定形郵便物の料金の上限額を「84円」から「110円」に改正予定 物価問題に関する関係閣僚会議の了承を得た上での省令改正を見込む

ECのミカタ編集部

郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事業者による 信書の送達に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に対する 意見募集の結果及び情報通信行政・郵政行政審議会からの答申

総務省は2024年3月7日「郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則の一部を改正する省令案(以下:省令案)」について、情報通信行政・郵政行政審議会から、諮問の通り改正することが適当である旨の答申を受けた。

定形郵便物の料金の上限額を「84円」から「110円」に改正

今回改正が適当と判断された内容は以下のとおり。

◆郵便法施行規則の改正
定形郵便物の料金の上限額は、軽量の信書の送達の役務が国民生活において果たしている役割の重要性、国民の負担能力、物価その他の事情を勘案し「84円」から「110円」に改正する。

◆民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則の改正
一般信書便役務のうち定形郵便物と同じ大きさ及び形状の信書便物の料金の上限額について、現行は定形郵便物の料金の上限額と同額の「84円」と規定されていることから、定形郵便物の料金の上限額の改正にあわせて「110円」に改正する。

それぞれの施行期日については公布の日からが予定されている。今後の物価問題に関する関係閣僚会議に付議し、了承を得た上で速やかに省令改正を行うとしている。

出典元:郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事業者による 信書の送達に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要(総務省)

郵便事業の安定的な提供を継続するための料金見直し

郵便物数は、2001年度をピークに毎年減少しており、日本郵便では郵便の利用拡大の取り組み等を推進してきた。社会全体としてデジタル技術の活用が急速に進んでいる昨今の状況を踏まえると、郵便物数は今後も大きな減少が見込まれ、営業収益の減少傾向が継続することが考えられる。

また、日本郵便においてはこれまでも業務効率化等により営業費用の削減を図ってきたが、賃金引上げの実施や燃料価格をはじめとする物価の高騰を適切に委託料等に反映することは、社会的な要請になっており、直近で大幅な営業費用の削減は極めて困難である。

今後も日本郵便において、郵便の利用拡大や業務効率化に向けた更なる取組を推進するものの、郵便事業の営業損益の見通しは非常に厳しく、郵便事業の安定的な提供を継続するためには、早期の郵便料金の見直しを行う必要があった。

今回、消費増税を除くと30年ぶりの価格改定となる。デジタル技術によって需要が減りつつある郵便であるが、必ず一定の需要は存在し続けるだろう。今後の動向を踏まえ、郵便文化がどのように変化していくのか注目したい。

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