いざ、通販王国九州へ!心をつかまれた茅乃舎での「本物の体感」とは?
【いざ、通販王国九州へ!CRM全国行脚の旅コラム
第3回:ワイズ・ヒューマンが考えるCRMとは?
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第4回:エバーライフに浸透している理念に迫る!
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第5回:さくらフォレスト流おもてなしの真髄とは…
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奥山にたたずむ趣のある建物の正体は!?
「モノ言わぬモノに モノ言わす モノづくり」
この言葉と出会ったのは、10数年前までさかのぼる。
当時、福岡県粕屋郡久山(かすやぐん ひさやま)町の高級明太子の店舗、「椒房庵(しょぼうあん)」さんを訪れたときに、立派な和額に入った堂々たる書を見て、身体が少し震えるような驚きを覚えた。物(商品)はモノが言えない、されどモノを感じるぐらいに、丁寧な物づくりにこだわるということか?
会社としては120年以上の歴史がある久原(くばら)本家さん。初めは醤油屋さん、それから各種のタレなどのOEM、やがて「釣り子明太子」という高級明太子を開発され、直営店も通販も伸び始めた。そして、転機となったのが「本格和風レストラン」と「だし」の開発。
その「レストラン茅乃舎(かやのや)」に、ある寒い日に車で向かった。「椒房庵」のある久山町から更に山の奥へ車を走らせ、由緒正しき神社のそのまた先、これ以上は道がないのではと疑いたくなる少し暗く感じる山中に突然、光がさして茅の大屋根が見えてくる。初夏には蛍が飛び交う清流の横に重さ80トンとも言われる本物の茅葺屋根の堂々とした建築物。
まだ紅葉が残る冷たい雨の中、前庭をゆっくりと歩き、舞なども披露されるであろう舞台を横に見ながら、立派なのれんをくぐり、通していただいたのが待合の囲炉裏端。冷え切った身体を囲炉裏端で暖を取っているうちに、天井の高いメインダイニングのフロアーへ。
吹き替えて間もない茅をいぶすために毎晩、煙を焚くという燻製の残り香も感じつつ、テーブルには直前の予約にも関わらず、私の名前を花文字でアレンジした和紙のランチョンマットが出迎えてくれた。
心温まるお料理とおもてなしとともに・・・
お料理は、「モノいわぬモノに モノ言わす モノづくり」の通り、前菜も箸休めもメインディシュも、手間を惜しまず下ごしらえされて粋に盛り付けられた逸品の数々に舌鼓を打ちながら、隠し味や包丁の入れ方の工夫さえ話題にしつつ、豪華なコースを堪能させていただいた。そして、選び抜かれたお米を注文があってから、かまど炊きするごはんへのこだわり、最近では東京日本橋のコレド店、六本木ミッドタウン店でも有名だが、特に「茅乃舎だし」が今注目を集めている。
そうか、食した人に「物を言わせることが!」と思わずうなり、そして何度もうなずき、口中の楽しみを舌触りや後味のまろやかさも感じつつ。
食事を終えて、季節を感じさせる小窓からの裏庭の風景にも関心していると、顔見知りの社員さんと店内で合ってしまい、「あっ、藏内さま。ぜひ体験していただきたいので、こちらへどうぞ」静かで、かつ重厚なオーディオルームのような喫茶室「茶舎」に席を移して、コーヒー農園まで作ってこだわった、独特のあっさりとした酸味がある珈琲をゆったりと楽しませていただき、既に2時間以上も滞在していたので、いよいよ帰ろうと、また驟雨で更に濡れ始めた室外へ出る。ちょうど、団体ツアーのバスが1台食事を堪能されて帰ろうとしている。そのバスの前にいた店員さんが目に入る。団体さんがみんな笑顔で「ありがとう~」と手を振っている。それに答えて店員さんも手を振って雨の中、傘を差さずにバスの皆さんをお見送り。ここでも味のある演出。
「藏内さま、ちょっとお待ちを」と、
「雨が降っておりますので、傘をどうぞ。」
「どしゃぶりじゃないですし、傘を持っていくのもあれなんで、、、」
とあまりにも親切な笑顔に躊躇していると、
「いえいえ、傘はお車の近くに置いておいてもらえれば、後で取りにまいりますので、お気にされないでください。」
ここまでしてもらえるとは。
「では、お言葉にあまえさせていただきまして」と傘をお借りした。。
ということで我々は店員さんに見送られながら、後ろ髪を引かれつつも茅乃舎さんを後にした。
茅乃舎さん 本当においしかったです。ますます好きになりました。最高のおもてなしも、ありがとうございました。
更にこの感動は、ぶり返す。東京に帰って数日後に、オーナーから直筆のお礼状までいただいた。また、あの土地に行かざるを得ない。そう感じさせる、これこそ本物。
~今日のCRM~
本物へのこだわりとモノの良さとストーリーを体感した。
必要なタイミングで、必要なおもてなしをして頂いた時のなんともいえない心地よさを体験した。
飲食店。ただご飯を食べるだけでも飲食店。
考えぬかれた、おもてなしは人の心まで豊かにするものだと感じた。
人がファンになる為に必要な「価値」と「商品力」を体感した。
おもてなしも徹底すると想いやりにまで感じ期待を超える。
口では表しづらいおもてなしはぜひ体感されることをお勧めしたい。
EC通販にもこのおもてなしの心をぜひ取り入れるべきだと改めて確信をした。
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