問い合わせ対応を効率化する方法とは?EC運営における重要性や課題についても解説

ECのミカタ編集部

問い合わせ対応を効率化する方法とは?EC運営における重要性や課題についても解説

顧客からカスタマーサポートに寄せられる質問などに回答する、問い合わせ対応。問い合わせに関する業務の効率化を図りたいと考える一方で、どのような取り組みを導入したらよいのか悩む事業者もいるだろう。今回は、EC運営における問い合わせ対応の重要性や課題について解説する。最後に、問い合わせ対応の業務効率化に向けたポイントも紹介するので、業務改善に向けて参考にしてほしい。

目次

●問い合わせ対応の重要性
●問い合わせ対応に関する課題
●問い合わせ対応業務を効率化する3つのポイント
●まとめ

問い合わせ対応の重要性

問い合わせ対応とは、顧客からメールや電話等で寄せられる問い合わせに対して個別で対応していく業務のこと。まずは、ECサイトの運営における問い合わせ対応業務の重要性について確認していこう。

顧客満足度の向上


問い合わせ対応は、顧客と直接関わる重要な接点だ。問い合わせに対して迅速かつ丁寧な対応できれば、自社への信頼感が高まり顧客満足度の向上が期待できる。顧客満足度の向上は、自社サイトへの愛着心と呼ばれる「ロイヤルティ」にもつながり、収益アップのきっかけになる。

競合他社との差別化


サイトを多くの人に長く利用してもらうためには、競合他社との差別化が不可欠だが、問い合わせ対応の質は差別化を図る要因となる。対応をしっかり行うことで、顧客に安心感をもたらし継続的な利用も期待できるのだ。

サービス改善


顧客からの問い合わせは、サイト利用者の生の声を聞ける貴重な機会であり、サービス改善のヒントを得られる可能性が高い。カスタマーサポートに寄せられた質問や意見を分析し、顧客にとって便利で価値のある商品やサービスを生み出すことができれば、利用者や売上アップも期待できるだろう。


問い合わせ対応に関する課題

重要性が高い一方で、問い合わせ対応の業務は課題も多い。具体的な課題点について解説していこう。

件数が多い


ECサイトによっては、寄せられる問い合わせ件数が多く、専属のカスタマーサポートのスタッフだけでは対応しきれないケースが生じている。対応可能な許容範囲を超えると・電話がつながりにくい・人的ミスが発生するといった事態を招き、顧客満足度の低下やクレームに発展する場合も考えられるだろう。

問い合わせが増える要因として「キャンペーンなどによる一時的な増加」「公式HPの情報不足」「FAQの分かりにくさ」などが上げられる。問い合わせ件数を削減していくためには、増加の要因を分析し、その内容に応じた改善が必要だろう。

対応に時間がかかる


近年、サービスの多様化や複雑化にともない、問い合わせ内容が多岐に渡るようになった。これにより、1人のオペレーターが1件の対応に必要な時間は増加傾向にある。中には、問い合わせ内容が複雑であるため、オペレーターがその場で解決できず、複数の部署をまたいで対応を行う「たらい回し」も発生している。

顧客してみれば、「すぐに欲しい情報が得られない」「一度の問い合わせで明確な回答がない」となればネガティブな印象を与えかねない。対応時間の短縮に向け、FAQの内容の見直しや、個別対応が必要になった際の手順の構築が不可欠と言えるだろう。

対応の品質にバラつきがある


オペレーターによって対応スキルやコミュニケーション能力の差が大きいことで、対応の品質にバラつきが生じ、対応時のクオリティが左右されるケースもある。同じ内容の問い合わせでも、回答する担当者によって回答が異なることや、受け手の印象が変化するといったことが生じるのだ。

オペレーター1人の対応が「サイトの印象」として顧客に直接伝わるため、誰が対応しても同じクオリティであることが重要である。バラつきが生じないよう、研修制度やカスタマーサポートの品質向上に向けたアンケートなどの検討が大切になるだろう。


問い合わせ対応の効率化を図る3つの工夫

最後に、問い合わせ対応の効率化を図る方法に触れていく。課題を踏まえた上で、3つの工夫を紹介するので、自社の問い合わせ対応の業務改善に活かしてほしい。

1.チャットボットやFAQの活用


カスタマーサポートへの問い合わせ件数を削減したい場合は、「チャットボットの設置」「自社サイトのFAQの改善」を検討しよう。これらを活用すると、疑問を自己解決できる仕組みが整い、その結果問い合わせ件数の減少につながる。チャットボットとは、人の代わりにロボットがチャット形式で顧客からの質問にリアルタイムに回答するシステムのことだ。24時間365日返答が可能なため、顧客は疑問が生じたタイミングですぐに質問し、回答が得られるといった特徴がある。一方で、チャットボットの構築には・システムの導入・質問とその回答の設定といった労力が発生することを念頭に入れておこう。

すぐに、顧客が自分で問題を解決する仕組みを構築したい場合は、自社サイトのFAQページの改善がおすすめだ。FAQページは、簡単な操作で作成や追加ができるため、問い合わせ件数が多い項目に合わせて内容のブラッシュアップが容易に行える。顧客が疑問を解決しやすいように「FAQページが分かりやすい」「求める質問にすぐにたどり着ける」「答えが分かりやすい」といったポイントを押さえて作成するのが効果的だ。

関連記事:チャットボット(Chatbot)とは? ECサイトでの活用事例を紹介

関連記事:チャットサポートとは?種類やメリット・導入時の注意点を徹底解説

2.社内マニュアルの整備


問い合わせの時間短縮や対応の品質を均一にしたい場合は、「社内マニュアルの整備」に力を入れたい。マニュアルを最大限に生かすためは、誰が見ても業務がスムーズに進められるといった内容に構成されている必要がある。フローチャートを活用した回答方法やトラブル発生時専用のマニュアルを作成することで、問い合わせがあったときに迅速な対応ができるだろう。

マニュアルは、キャンペーンやサービス改善があった際は随時更新するなど定期的な見直しを行い、常に最新の状態に保つことも大切だ。さらに、過去に対応した難しい事例に対してどのように対処したのか、オペレーター同士の情報共有を取り入れることで、ノウハウやナレッジの積み重ねにつながり、オペレーター全体の質の向上につながるだろう。

3.管理システムやヘルプデスクツールの導入


対応の品質を維持し効率よく進めるには、「問い合わせ管理システムやヘルプデスクツールの導入」が効果的だ。

問い合わせ管理システムやヘルプデスクツールとは、顧客からの問い合わせを「いつ・誰が・どのように」対応したかという情報を一元管理し社内で共有できるシステムのことだ。同システムを導入すれば、オペレーター同士の情報共有がスムーズになり対応ミスの防止につながるほか、自動メール送信やテンプレート機能を活用することでコア業務に集中できるといった効果も期待できる。また、電話やメールなど、さまざまな媒体から寄せられた問い合わせ内容を一括管理することで、蓄積された情報をカスタマーサポートやマーケティング施策改善に活かすこともできるだろう。

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まとめ

顧客満足度向上や他社との差別化を図る上で重要な要素を持つ問い合わせ対応。ECサイトにおいては、顧客とつながる貴重な機会であるため、一度の問い合わせでの対応が、顧客に与える印象がその後のサービス利用に大いに関わると言えるだろう。問い合わせ対応の効率化には、自社の課題を明確にした上で、改善したい目的に向け、必要な施策を検討しよう。


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