ECサイト構築に必要なサーバーとは。種類や選定時のポイントを解説

ECのミカタ編集部

ECサイト構築に必要なサーバーとは。種類や選定時のポイントを解説

ECサイトの構築にはサーバーの存在が不可欠だ。一方で「サーバーとはどのようなものか」「サーバーの種類には何があるのか」と悩むケースもあるだろう。今回は、サーバーの概要や種類を紹介する。最後に、サーバー選定のポイントも紹介するので、自社ECサイト構築の参考にしてほしい。

目次

●ECサイトに必要な「サーバー」とは
●サーバーの種類
●サーバー選定のポイント
●まとめ

ECサイトに必要な「サーバー」とは

サーバーとは、データやファイルを置いておくことができるコンピューターの一種だ。サーバーにあるデータやファイルといった情報が、ネットワークを通じでスマホやパソコンといったデバイスに送られ、さまざまな機能が実現している。

サーバーの具体的な例として以下のものが挙げられる。

・ウェブサーバー
・メールサーバー
・ファイルサーバー
・データベースサーバー

例えば、ウェブサーバーは、パソコンから「この情報が見たい」といった要求を受け、そのページを表示するために必要な文章や画像を提供するという仕組みだ。扱う情報によりサーバーの名前は異なるが、「スマホやパソコンなどのデバイスと情報のやりとりをしてるもの」を総称してサーバーと呼ぶ。

サーバーは、「データやファイルを置いておけるネットワーク上の箱」であり、ECサイトの構築においては、サーバー上に商品の情報や決済サービスなどを置くと考えるとイメージしやすいだろう。


サーバーの種類

ここからは、ECサイトを構築できるサーバーの種類を紹介する。

オンプレミス


オンプレミスとは、自社にサーバーを含むインフラ全般を置いて管理することだ。サーバーやソフトウェア、ネットワークなどの設備を自社で導入する。運用を自社で行うため、サーバーを自由にカスタマイズし、社内連携しやすいことがメリットだ。ネットワークも自社で完結するため、セキュリティ面での安全性も高いと言えるだろう。

一方で、管理や運営も全て社内で行うため、初期コストが高額で、運用まで時間がかかるというデメリットがある。トラブル発生時も、その都度対応が求められるため注意が必要だ。

クラウド


クラウドとは、自社にサーバー構築に必要な設備を置かず、ネットワーク経由で利用するサーバーのことだ。インフラ周りの管理を全て任せることが可能なため、ECサイトを迅速に構築でき、アクセスが集中するような急なトラフィック増大にも対応できるというメリットがある。トラブル対応も任せられるため、自社ECの運営に集中しやすい。

しかし、すでに環境が構築されているため、カスタマイズに対する柔軟性に欠け、社内システムとの連携が難しいというデメリットがある。クラウドサーバーは、複数ある仮想サーバーをサイトごとに割り振られるため、セキュリティ面に不安が残るという懸念点もある。

ハウジング


ハウジングとは、自社でサーバーを所有しつつ、サーバーの管理は通信業者に預けて管理してもらうことだ。自社にサーバーを置くスペースが不要で、火事や地震、停電といったトラブル時にサーバーを守れる。また、回線が安定しているためトラフィックの増大にも対応でき、セキュリティも強いというメリットがある。

デメリットとしては、サーバーを自社で用意する必要があることと、ホスティングに比べるとコストが高い点だ。特別な情報管理を必要とする企業の場合は、ハウジング事業者にサーバーの管理を任せるのが得策だろう。

ホスティング(レンタルサーバー)


ホスティングとは、サーバー事業者からサーバーを借りることだ。レンタルサーバーとも呼ばれている。サーバーの設定や構築、メンテナンスはサーバー事業者に任せられるため、比較的初心者でも利用しやすい。維持費用も低いためコストを抑えて運用できるメリットもある。

しかし、予め容量とプランが決まっているサーバーを借りるため、カスタマイズができず、トラフィック増大が発生した場合に、柔軟に対応できないというデメリットがある。

なお、ホスティングには、1つのサーバーを1ユーザーで貸切るタイプと「専用ホスティング」と、1つのサーバーを複数のユーザーで借りる「共有ホスティング」の2つのタイプがある。

専用ホスティングは、コストが高く、運用時に専門の知識が必要なケースがあるが、自由度が高く大量アクセスにも強い特徴がある。ホスティングでサーバーを持つ場合には、こちらがオススメと言えるだろう。共有ホスティングのサーバーを使う場合は、コストは安く済むが、他のユーザーの影響を受ける可能性が高くセキュリティ面の懸念が生じることも覚えておきたい。


サーバー選定のポイント

最後に、サーバーを選ぶ際の選定のポイントを紹介する。なお、ここでは、自社でサーバーを持たない「クラウド」「ハウジング」「ホスティング」の3つの種類においての選ぶ際のポイントに触れていく。

安定性


まず、確認したいポイントはサーバーの安定性だ。サーバーが不安定だと、エラーが出て購買意欲のあるユーザーが購入画面に進めないといったトラブルが発生しかねない。安定性を図る上で指標になるのが「稼働率」だ。稼働率はサーバーが一定の期間でどれだけ稼働できるを表すもので、稼働率が良いほどサーバーは落ちにくい。

さらに、SLAの対象になっているサーバーを選ぶのもオススメだ。「SLA」とは、Service Level Agreementの略でサービス提供事業者が、サービス利用者に対してどの程度まで品質を保証できるか明示したものだ。SLA対象であれば、サーバーが稼働でいていなかった場合に料金を返金してもらえることもある。

速度


サーバーの通信速度も重視しておきたいポイントの一つだ。サイトを表示する速度は、ユーザーの離脱と関係しているとも言われており、売上にも直結する問題だ。通信速度は、データ転送量で「〇BG」と表示される。訪問者数やアクセス数などを想定して、必要なデータ転送量を見極めよう。

セキュリティ


ECサイトは、ユーザーの個人情報を扱うため、サーバーのセキュリティの確認は重要だ。常に最新のバージョンを保つことができるか、IDやパスワードの管理は厳重にできているかをチェックしよう。

また、障害やトラブルが発生したときの対応として、バックアップサービスの利用も検討したい。バックアップサービスは、契約プランに組み込まれているケースと、月額料金に追加料金がかかるケースがある。バックアップの内容や利用料金などを比較しなが検討できるとよいだろう。

価格


価格も大切なポイントだ。ECサイトをリリースしたばかりで、十分な売上がない中でサーバー代で運営を圧迫することは避けたい。上記で紹介した「安定性」「速度」「セキュリティ」のポイントを満たした上で、コストを抑えられるサービスを検討していくことが重要と言えるだろう。そのため、自社でサーバーにかけられる予算を把握した上で、具体的なサーバー選びを始めていくことをオススメする。


まとめ

ECサイト構築に欠かせない「サーバー」。サーバーには種類があり、ECサイトの運営を左右する要素を持つと言えるだろう。そのため、それぞれのメリット・デメリットを把握した上でのサーバー選びが重要だ。今回のサーバーの種類や選定ポイントを参考に、自社サイトの構築を進めてみてはいかがだろうか。


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