第2回:「DeNAショッピング」が考える「理想のモール」のカタチとは
【連載コラム 】
第1回:DeNAのショッピングモール事業は「ユーザの声」から生まれた
https://ecnomikata.com/ecnews/marketing/8445/
本当に売りたいもの、埋もれてしまっていませんか?
「自分たちの売りたいものだけで店舗を運営していくのは難しい」
これは、モールへの出店経験をもつ多くのEC事業者が一度は直面する問題なのではないかと思います。
モールで売れている商品(=ランキング)を見ると、例えばファッションカテゴリの場合は、流行のデザインの物が安価で売られているのが目立っている。ならば自社でも同様のものを開発して、既存のものより安く売ろう。モール内の店舗が増えて競争が激化しても、前年と同等かそれ以上の売上を確保するためには「本当に売りたいもの」ではなくてもランキングに入るような商品が必要だし、少し負担でも継続的にセールに参加して集客に繋げていかなければならない。
こうしてセール販促で売上を立てることに集中した結果、「本当に売りたいもの」が埋もれてしまっていませんか?
「DeNAショッピング」でも、店舗さまへの集客や、日頃からサービスを利用してくれている方々への感謝を込めたセール企画を実施していますが、「安く売る」ことが全てだとは考えていません。
「DeNAショッピング」では、店舗さまの売上への貢献に加えて、「本当に売りたいもの」の魅力を伝え、その商品を求める人に売ることができるような“場”を提供することが理想的なモールのあり方ではないかと考えています。
「商品の魅力」を伝えるための施策とは
「本当に売りたいもの」を売っていただくためには、セールだけではなく、その商品の魅力が受取手に伝わるような施策が重要です。
例えば、レディースファッションではカテゴリ内にテーマ別のコーディネートを提案する特集コーナーを設けて、月に約10本の記事を掲載しています。ただ商品を掲載するのではなく、そのコーディネートにぴったりのシーンの写真とテキストを掲載することで、ユーザは「自分の好きなテイストの洋服」や「自分が“なりたい”イメージと合う」ことが直感的にわかるので、好評をいただいています。グルメカテゴリでも同様の施策を行っており、2015年度は特集経由での流通が前年度比で250%、ファッションカテゴリにおいては10ヶ月で前年度比800%の成長を遂げる事ができました。
また、「DeNAショッピング」ならではの取組みとして、DeNAグループが運営するキュレーションメディアとの連携も開始しています。中でも「MERY」と「DeNAショッピング」の親和性は非常に高く、バレンタインの時期にスイーツの紹介記事を公開したところ、他の連携施策と比較してCVRが3倍に到達するという事例も生まれています。「どんなシーンで」「どんなものを」「誰にプレゼントするのか」などがイメージしやすいことが、このような成果に繋がったのではと考えています。今後もキュレーションメディアとの連携は積極的に行っていく予定です。
トレンドに対応した施策も開始、大手店舗も複数出店予定
「DeNAショッピング」では、前述の取り組みに加えて、今年度は集客強化としてインフルエンサーを用いた施策を提案しています。具体的には、提携している芸能プロダクションに所属するタレント・モデルとのコラボレーションを初めとする企画を実施することで、新規顧客の流入や店舗さまの認知拡大、ブランディングに繋げていただけるのではと考えています。提携先は随時拡大しています。
まだ動き始めたばかりの施策ですが、「DeNAショッピング」の考えに共感してくださった複数の大手店舗さまとコラボレーション商品を開発しており、近日中に店舗をオープンする予定ですので、楽しみにしていただければと思います。
「DeNAショッピング」では、今後も店舗さまが「売りたい商品」をより多く売っていただける“場”の提供に務めていきます。
なお、次回は「脱・価格訴求」のより具体的な事例を紹介する予定です。