「BFCMの4日間に買い物をする」80% [Shopify調査]

ECのミカタ編集部

世界最大級のコマースプラットフォーム、Shopify(ショッピファイ)は、11月25日(金)からスタートする、ブラックフライデー・サイバーマンデー(以下、BFCM)を前に、今年の経済環境の変化が日本の消費者の消費志向に与える影響となどを明らかにした。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

▶調査方法:オンライン上でのアンケート調査

▶調査地域:イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダ、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランド、日本、アメリカ、カナダ

▶調査対象:コンシューマー24,009名(この内、日本のコンシューマーは2,000名)、企業9,012社(この内、日本の企業は1,000社)

▶調査日時:2022年9月〜2022年10月

▶調査企画:Sapio Research

浸透するBFCM

ブラックフライデーは、アメリカの祝祭日である感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日を指すもので、クリスマス商戦の幕開けの日として知られている。またサイバーマンデーは、さらにその週明けの月曜日を指し、こちらはオンライン上の大規模セールがスタートする日として定着している。

この2つは元々アメリカでスタートしたが、今では世界中の様々な国で、ブラックフライデーからサイバーマンデーまでの4日間が、年末商戦に向けたセールキャンペーン期間として浸透しつつある。

実際に、2021年の状況をグローバルで見てみると、昨年のBFCMの期間、Shopifyのマーチャント(事業者)たちは、過去最大の売上高を記録し、総売上高は63億米ドルにのぼった。一方で、2022年は、生活費の急激な上昇、サプライチェーンの乱れ、難しくなっているデジタル広告環境など、昨年に比べて環境が大きく変化している。

約1/4「今年のBFCMで16,500円超、支出予定」

約1/4「今年のBFCMで16,500円超、支出予定」

Shopifyが日本の消費者2,000人を対象に行った調査によると、回答者(n=2000)の80%が「BFCMの4日間に買い物をする」と答えた。また、回答者の4割の人が「今年の消費額は2021年よりも大きくなる予定である」と答え、さらに回答者の約1/4の人は「今年のBFCMで16,500円以上の支出を予定している」と答えている。

加えて、回答者の2/3は、「さらなる値上がりの前に、今のうちに商品を購入しようと考えている」ことがわかった。日本におけるBFCMは、欧米に比べると、いまだ浸透の途上とも言えるが、調査結果から日本の消費者が、今年できる限りのBFCMキャンペーンを利用する傾向にあることがわかった。

今年の消費者は、お金を使う場所、特に価格に関して、より意識的になっているとも言えそうだ。同調査によると、回答者(n=2000)の74%が「十分な情報を得た上で購入の決定をする前に、多くのショップを回り、可能な限りのお買い得品を手に入れてから購入を決める予定である」ことがわかった。

さらに、半数近く(48%)は、「競合他社がより良い価格設定をしていれば、そちらに乗り換える」としている。同社は、このことから、消費者が世界的なマクロ経済環境に押され、購買効率を最大限に高めたいと考えていることを表していると分析している。

また今年の消費者調査で目立つのは、「より品質の高いものを購入したい」ということだとも分析している。調査によると、「より長く使えるものを買いたい」と答えた人が82%(n=2000)と圧倒的に多いことがわかった。同時に、62%の回答者が「大きな買い物をするよりも、自分の健康を向上させるために小さなものをいくつも買いたい」と答えた。

「BFCMセールを実施する」日本企業の20%

「BFCMセールを実施する」日本企業の20%

一方で、今回の調査対象となった日本の企業1,000社のうちの半数以上が、昨年、BFCMから年末までの数週間に、年間売上の20%以上を「生み出している」と回答した。しかし、今年BFCMセールを実施すると回答したのは、調査に協力した日本の企業(n=1000)のうち、20%にとどまっている。これは、BFCMがまだ主に海外の現象であるという認識が残っている結果であると同社は分析している。

2017年以前は、その傾向にあったかもしれないが、Shopifyの調査によると、ここ数年、消費者のBFCMへの関心はますます高まっている。せっかくお買い得感を求める消費者ニーズがあるのだから、このプロモーション時期を活用しないブランドは、チャンスを逃すことになりかねない。

日本におけるBFCMに対する消費者の欲求はどの程度あるだろうか。Shopifyの調査結果によると、回答者(n=2000)の半数近く(42%)が「第4四半期の買い物のほとんどをこの4日間だけで済ませる予定だ」と答えている。また、ブランド側が収益を上げるためにできることについては、57%が「割引の提供」が最も重要であると回答している。

特に今年は、誰もが購買効率の最大化を最重要視しており、ブランドができることの一つとして、事前にプロモーションキャンペーンを知らせることが挙げられる。調査によると、回答者の59%が「BFCMなどのセール期間前にお得な情報を知りたがっている」ことを明らかにした。さらに、回答者の40%が「ブランドのメーリングリストに登録し、最新のキャンペーン情報を入手している」と回答している。

サマリー

調査結果にあるように、調査に協力した日本の消費者2,000人のうち、80%が「BFCMの4日間に買い物をする」と答え、約1/4の人が「今年のBFCMでも16,500円以上の支出を予定している」と回答した。

さらに日本の消費者2,000人の半数近くにあたる42%が「第4四半期の買い物のほとんどをこの4日間だけで済ませる予定」であることがわかった。また消費者側の関心は高い一方で、調査に協力した日本の企業(n=1000)のうち、今年、BFCMセールを実施すると回答したのは、20%にとどまった。

このようにBFCMが着実に日本の消費者の中にも浸透しつつある一方で、企業側が必ずしもその高まる熱量を受け止め切れていない可能性があることが示された。同社も述べているように、こうした高まるECセールへのニーズを、企業側が捉えきれなければ、ビジネスチャンスを逃すことにもなりかねず、各事業者において、的確な施策を検討することが求められることにもなりそうだ。

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