し、これまで以上にご自身の生活スタイルに合わせて、気軽で簡単に荷物を受け取ることが可能となるという。また導入店舗は、「Click & Collectシステム」の専用端末を設置するだけで、早期、かつ簡単にサービス提供を開始できるとしている。同社がまとめるサービス導入におけるメリットは次の通りだ。

◆EC利用者のメリット

[1]
生活導線上にあるスーパーやドラッグストアなどの店舗がEC商品の受け取り拠点となることで、配達時間にしばられることなく、生活スタイルに合わせた荷物の受け取りが可能となる。

[2]
ECサイトでの商品注文後にモバイルフォンに送信される二次元バーコードを店舗で提示するだけで、スムーズに荷物を受け取ることができる。

[3]
商品を受け取る店舗で利用できる割引クーポン等が取得できるため、荷物の受け取りと同時に、お得に買い物ができる(全ての店舗がクーポンを配信するわけではない)。

◆導入店舗のメリット

[1]
端末の画面に表示される指示に従い、お客様から提示される二次元バーコードを専用端末で読み取るだけで、本人確認や配達情報の登録などが完了し、スムーズに荷物が受け渡せる。

[2]
EC商品を受け取れる新たな拠点となることで、荷物を受け取りに来た利用者の「ついで買い」や、新規顧客の集客効果が期待できる。

[3]
システムにはEC商品の保管場所を管理する機能が完備されているため、新たなシステム投資は必要無く、すぐにサービスの導入が可能。

デジタルトランスフォーメーションをさらに加速

デジタルトランスフォーメーションをさらに加速

サービス開始に際して、両社代表が次のように述べている。

ヤマトホールディングス株式会社代表取締役社長 長尾 裕 氏

「ヤマトグループは今、物流およびサプライチェーンに変革をもたらす革新的な技術・ビジネスモデルを有す国内外のスタートアップ企業との積極的な連携を進めています。今回のDoddle社との提携は、その最も重要な一つであり、同社との取り組みをこうして発表できることを大変嬉しく思います。Doddle社が持つ、ECのラストワンマイル領域における最先端デジタルテクノロジーを活用することで、日本のお客さまに、今後全く新しい受け取り体験を提供できると考えています。今後さらなる両社の連携を通じて、デジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに加速し、ECに関わる全ての方々に最高の価値を提供するECエコシステムの構築を目指してまいります」

Doddle会長 Sir Lloyd Dorfman氏

「DoddleはYHDのNEXT100戦略の一環として同社と提携し、引き続き日本国内における荷物の配送にデジタル革命を起こし、消費者への配達にさらなる利便性をもたらすことに参画できることを大変光栄に思います。Doddleは、今後日本国内でYHDとの充実したパートナーシップを長期にわたり確立していくことにコミットしています。私たちは、日本市場において、eコマースおよびフルフィルメントのテクノロジーが大きく成長していくポテンシャルがあるものと考えています」

また両社は、「ECエコシステム」構築に向けた連携を進め、EC事業者、EC利用者、物流事業者、そして受け取り店舗にとって、より付加価値の高いサービスの提供を実施していくとしており、シナジーが生み出すECと物流の新しい未来に視線を送りたい。

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