フリマアプリがもたらす購買意識の変化が浮き彫りに(クロス・マーケティング調べ)

福島 れい

フリマアプリ利用者の半数、”売る”前提で購入

 購入・販売の双方がスマホで手軽にできるフリマアプリが急激な成長を見せている。今回は株式会社クロス・マーケティングが行った「フリマアプリに関する調査」から、フリマアプリがユーザーの購買行動に与える影響を探る。調査対象は、全国に在住する20代~49歳の男女。

 まず、フリマアプリの利用経験と利用目的を見ていく。
 フリマアプリを現在利用している人は29.7%、過去利用していた人は12.2%となり約40%が利用していることが明らかになった。その利用目的としては、「購入目的」42.7%、「販売目的」21.3%、「購入・販売両方目的」34.3%、「閲覧のみ」1.7%となり、”購入”を目的にした利用が多数を占めることがわかる。

 現在利用しているというユーザーの利用理由を尋ねると、購入する場合には、「安く買い物できるから」61.1%、販売する側では「お金が儲かるから」36.0%が最多となった。男女で差が出たのは「ブランド品や限定品などが出品されるから」、「時間や場所に限らず買い物ができるから」の2つの項目で、前者は男性が、後者は女性が多数回答している。

 最後に購買行動の変化について。「普段の買い物時に売ることを前提に商品を購入することがあるか」という問いに対し、全体では38.2%、フリマアプリを現在利用しているユーザーでは53.4%が「あてはまる」と回答した。一方でフリマアプリを利用したことがないというユーザーのうち、売ることを前提に商品を購入すると回答したのは31.5%にとどまり、フリマアプリが購買時の意識に影響を与えていることをうかがわせる結果となった。

 今回の調査で注目すべきは、フリマアプリの普及によって商品は購入して自分で使用するだけのものではなく、使用後に販売するものへと変化していることだろう。売ることを前提に商品を購入するユーザーは、当然より質が良く、長持ちするものを求めることとなるし、フリマアプリで売って得たお金で、別の商品を買うとなれば、購入単価も上がる。このようなユーザーの意識変化を考えると、単純に安売りをすれば売れるというわけではなく、より良いものを適切な価格で販売することが求められているのではないだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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